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【1〜2台目編】4台の車を乗り継ぎヒッチハイクで大阪から福岡まで行ってきた。

大学の授業から帰っては淡々とアルバイトに励むそんな毎日。こんなの何が面白いんだ。

刺激が足りない毎日に飽き飽きしていた僕は、何かワクワクすることに挑戦したいと思いヒッチハイクをすることに決めた。

目指すは福岡県。
福岡を目指す理由は、小戸ヨットハーバーでお世話になった部活の先輩や同期たちが全日本インカレの舞台で戦っているからである。4回生にとってはセーラー人生最後の舞台でもあり、少しでも現地で応援したいという気持ちが僕を福岡へと駆り立てた。

「福岡方面」とスケッチブックに力強く記し、吹田サービスエリアの下り線に徒歩で忍び込んだ。

吹田から福岡までの総距離は約630㎞。
これいけたらたまらんやろ。
熱い好奇心を胸に、21時からヒッチハイクを開始した。

ヒッチハイク開始前のトイレにて。

声をかけ続けること早1時間。大阪人は
「おもろいことやってんなー。でも乗せられへんわ」
というような陽気なテンションで断ってくれるので、メンタルをえぐられることは無かった。

中には
「がんばってね。これで美味しいご飯でも食べて」
と5000円札を手渡してくれた人情溢れるおっちゃんがいて、嬉しさで涙が出そうになった。

とはいえ
「そっち方面じゃないわー。ごめんやでー。」
と何度も口を揃えて断られる。

あれ、こんなにも捕まらないのはおかしいな。スタート位置を変えた方が良いのではないかと落胆しながらスマートフォンを取り出そうとすると、突如目の前にイケメンお兄さんが現れ口を開いた。

「福岡目指してるんですね。ちょっとしか進まないですけど乗っていきます?」

うぉー!!!!まじかーー!!!!!!
ただただ嬉しすぎた。

「めちゃくちゃ嬉しいです。是非とも乗らせて頂きたいです。お願いします」
と二つ返事で答え、念願の第1号車が吹田を出発した。    

2023/11/04(土)22:15~22:45
吹田SA【大阪】→明石SA【兵庫】

新卒2年目のお仕事帰りのお兄さんは普段、製造業に勤しんでいるらしい。大学時代は自主的に英語を学んでいたらしく、4年次に英検準1級を取得し、IELTSのスコアはまさかの6.0を叩き出しているとのことだった。
(ちなみに僕は英検2級、IELTS5.0)

さらにお兄さんは話し上手であり、聞き上手でもある。一通りヒッチハイクをする理由や将来の夢について話し終えると、お兄さんから様々な観点の質問を頂いた。頭の中で言葉を整理し、いざ質問に答えてみる。

驚くことに、僕自身が気付いていなかった内なる「考え」や「想い」が次から次へと自分の口から発せられる。なんだか大切にしようとしている自分の軸が、少しだけ分かったような気がした。

普通に生きていれば話す機会なんてまるでない、新米社会人のお兄さん。お互いの名前も人生のバックグラウンドも何も分からないが、同じ車に乗って交わす熱い会話と時間は素晴らしいものだった。

全ての面において一回りも二回りも達者なお兄さん。素敵な時間は束の間で、気がつけば明石サービスエリアに到着した。連絡先を交換し、心から感謝の言葉を伝えた。

爽やかイケメンなお兄さん。
まじであざした!

一度ホームタウンを離れると引き返すことはもうできない。それに、まだまだ目的地である福岡県まで程遠い位置にいる。自動販売機で購入したレッドブルを数十秒で飲み干し、改めて福岡行きを決心した。

声をかけ始めて約10分。阪神タイガースのユニフォームを着た60代くらいの渋いおじさんが「いいよ」と快諾してくださった。想像以上に早く出発することができる。シートベルトを締め、ありがたいことに福岡へ向かう第2号車が出発した。

2023/11/04(土)23:00〜 2023/11/05(日)01:15
明石SA(兵庫)→福山SA(広島)

この時間まで何をしていたのか訊いてみると、日本シリーズ優勝に王手のかかった阪神を応援するべく、甲子園で現地観戦していたそうだ。試合は阪神が敗れ、優勝は明日の最終戦へとお預けになったらしい。

車内のテレビに試合のダイジェストが映ると、悔しさを滲ませ「いや〜」と嘆いている。生粋のタイガースファンであることは間違いなかった。

阪神の話題に区切りが着くと、ようやく僕のことに興味を持ってくださった。どこの大学に通っているのかと訊かれ、「関西大学なんですよー」と答えると突如おじさんの表情が一変した。

「関大か笑。実は俺も関大(ニコッ)」

「えー!!!まじすかーー!!!こんなことあるんですね笑」  

車内の雰囲気がガラリと変わった。同じ大学出身というだけでこれほど盛り上がるものなのか。

さらに話を続けていると、なんとおじさんは体育会フェンシング部の主将を務めていたことが判明した。

今昔の関大体育会部員がどういう訳か運転席と助手席に座り、時代を超えて会話を繰り広げる。

「やっぱりスパルタな時代やったんですか?」
「いやー、当時は部員が少なくてね。大会に出るのがやっとやったから、誰1人退部しないように物凄く慎重に指導してたな。同期がひとりもいなかったから大変やったわ」

他にも様々な苦労や勉強のこと、奨学金の返済についてや千里山キャンパスの学舎の話などで終始話題は尽きなかった。

ヒッチハイクをすることでしか出会えない大学の大先輩。「人の優しさ」というものをしみじみと感じることができた。

トンネル火災の影響で岡山県の下道を大きく迂回し、大阪と福岡の中間地点である広島県の福山サービスエリアまでたどり着いた。

阪神ファンの大学の大先輩。
左右にグラグラ揺れて車が走ってたから
正直ビビってた。お互い無事で何よりです。

(↑ヒッチハイク東京編)

【ヒッチハイクの映像⤴︎︎︎】

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