見出し画像

粘り続ければ、心はどんどん強くなる。楽天がシーソーゲームを制して3位浮上。八回にコツコツつないで5得点の逆転劇

どんなにつらい立場にいても粘り続けていれば、心はどんどん強くなる。その精神力が苦境から脱する源泉となる。楽天は心がたくましくなった。長く4位にいて、追う立場にいた。気持ちが切れておかしくない中で、前を見据えて粘り抜いた。2位から4位まで団子状態が続く中で、楽天は終盤に逆転劇を演じて、再び3位に浮上した。

28日にホーム仙台で行われたオリックス戦。1点を追う八回に、楽天の野球がつながった。この回、先頭の小郷裕哉選手がライト前ヒットを放つ。反撃の号砲だ。

島内宏明選手が四球、浅村栄斗選手がレフト前ヒットで満塁のチャンスに。ここで5番岡島豪郎選手がライト前へ同点のタイムリー。そして、辰己涼介選手がライトへ犠牲フライを放ち勝ち越した。

つなぐ楽天は止まらない。鈴木大地選手の四球で再び満塁に。太田光選手がライトへ犠牲フライを放って1点を追加。さらに村林一輝選手がボテボテの当たりながらサードへの内野安打でさらに1点。

1番小深田大翔選手がライト前へのヒットで満塁。この回2度目の打席となる小郷選手がライト前へタイムリーを放った。この回、一気に5点を奪うビッグイニングで逆転した。

しかも、この回、長打はゼロ。単打、四球、犠牲フライで奪った5点だ。仲間を信じて、大振りしない。コツコツつないでの逆転劇だ。

最終回。4点リードでセーブシチュエーションではない。それでも楽天の守護神松井裕樹投手がマウンドに立ち、相手3人をピシャリと抑えて、試合を締めた。楽天が「全員野球」で接戦をものにした。

試合は追いつ追われつのシーソーゲーム。楽天は二回に3点を奪われたが、三回に同点に追いつくと、五回に勝ち越した。しかしオリックスに直後の六回に追いつかれ、七回に勝ち越された。

ハラハラする展開。こうなると気持ちの勝負だ。こんな状況でも楽天ベンチは明るい。岡島選手は「若い子は点差にかかわらず声を出してくれて、『まだ行ける』と前を向いて引っ張ってくれている」と前向きだ。この姿勢が逆転劇を生み出した。

粘り続ければ、心は強くなる。そしてピンチにも動じず、前へ進んでいける。楽天の野球は粘ることの大切さを伝えてくれる。

楽天は3位に再浮上した。2位ソフトバンクと0.5ゲーム差、4位ロッテとも0.5ゲーム差。残り7試合。クライマックスシリーズ進出をかけた戦いは、これからも厳しさを増すだろう。

しかし楽天は長く4位で、上位チームを追い続けてきた。その粘りが心を強くして、最終盤を戦う糧となっている。

ここからは気力の勝負。粘り強い楽天が「気持ちの分」だけ、一歩リードしているように思える。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?