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「縁」とは何か。

 稀代の天才棋士・藤井聡太の将棋にはいくつかの特徴があります。
 そのひとつはAIを駆使した将棋研究において、「なぜAIがその手を最善と考えたのか」を徹底的に考えるということです。

 基本的に将棋のAIは既に人智を超えたところにあって、開発の過程でAI同士を対戦させて勝率の高いバージョンを採用するなど、まるで蠱毒のような手法で強者が生産されていきます。
 その一手がなぜ有効か、AIは答えてくれません。ただ結果を示すのみです。膨大な試行回数と経験の集大成として導かれる「一手」の理由は、AI自身にもきっと分からない。その理由を考えることが、藤井聡太の強さの一端のようです。

 すると実践で、一見して意味不明な一手が後になって効いてきたり、それがAIの判断する最善手と一致していたりするのです。羽生善治という天才の次世代に、タイプの異なる天才が舞い降りたことは疑いようのない事実でしょう。


 さて、理由を考えることは重要です。

 因果応報、事象には理由があるからです。
 原因があるから結果がある。
 結果だけみていては真理には到達できません。

 原因と結果を繋ぐ糸は見え難く、しかし其処に存在しています。結ばれて繋がる事象と事象。人と人の「縁」にもいえることでしょう。
 袖振り合うも多生他生の縁といいます。多生とは、現世以外の命を示します。過去世や来世に縁するものは、今世にも縁がありましょう。人と人が出会うのは偶然ではありません。必要なときに出会い、必要なときに別れるものです。

 過去世とか来世とか、そんな非現実的なことは認めない。そういう考えもあるでしょう。「今」が重要であるという点において、私も共感いたします。ただ「生き方」という観点を論ずるならば、理由を考えた方が強いと、そう思うのです。


 理由を考えることが大切です。
 意味と言い換えてもよいでしょう。

 貴方がこれを読むのも、因果です。
 それも「縁」といえましょう。

 拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、交差する縁の果てに貴方と貴方の大切な人の幸せを。


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