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抒情詩

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身近なことをショートで 比喩的表現 自分のことであり あなたのこと
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#いきづらさ

たんぽぽ

たんぽぽ

たんぽぽになりたい

踏まれても
踏まれても
アスファルトの隙間からも力強く…

太くて長い根は大地を掴んで離さない
生への執着
黄色の花びらは明日への希望

命尽きても
その白い綿毛は風にまかせて、次の生きる場所を探している。

花瓶に飾られることも
花壇に並ぶこともなく
花束として贈られることはない

それでもあの希望の黄色は心を癒す

この左手首の痛みを隠す私
癒えることが許されない

太陽

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つくした

つくした

あの頃  僕はずっと探してた
“靴下“と言えず“つくした“と言っていたよね

どうしても片方だけ見つからないの
今思えば
欠けたか心を探すよう

欠落した感情
ずっと見つからず大人になった

あの“つくした“はどこへ
幼い僕は
こだわって
“あのつくしたじゃないと保育園に行かない“と母を困らせた

今思えば別にどうでもよかった
何かにすがり  拘らないと
僕は僕でなくなる気がしてた

今も欠落した

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アニバーサリー

アニバーサリー

何もなくていい‥
特別なことなど
何も‥

傷ついてばかりの刻が過ぎる
鏡の前にはあの日より年を重ねたあなたがいて
いつまでも変わらないものなんて
ないもんな

幼い心のまま  大人になっていく 
その度私は死にたくなる

豪華な食事も高い指輪も綺麗な服も
私には必要ない

記念日なんて
私には必要ない

変わらない日常
無事に過ごせた1日
特別なことがない明日
笑って「よかったね」
そんな日々が

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アッシュ

アッシュ

あなたの生まれたてのような
その髪を
ドライヤーで乾かす
何気ない日常

朝がきて
夜がきて
また朝が
あくびか出る毎日だ
それが幸せ

壊れてしまえば
呆気なく

過ぎ去ってしまった過去は二度と戻らない
あの日の記憶も鮮明なのに

なぜこぼれる
私の瞳の悲しみのカケラ
こんなに日は差し込んでいるのに
なぜ疑う
瞳を閉じればあなたがいるのに

生きれば生きるほど
捨てられなくなる
何もかも‥
手に

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かくれんぼ

かくれんぼ

「可哀想」だと言われて
汚れた僕を
あなたは「素敵」と言う
鏡の中の僕は
泣いていた

卵の殻の中はの 
とても居心地が良いもの
優しい膜は
とても儚いけど
憐れみを隠してくれる

あなたのようにに優しく‥
生きられたならよかったけど

僕は愛されず 
笑われる自分に
偽りの笑顔でごまかすんだ

かくれんぼで
取り残されるように
僕をみんな忘れていく

あなたのように強く‥
生きられたならよかった

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水の星

水の星

鉛の銃弾が正義
僕を貫く
言葉の弾痕は今も疼いてる

同じ瞳をして呼吸をして
体温もある

ただそこに
みんなとの溝が埋まらない
自由という名の不自由の水槽から出れない
人と違う 運命に嘆いてる

行き先さえわからないのに
翼があれば
ここから抜け出せる
そう信じてる

テレビの向こうで
鉄の雨  
その惨劇に僕らは沈黙している

僕の悩みなんて
ちっぽけで

変わらず地球は回っていく 

僕の悩

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茜

小さな頃
お友達とサヨナラする時は
見えなくなるまで手を振っている

寂しいのは大嫌い

それは今も変わらない

あなたと会って、別れ際に見送るとき
振り向くことがなくても
姿が見えなくなるまで見送る私

あなたより先に背を向けたくないの

背徳感じゃなく
見送ることで自分の気持ちが落ち着く
相手は気づかなくてもいいんです

いつまでも
会っていた時の余韻に浸る

見送られるのは照れ臭いから
私は

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いつか…きっと

いつか…きっと

僕の手が冷たいのは
誰かの手の温もりを感じるためだ

僕の瞳が黒いのは
光を感じるためだ

僕の心がこんなに痛いのは
誰かの痛みを感じるためだ

僕がいつもうつむくのは
いつか空を見上げるためだ

僕のつま先が前にあるのは
前に一歩進むためだ

僕がいつも泣いてるのは
いつか誰かに微笑むためだ

こんなに息苦しいのは
深く呼吸をするためだ

この手をずっと握るのは
いつか未来を掴むためだ

いつか

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Monster

Monster

私の中のMonsterが叫ぶ
このままで良いのかと

あなたが思うほど
私は優しくない

怖くて殻を破れないでいるんだ‥
今の私を壊せと叫んでる
私の中のMonster

なぜ神様は
私から感情を奪い去るの

怒りたいのに笑っている
そんな私が嫌でならない

ゴミのような自分の「正義」が
あなたを傷つけていく

あなたの勇気が羨ましい
大切な人が傷ついていく
業火のごとく怒りをぶつける

感情を失

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NAMIDA

NAMIDA

あなたを大切に想う‥
傷つける覚悟をしなくちゃいけない
人を想うということは
そういうこと

私に関われば
あなたも私も傷ついていく

寄せては返す

寄せては返す
波だ

この波が引いても
凪は来ない
悲しみのカタチは変わらず
押し寄せる

大切に想えば想うほど
傷ついていく

背徳の十字忘れない
刻は痛みを和らげるのか
また悲しみの波は押し寄せる

寄せては返す
NAMIDA

スズメ

スズメ

蒼い空のどこかで 
誰かが傷ついている

飛び方を知らないスズメ
非力な自分を嘆くしかない
悲しみ 翼になれ
痛み コンパスになれ

泣き方を忘れたスズメ
非力な自分を嘆いてる

追い風を待ってるだけだった昨日

大切なものを失った

この心が柔らかいのは
人の痛みを感じるためだ
この手が冷たいのは
人の温もりを感じるためだ

悲しみ 翼になれ
痛み コンパスになれ

夜の静寂は
あなたの声を聞く

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ハナミズキ

ハナミズキ

一青窈さんの代表曲になっている
「ハナミズキ」

ラブソングともいえそうですが
一青窈さんはアメリカ同時多発テロ事件時にアメリカにいた友人からもらったメールをきっかけにして「ハナミズキ」の詩を書きあげたと語っています。

テロによって愛する人を亡くした人の思いを伝える意味もこめられているそうです

恋人、家族、友人、大切な人
あなたにはいますか?

おそらく誰もがいるはずです。
あなたは独りではな

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藍

濡れたまつ毛に
心はどしゃぶりの雨で

痛くもないのに…
涙が枯れることはなくて 
藍色だ

どこに落としたの…
忘れ物を探してる
やり残したことがきっと悔しい

おろしたてのデニムの藍が色褪せていくように
いつか
この気持ちが
私の色に馴染んでくれるといい

「ごめんね」も言えず
また手紙を書くよ

かけがえのないアナタ
「またね、、、」 
手紙を届けます
傘はいらないわ

藍色で目の前がくもっ

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錆びた刃

錆びた刃

言葉にすれば
楽になるのか…

相手を傷つけると
わかっている刃は
鞘にしまえばいい

喉に刺さって
抜けない
刃先がわたしの声を殺す

息苦しい

わたしは
永遠に抜けない刃に
耐えればいい

プライドを殺せば
わたしは魑魅になり
心を殺せば
わたしは人になる

闇に震え
光に怯え
進んで行くのだ

道端の花を美しく思うのは
足を止めてしまうからだ
止まるな
沈黙で進め。

押し殺してい

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