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腐らず努力を続ければ、きっと居場所は見つかる。2度目のトレード。ロッテの石川慎吾選手が移籍後初打点で勝利に導いた

憧れのプロ野球の世界入り。ただ、そこで活躍のチャンスが与えられなければ、毎日は苦しい。そんな厳しい状況にも負けずに、努力を続ければ、きっと居場所は見つかる。プロ12年目の石川慎吾選手(30)が2度目のトレードでロッテ入り。貴重な場面で代打に起用され勝ち越し打を放った。移籍後初打点。チームを勝利に導いた。

8日に敵地北海道の日本ハム戦に臨んだロッテ。試合は六回まで2-2の同点と緊迫した展開だった。

七回、ロッテは2死一、三塁の勝ち越しのチャンス。ここで吉井理人監督は勝負を賭けて代打を送る。打席に向かうのは石川選手だ。

この日、先制本塁打を含む2安打を放っていた角中勝也選手を変えての石川選手の起用。相手は左投手。左打者の角中選手よりも、右打者の石川選手の方が有利と見ての代打策だ。

この起用に石川選手が応えた。カウント2-1からの4球目。内角高めの142キロ直球をセンター前へ弾き返し、貴重な勝ち越し打となった。石川選手の移籍後初打点。このリードをロッテが守って、3-2で競り勝った。

石川選手は今月3日に巨人からのトレードが発表された。ロッテでの初出場は6日。ユニホームが間に合わず、2軍の大隣憲司コーチから借りて登場した。スタンドからの大歓声に後押しされ、代打で移籍後初ヒットを放った。

8日のゲームは、移籍後初ヒット以来2試合目。背番号50の上に「S.ISHIKAWA」と刻まれた自らのユニホームを着ての出場。プロ入団時の古巣日本ハムに、石川選手は勇姿を見せて「恩返し」を果たした。

2011年にドラフト3位で日本ハムに指名され入団。プロ2年目の2013年シーズンから1軍で出場したが目立った活躍を見せられず、巨人にトレードに出された。

巨人に移籍初年の2017年は99試合に出場したものの、次第に出場試合は減っていく。今季は2軍で打率3割5分8厘と結果を残したが、層の厚い巨人の中で1軍の出場機会を得られず、2度目のトレードでロッテ移籍となった。

1軍に上がれない苦しい状況では、気持ちが切れかねない。それでも「歯を食いしばってやるだけでした」と石川選手は振り返る。

そこに訪れたロッテへの移籍。石川選手が活躍しないわけがない。出勝2試合で2打数2安打1打点。いずれも代打での起用だが、きっちりチャンスを生かしている。

腐らずに努力を続けていけば、きっと居場所は見つかる。ロッテで快音を響かせる石川選手を見ていると、そう思うのだ。

3位のロッテは、首位ソフトバンクと1.5ゲーム差。18年ぶりとなるリーグVへ好位置にいる。新しい居場所を見つけて結果を出している石川選手が活躍を続ければ、ロッテの覇権奪還も夢物語ではない。

努力を重ねて居場所を見つけた石川選手の今後の打席に注目だ。

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