Beast of Burden 《詩》
「Beast of Burden」
直感に似た感覚が
僕に耳打ちをする夜
CHANELとPRADAとGUCCIの
残骸が転がる
部屋の中は意味も無く明るい
山積みのファッション雑誌
ハイヒールとバッグの箱
僕は閉ざされたシャッターに
スプレーで絵を描いている
脈略の無い他の場面の映像が
瞬間的に入り乱れ
混線した古い電話器の
通話の様な
混沌と退廃を意味する
メッセージはきっと誰からも
理解されない事を知っていた
匿名の仮面を被り集う人々の波
隠匿された事柄を嗅ぎ回る傍観者
一切の責任も無く
ただ嘲笑いながら
その仮説的な
幾つもの視線をひとつひとつ
注意深く掘り下げ辿る
複数の言動と行動は
最初から一貫性を持っていた
顔の無い街
陰影が躍り不可解な図形を描き出す
古い時代の
ロックンロールが流れた店
アナログのレコード盤
初老のバーテンダー 氷を削る音
いずれ全ての物事は
計算式を使って処理される
其処には涙なんて存在しない
苦しみも…そして喜びも
直感に従い生きなさい
もう
あまり時間は残されて無いのだから
そうバーテンダーは静かに囁いた
Beast of Burden の
イントロが流れていた
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