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大混戦を抜け出した「上がり馬」イタリアに要警戒。侍ジャパンが16日にWBC準々決勝。A組で失点率の末に2位確保のダークホース

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンは、16日に「上がり馬」イタリアと対戦することが決まった。オランダやキューバとの対戦を予想していたが、まさかイタリアになるとは。しかし、A組を大混戦の末に2位で抜け出した勢いのあるチーム。日本にとっては要警戒だ。

イタリアは「馬」という代名詞とマッチすることが多い。ボクシング映画の名作「ロッキー」で主人公は「イタリアの種馬」と呼ばれていた。世界に名だたる自動車会社フェラーリは「跳ね馬」のエンブレムで有名だ。

そして今回のWBCにおけるイタリア代表を「ダークホース」と呼んでもおかしくないだろう。A組には五輪で最多3度の金メダルを獲得したキューバ、WBCの直近2大会で連続して4強入りしたオランダがいて、日本は準々決勝で、どちらかのチームと対戦すると思っていた。

しかしA組はふたを開けたら大混戦に。2勝2敗で出場5チームが並んだ。準々決勝に駒を進める2チームは、失点÷守備イニングの「失点率」で決まった。

キューバが失点率「0.42」で1位通過。オランダは「0.56」で僅差の3位に沈んだ。オランダをわずかにかわして準々決勝のキップを手にしたのがイタリアだった。「0.47」でオランダとの差は「0.09」。大混戦を抜け出した。

侍ジャパンはB組を4戦全勝で1位通過。コールド勝ちは1試合もなかったが、どの試合も終わってみれば大勝だった。

イタリアは大混戦を勝ち抜いた「上がり馬」。世界ランキングでWBC出場国20チームのうち16番目。A組最終戦のオランダとの大一番で7-1で快勝して、準々決勝のキップを手にして勢いに乗っているのだ。

日本は野球の主要大会ではイタリアと五輪で4度対戦し、いずれも勝っている。うち3度はコールド勝ちだ。しかし日本にとって、イタリアは警戒すべきチームだろう。「格下」などと侮ってはならない。

イタリアの監督は、メジャーリーグで通算427本塁打を放ったマイク・ピアザさん。野茂英雄さんがドジャース時代に投げていたころは、捕手としてコンビを組んでいた。日本でも人気を集め、企業のCMに登場したこともある。

今回のチームはイタリア系アメリカ選手で構成され、大谷翔平選手(28)とエンゼルスでチームメートのデビッド・オーウェン・フレッチャー選手(28)も出場している。2人は同い年でもあり仲が良く、準々決勝は「仲良し対決」とも呼ばれそうだ。

3大会ぶりに王座奪還をめざす侍ジャパン。1次ラウンドで4戦全勝でも、決勝トーナメントに入れば、「一戦必勝」の思いが増してくるだろう。混戦を勝ち抜いたイタリアは競馬で言う「上がり馬」だ。

優勝候補の日本が、ダークホースのイタリアとぶつかる準々決勝。決して息を抜ける試合ではないだろう。16日の試合が楽しみだ。

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