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もう一度始めよう、最初から。広島の大瀬良投手が右ひじ手術後初のシート打撃に登板。打者4人に無安打投球。エースが再起に賭ける

もう一度始めよう、最初からの気持ちで。広島のエース大瀬良大地投手(32)が再起を賭けている。昨秋に右ひじ出術を行った後、初のシート打撃に登板。実戦形式に近いマウンドで4人の打者に対して、無安打とピシャリと抑え込んだ。手術後は不安がつきまとうもの。打者を抑えられるか。気分は新人投手と同じだったかも。しかし不安を一掃する投球だった。

今季プロ11年目の大瀬良投手。沖縄で行われている春季キャンプで26日に、シート打撃に登板した。昨年10月に右ひじのスクリーニング手術を受けてから、初となる実戦形式に近い形でのピッチングだ。

どんなに実績を積み重ねた投手でも、手術後は不安が付きまとうものだろう。果たしてバッターを抑え込めるだろうか、と。それはプロ入り間もない新人投手に近い気分ではないか。

長崎日大高時代に甲子園に出場し、九州共立大学を経て、2013年のドラフト会議で広島から1位指名を受けて入団した。

プロ1年目から毎年1軍で登板し計251試合に登板。ルーキーイヤーに10勝を挙げ新人王に選出された。2018年には15勝を挙げ最多勝、最高勝率の2冠に輝いた。翌年からは5年連続で開幕投手を務めている。

しかし経験を積み重ねた右腕は疲労を蓄積していた。2020年秋に右ひじ手術。翌年も開幕投手を務め10勝を挙げたが、以降、成績は右肩下がりだった。

2022年は8勝、昨季は6勝と勝ち星が減る中で、再び右ひじにメスを入れる決断をした。

今回のシート打撃は、手術後初の実戦形式に近いマウンドだった。果たして、自分の投球はどこまで通用するのか。期待と不安が入り混じっての登板だっただろう。

この日は、味方の4選手と対戦。石原貴規選手をショートゴロに打ち取り波に乗ると、堂林翔太選手には縦の変化球で空振り三振を奪った。

ここからは外国人打者が続いた。シャイナー選手をセンターフライに打ち取り、最後はレイノルズ選手を力強いストレートで押して見逃し三振に仕留めた。

計23球。直球は最速144キロをマーク。圧巻のピッチングだった。大瀬良投手は仕上がりについて「70%くらい。真っすぐが思っていたより良かった」と振り返った。

新井貴浩監督は「当初のプラン通りに順調に来ている。良い感じだと思います」と満足いく表情を浮かべた。

通算81勝を挙げている大瀬良投手。積み重ねた勝利数は多いが、焦らずにゼロから始めるつもりで仕上げていってほしい。

エース復活の道のり。もう一度始めよう、最初から。大瀬良投手の活躍を楽しみにしている。

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