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今日のデータ#3(世界の子どもの読解力・数学リテラシー・科学リテラシー)

今日は経済協力開発機構(OECD)が15歳の生徒を対象に3年おきに実施する「国際学習到達度調査(PISA)」のデータをシェアしていきます。


このPISAでは文章を理解、利用、熟考する能力を問う読解力、数学的根拠に基づいて判断できる能力を問う数学リテラシー、科学的知識を使用し、証拠に基づく結論を導き出す能力を問う科学リテラシーの3分野についての試験が行われます。


さっそくデータを見ていきましょう。

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一番最近に行われた2018年のPISAの結果です。


日本は「読解力」が15位、「数学的リテラシー」が6位、「科学的リテラシー」は5位でした。


全3分野において上位は他のアジア勢が独占しています。


「日本は数学に強い」なんてことをよく聞くし、僕たち自身もそう思ってますよね。


結果から見ても数学リテラシーが諸外国と比べて高いのは確かですが、実際には他のアジアの国々の方が優秀な成績を収めています。

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これは日本の2000年〜2018年までに実施されたPISAの結果の推移です。

全分野で前回2015年よりも成績が落ちています。

なかでも、読解力の低下がかなり目立ちますね。

ゆとり教育が終了して以降、2012年まで上昇傾向にあった読解力も2015年、2018年とかなり下降しています。

原因としてよく取り上げられるのはスマートフォンの普及による文字離れです。

スマフォ普及

上のグラフからも分かるとおり、スマートフォンは他の通信機器とは比べ物にならないくらい爆発的に普及しています。

スマフォ普及年代別

これは年代別の普及率を示したもの。


2012年時点で13~19歳の約70%に普及しています。


2015年にはほぼ80%です。


ほとんどの子どもがスマートフォンを持ち、短い文章のやりとりをするのが一般的になってきているという背景がこの読解力の低下に結びついているようです。


ただ、別の可能性もあります。


実はPISAは2015年から手書きではなくパソコン入力による回答方式に切り替えていて、試験と同時に行ったアンケートでは、一週間の授業で「デジタル機器を使用しない」と答えた日本の生徒は、国語が83%、数学が89%、理科が75.9%を占めたそうです。


この利用率はいずれもOECD加盟国中で最下位で、日本の教育現場でのデジタル活用が進んでいない実態を示しています。


つまり、日本の生徒は機器の操作に慣れていないので、それが多少なり成績の低下に繋がった可能性があるということですね。


ただ、読解力の分野で日本よりも上位に位置している国のなかにはデジタル化のかなり進んでいる国も多いです。


中国、シンガポール、そしてヨーロッパ諸国。


これらの国でもスマートフォンは普及しているし、みんな日本の子どもたちと同じようにそこまで長くない文章でのやりとりをしていると思うのですが、一体何が日本と違うのでしょうか?


ここからはただの僕の予想です。


まず読解力と聞いて最初に思い浮かぶのが読書。


上位を占める国では読書の習慣があるのかもしれません。


こんなものを見つけました。

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世界各国の一人あたりの読書時間(一週間)の2018年のランキングです。


読解力分野で日本より上位の14ヶ国のうち6ヶ国(中国、スウェーデン、香港、ポーランド、カナダ、アメリカ)がこのランキングにも載っています。


なるほど。


多少は関係はしていると思いますが、必ずしも読書習慣があればあるほど読解力が上がるというわけでもなさそうです。


では教育水準はどうでしょうか?


PISAを実施しているOECDが別で発表しているBetter Life Indexの教育部門を参考にしました。

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小さくてすみません。


日本は7位です。


読書習慣と同様、教育水準ももしかしたら読解力に関係しているかもしれないけど、そうじゃないかもしれない可能性もありますね。


次にパッと思い浮かんだのはなぜか国民の幸福度。

幸福度

幸福度2

これは国連の関連団体が発表した世界幸福度ランキング2019です。


読解力分野で日本より上位の14ヶ国のうち、中国圏(北京市、上海市、江蘇省、浙江省の1グループ、マカオ、香港)を除く11ヶ国が日本よりも幸福度が高いそうです。(日本は56位)


おっと?笑


まさかのまさかでもしかしたら関係しているかもしれませんね。


さすがに断定はできませんけど。笑


読解力と幸福度なんて、一見まったく関係なさそうですし。笑


でも、実は別の幸福度についての調査では「人間がもっとも幸福を感じるのは人との繋がりを感じたとき」という結果もあるんです。


人との繋がりがあれば会話も自然と増えますよね。


そういった要因が読解力に関係しているのかな...。


でももし仮に幸福度が読解力に関係していたとしても、それはなぜ中国勢が上位を独占しているのかの理由にはなりません。(中国の幸福度は日本よりも低い)


これに関しては、もう少し色々と調べる必要ありです。


今回はここまで。


世界の15歳の子どもたちの読解力、数学リテラシー、科学リテラシーについて触れました。


(いつの間にか読解力の分野ばかり語ってました。ごめんなさい。笑)


少しでも参考になれば嬉しいです。


読んでいただきありがとうございました。


これからも正しく世の中を見るために知っておくべき情報をシェアしていきます。


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Seiji

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