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憧れてもらえる人にきっとなれる!「日本のエース」山本投手がドジャース入団会見。12年463億円の巨額契約。オリックスドラ4からの成功物語

目標は「憧れてもらえる選手になること」。オリックスからポスティングシステムでロサンゼルス・ドジャースに移籍が決まった山本由伸投手(25)が入団会見を行った。契約額は12年で総額3億2500万ドル(約463億円)と巨額だ。甲子園出場なしの高卒選手がオリックスにドラフト4位で入団してからの成功物語。山本投手は夢を与える存在となった。

「日本のエース」が海を渡って、野球の最高峰メジャーリーグで戦うことに。選んだチームは伝統球団のドジャース。毎年のようにポストシーズンを戦う強豪チームだ。

球団選びの決め手となったのは「勝ち続けられる球団に一番近いのはドジャースと感じたから」だった。2013年以降11年連続でポストシーズンに進出し続けている。そのうち2021年を除き、毎年ナリーグ西地区を制覇している。

2017年、18年、20年にナリーグを制して、20年に世界一に輝いた。勝ち進む球団として選ぶには、ドジャースは最適解と言っていいだろう。

山本投手がドジャースを選んだもう一つの理由は、今季2度目のMVPに輝いた大谷翔平選手の存在だ。

会見で山本投手は「今日からは本当の意味で、(大リーグに)憧れるのをやめなければいけません」と語った。その上で、「自分自身が憧れてもらえるような選手になりたい」と抱負を語った。

この言葉の伏線には、大谷選手の名言がある。今春に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、大谷選手が決勝の米国戦前に「憧れるのはやめましょう」と言ったのだ。

いつまでも憧れているようでは、米国と対等に戦うことはできない。下から目線では勝つことなど不可能だと言わんばかりの思いがにじみ出ていた。

大谷選手の名言がチームに活を入れて、侍ジャパンは世界一を奪還できた。憧れからの卒業が人を成長させるのだ。

だからこそ、ドジャース入団会見の場で、山本投手は「憧れてもらえる選手」になろうと語ったのだ。

ドジャースには大谷選手も移籍することになっている。山本投手の入団交渉の場に、大谷選手も同席。「分からないことがあったら何でも聞いてね」と大谷選手から言われたという。

山本投手にとって、大谷選手の存在は「鬼に金棒」のようなものだろう。これからチームメートになる。米国での生活環境、プレー環境で、大谷選手からアドバイスをもらえることは頼もしい。

大谷選手は花巻東高で甲子園に出場し、ドラフト1位で日本ハムに入団と「王道」を歩んで、メジャーリーグ入りした。今や球界のスーパースターだ。

一方の山本投手は甲子園出場なし、オリックスにはドラフト4位からのスタートだった。そこから「雑草魂」で「日本のエース」へと君臨した。出世物語としては最高級だろう。

「王道」と「雑草魂」がドジャースというメジャーの強豪で交錯する。侍ジャパンでは短期間の仲間だったが、今後は長期間、同じチームで戦うことになる。2人の化学反応がドジャースにどんな好影響をもたらすか楽しみだ。

「雑草魂」から日本のエースとなり、そして海の向こうの強豪球団で世界一をめざす。山本投手が多くの人たちに「憧れてもらえる選手」になることを期待する。来季の開幕が楽しみだ。

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