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「男前」大谷投手がメジャー初完封。続投を志願し、ダブルヘッダー初戦を勝利。日本ハム時代に見せた奇跡の逆転Ⅴの再現なるか

エンゼルスの大谷翔平投手(29)がメジャー6年目にして初完封を飾った。ダブルヘッダーが行われた27日。第1試合で先発登板した大谷投手は、救援陣の疲労を考慮し、最後までの続投を志願。その心意気が「男前」に感じられた。日本ハム時代には奇跡へと導く完封劇もあった。メジャーでは初めてでも、大谷投手には完封勝利が似合うのだ。

28日に敵地デトロイトでダブルヘッダーが行われた。第1試合に2番ピッチャーで先発した大谷選手。この日は直球に威力があった。大谷投手は初回を三者凡退に片づけると勢いに乗る。

四回までパーフェクトピッチングの「ショーヘイ劇場」。五回、先頭打者にヒットを許したものの、次打者をサードゴロの併殺に打ち取り、「0」行進を続けた。六回、七回、八回に四球を一つずつ与えたが、走者をホームに還さない。

九回も三者凡退に片づけて、111球8奪三振。許したヒットは1本のみ。3四球と極力無駄な走者を出さずに、自身メジャー初の完封勝利を飾った。メジャー通算83試合目にしての達成だった。

八回終了後に、フィル・ネビン監督は大谷投手のもとへ。交代か続投か。「僕が終わらせる」と大谷投手はキッパリ語った。

この日はダブルヘッダー。大谷投手が最後まで投げれば、救援陣を第2試合に注力できる。チームの連勝のために、大谷投手が続投を志願したのは「男前」に感じた。

メジャーでは初となる完封勝利。しかし、大谷投手には、最後まで投げ続ける姿がよく似合う。

忘れられないのは2016年9月28日の試合だ。日本ハム時代の大谷投手は、所沢で行われた西武戦で1安打完封勝利を飾った。そして、この試合を制して、チームを4年ぶり7度目となるパリーグ優勝へ導いたのだ。

大一番となった試合で、そのシーズン自己最多となる15奪三振の圧巻のピッチングを披露した。味方の援護は四回にレアード選手が放ったソロ一発のみ。手に汗握る試合展開だったが、大谷投手にとって、その1点の援護だけで十分だった。

この試合で西武の先発は菊池雄星投手だった。後に2投手ともメジャーで活躍する。あの試合を見た人は、永遠に記憶に残る試合となっただろう。

このシーズン、日本ハムは一時11.5ゲーム差をつけられていた。その逆境をはね返して大逆転となるリーグⅤ。その後、日本シリーズも制して、10年ぶりの日本一に輝いた。

大谷投手にとって、いずれの試合も1安打完封。そして許したヒットは五回に打たれたもの。もしかしたら、このメジャー初完封は、日本ハム時代同様に大逆転Ⅴへの呼び水となるかもしれない。

ダブルヘッダー開始前に、大谷選手のエンゼルス残留が確定した。最近、トレードの話が取りざたされていたが、大谷選手もよりいっそうプレーに集中できる。

日本時間27日段階でエンゼルスは西地区3位。首位レンジャーズとは7ゲーム差。そしてポストシーズン進出のワイルドカード圏内まで4ゲーム差だ。

今季の残りは約60試合。まだまだ十分に逆転できる範囲内。日本ハム時代に大逆転Ⅴへ導いた完封勝利のように、この日のメジャー初完封も「世界一」への布石となる勢いがある。

「二刀流」大谷選手のバットだけでなく、圧巻のピッチングが奇跡を呼び込む道筋となるはずだ。

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