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聖女BATTLE!第6話/「沈黙のディーヴァ」
月が照らす先に、銀髪の女性がいた。
昔の面影は一切なく、ヒビの入った陶磁器のような肌は退廃的で美しい。
光が宿らぬ瞳で見つめる先には黒髪の美しい少女。類まれない美貌と才能を持ちながらも、精神的に不安を抱えている。
「聖女の復活には、うら若き完璧な少女の器が必要なのよ……」
今は手を出さない、だが近いうちに彼女の毒牙にかける。その時、少女は今のままでいられるだろうか……?
聖女BA
聖女BATTLE!第5話「影」
プロローグ
月も隠れる暗い夜、スマホの光を頼りに一人の女性高校生が足早に歩いていた。
「レッスンが遅くまでかかってこんな時間になっちゃった、帰らなきゃ!」
スマホの時刻を見ると23時10分。高校生が出歩くには少し遅すぎる時間だ。
時を少し前にさかのぼる。23時前、ミーミーはウサバでアルバイトをしていた。
本当なら22時に上がりなのだが、一人遅刻したので23時まで入っていて欲しいと頼
聖女BATTLE!/第4話「開催」(後編)
「……私、間違ってるのかなぁ」
マオミーはポツリとつぶやくが、誰も答えてはくれなかった。
第4話 「開催」後編
小説:ぷよつー
原案:聖女BATTLE!制作委員会
会場が一瞬真っ暗になる。すると突如大音量のBGMにスポットライト、そして宮川さくらが躍り出る。
さくらが舞台に上がりダンスをするとお客さんは盛り上がり、中にはコアなファンもいるのだろう、ペンライトを降っているもの
聖女BATTLE!/第4話「開催」(中編)
家に帰り、お風呂を出てパジャマに着替えたマオミーは自分の腹をぷにぷにと揉んでいた。
「ショック……一ヶ月も経ってないのにウエスト増えてた……」
「体幹をもっと鍛えなさいって言われたね」
ミーミーも腹の肉をぷにぷにと揉む。二人とも楽しい高校生活で少し太っていたらしい。
「おねえはさ、いいよね。バストアップもしてたじゃん!」
「えー、大きくても重いだけだよ……ダンスしてても邪魔だし……」
聖女BATTLE!/第4話『開催』(前編)
眩いライト、シンと重たい空気。
この日のために用意した煌びやかな衣装を身にまとい舞台に立つ。
ドクンと跳ね上がる心臓に私はできる、今までだってやってきたじゃないと言い聞かす。
私を、私という存在を見せ付けるのだ。観客全員が私に釘付けになるように。
澄んだ美しい声、個性を爆発させるダンス。ぶつかり合う少女達。
「刮目せよ。戦う乙女は美しい」
バトルの先に、一体何が待っているのか。
聖女BATTLE!第3話/『宮川さくら』
子どもの頃からの、毎日のお稽古。
一日たりとも欠かさず続けてきた。
全てはアイドルとしてデビューするため。
そのために過酷な入試も突破して聖女に入学した。
なのに、なのに……。
「さくらちゃんってマオミーちゃんにちょっと似てるよねー」
その一言がどれほど彼女を傷つけたか、誰も知らない。
聖女バトル第3話『宮川さくら』
毎日歌とダンスをレッスンがない日は校舎裏で
聖女BATTLE!ばんがいへん♡01/おやすみミーミー♡
小説:玉蛟(たまみづち)
原案:聖女BATTLE!制作委員会
(本作品は有料のサブストーリーになります。メインストーリーは無料で最後までお楽しみ頂けます。)
クリスタルを思いっきり散りばめた、ブラックベルベット。
おおぐま、しし、りょうけん────……そして、おとめなどの星座が煌めく、温かな春の夜空が美しく広がる郊外の街に、“その姉妹(ふたり)”は天から舞い降りた。
…────聖女とな
聖女BATTLE!第2話/「最強3年生」
プロローグ
雨が、降っていた。止むことのない、天からの涙。
マンションのベランダに出て、空を見上げる。柔らかい風が少女の頬を撫でる。
窓から部屋の中が見える。部屋の中にはアップライトのピアノがあった。
「全てを洗い流せたら、いいのにね」
自分の歌で、自分のピアノですべての人の心を洗い流し、感動させたい。
何もかも忘れ、音楽に没頭し人の心を動かしたい。そう、自分の心も。
隣
聖女BATTLE!第1話/アイドルの心(解答編)
注)こちらのコンテンツは、第1話「アイドルの心」をお読みになってからお楽しみください。
解答編
「かずみん、私わかったよ」
「うん、マオミー私もわかった」
「なら、言ってみなさい」
先ほどまで戸惑っていた顔はどこへやら、二人の顔は自信に満ち溢れていた。
「アイドルはファンあってのアイドル! ファンを楽しませたい! ファンの期待に応えたいという思いを持つことがアイドルの心構えだと思
聖女BATTLE!第1話/「アイドルの心」
プロローグ 天界の宴
月夜が降り注ぐ夜の宴会。皆で酒や食事を持ち合い、にぎやかに過ごす。そこに身分の違いや性別の差別などない。皆が一体となって中央を見つめている。
神殿の中央で純白のドレスを身に纏い、長い銀髪をなびかせ踊っている女性がいた。
彼女が歌うと皆うっとりと聞きほれ、心が癒されていく。踊りを見るだけで沈んだ気持ちが元気になっていく。
皆彼女を聖女と呼び、彼女を円