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個性があることは再起を図る武器となる。サブマリン高橋投手。ソフトバンクから巨人へトレード移籍。新天地で再浮上狙う。元新人王の侍ジャパン経験者

個性があることは再起を図る上で大きな武器となる。アンダースローの「サブマリン」高橋礼投手(28)だ。昨季オフにソフトバンクから巨人へトレードで移籍。ここ数年、登板機会に恵まれなかったが、新天地で再浮上を狙う。かつては新人王に輝き、侍ジャパンにも選ばれた。変則右腕の個性を生かして、巻き返しを図る。

専大松戸高(千葉)から専修大を経て、2017年のドラフト会議でソフトバンクから2位指名を受けて入団。プロ2年目の19年に12勝を挙げて新人王を受賞した。

この年は巨人との日本シリーズ第2戦に先発。7回無失点に抑える好投で勝利投手に。ソフトバンクの日本一に貢献し、シリーズの優秀選手賞にも選ばれた。さらに同年、侍ジャパン入りし、プレミア12で世界一に君臨した。

翌シーズンはブルペン陣の一角として55試合に登板。防御率2.65と活躍した。2シーズンで先発でもリリーフでも結果を出せる投手となった。

しかし2021年からは登板機会が激減していく。21年は11試合、22年は4試合、そして昨季は5試合のみ。特に昨季は2軍で好投しても1軍に上がると防御率が10.80と打ち込まれた。サブマリンの低迷が続いた。

悩めるアンダーハンドに救いの手を差し伸べたのが巨人だった。昨年11月にトレードでソフトバンクから獲得した。

巨人の吉村禎章編成本部長は「ウチにはまったくいないアンダーハンドで先発、中継ぎですごく期待している」と評価。そして、このトレードには今季から巨人の指揮を取る阿部慎之助監督の意向もあったという。

阿部監督にとって、2019年は選手生活の最後の年だった。このシーズンの日本シリーズで高橋投手と対戦。第2戦で七回2死一、三塁の好機で内角寄りの直球をサードゴロに打ち取られるなど、3打数無安打に抑え込まれた。

その時の残像がくっきりと阿部監督の脳裏に刻まれているのだろう。高橋投手を自分のチームで復活させて、巨人復活の呼び水にしたいという思いが獲得の要因となったと思われる。

今月10日のオープン戦では、高橋投手は下手投げという自らの個性を生かし、昨季日本一の阪神打線を4回無失点に抑えた。65球を投げ、許したヒットは2本、四球は一つだけと安定した投球を見せた。

高橋投手は開幕ローテーションを狙う立場だが、阿部監督は「入るかもしれないですよね」と前向きな姿勢だ。

アンダースローという個性は、打者を幻惑し再起に向けた武器となる。サブマリンは再浮上を目指している。そして個性をもつことが重要な武器になることを示してくれた。高橋投手の復活が期待できそうだ。

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