小さな鍵 《詩》
「小さな鍵」
君が自由である事
それが僕の求める
ただひとつの事だった
君の中にひっそりと隠された
秘密の小さな鍵
其の秘密の持つ
孤独さを浮かべた君の微笑みを
僕は見逃さなかった
色彩が奪われた訳じゃ無い
白も黒も同じ色には変わりない
それにやっと気が付いたんだ
僕等はお互いの欠片を交換し合い
其の欠片を大切に胸にしまった
誰にも気付かれない様に
僕等の記憶から
形像を絶え間なく再生し続け
心の中に永遠を創り出した
其処には白も黒も無く
色を断定する必要すら無い
ふたりの混じり合う色だけがあった
お互いの
必要性に従い生み出された合意に
定義などは存在せず
漠然とした曖昧な概念があった
僕等の暗黙の共通認識は
不条理で
理不尽なものなのかもしれない
君も僕も其処にしか居場所が無く
命を繋ぐ光に
導かれ出逢い愛し合った
僕の手の中には
君の小さな秘密の鍵がある
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