見出し画像

WBC「因縁の好カード」。日本は韓国と試合をやって強くなる。先取点を許しながら13-4と大勝。侍ジャパンの視界は良好

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)における日韓戦。「因縁の好カード」といえるだろう。過去の対戦は4勝4敗とまったくの五分。日本は過去2度王座に輝いているが、いずれも韓国との死闘を経験してたくましくなった。今回も韓国との激戦を制した。その先にあるのは3大会ぶりとなるチャンピオンだろう。

日本において、日韓戦の注目度は高い。過去の大会でテレビの歴代平均世帯視聴率のベスト3に、日韓戦が2位と3位を占めていたのだ。

WBC初開催となった2006年には、1次と2次リーグで連勝した韓国が、東京ドームのマウンドに国旗を立てることもあった。当時の日本代表だったイチロー選手に「僕の野球人生で最も屈辱的な日」と言わしめた。

2009年のWBC決勝は日韓決戦となり、延長10回にイチロー選手が決勝打を放って、日本を大会2連覇に導いた。

直近2大会では日本は韓国との対戦がなく、いずれも4強止まり。3大会ぶりの王座奪還を狙う侍ジャパンにとって、韓国との試合を経験することが強さを増す原動力なのかもしれない。

3大会ぶりの対戦となった今回の日韓戦。韓国は前日のオーストラリア戦で打ち合いの末、惜敗している。それだけに日本戦ではしゃにむに挑んでくるだろう。今回の日韓戦は接戦が予想された。

事実、日本はこの試合で先取点を許した。実績で日本ナンバーワンのメジャー右腕、ダルビッシュ有投手をマウンドに送ったが、三回にツーランを喫するなど3失点。侍ジャパンにとって、韓国は「厚い壁」のように思われた。

しかし、直後に日本が逆転。ラーズ・ヌートバー選手のバットが火を噴く。タイムリーヒットで1点を返し勢いづくと、近藤健介選手、吉田正尚選手のタイムリーで計4得点とビッグイニングにした。

その後、接戦が続いたが、六回に無死満塁の大チャンスから大谷翔平選手のタイムリーヒットなどで一挙5得点。勝利を決定づけるイニングとなった。

終わってみれば、日本が13-4と大勝。あと1点奪っていれば、侍ジャパンがコールド勝ちする展開だった。

しかし中盤までは、どちらに流れが向いてもおかしくなかった。やはり日韓戦は、最初から楽な展開には持ち込めないのだ。

「因縁の好カード」を制した日本。韓国と試合をした過去のWBCでは頂点に立っている。今回も韓国との激戦を制した。王座奪還へ日本の視界は良好だ。

一戦一戦たくましくなっていく侍ジャパン。11日のチェコ戦は、どんな試合を見せてくれるだろうか。彼らの成長物語が楽しみだ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?