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学校教育は創造性を殺している

こんにちは、Seijiです。


今回は何百何千とあるTed Talksの中でもっとも視聴されているケン・ロビンソン氏の「Do schools kill creativity?(学校教育は創造性を殺してしまっている)」という動画をシェアしていきます。


2006年にこのスピーチをして以来、これまで65,133,771回視聴されています。


やばいですね。笑


それだけ、世界中の人々に影響を与えたスピーチだったということです。


日本語字幕もあるので興味のある方は見てみてください。

では始めていきましょう。


学校教育は創造性を殺してしまっている

創造性は識字能力と同じくらいに教育にとって重要です。


想像力は識字力と同等に扱われるべきだとスピーカーのKen Robinson氏はい言っています。


子供たちは何でもいちかばちかやってみますよね。


何も知らなくてもただやってみます。


彼らは間違えることを怖がらないんです。


確かに、間違えを犯すことと創造的であることは同じではありません。


でも間違えることを恐れていたら決して創造的なものなんて思いつかないんです。


間違えることを許されずに育った子どもは本来の才能を失ってしまうんです。


それなのに、現在の教育では失敗すると非難されるし、会社も同じように経営されています。


僕たちが作りあげてきた教育システムでは、「失敗=最悪」なんです。


つまり教育が人間本来の創造性を殺してしまっている


驚きの事実なのが、地球上どこの教育制度も科目の優劣があるということです。


例外なく、すべてです。


差はあれど、大した差はありません。


まず数学と語学がトップにきます。


その次に人文系。


一番最後に芸術系がきます。


芸術系の科目はどこに行っても一番評価されていないんです。


また、大概どの教育制度でも、芸術科目の中でまたさらに順位があります。


具体的には、美術と音楽は演劇やダンスより上です。


数学みたいにダンスを教える教育機関はありませんね。


僕の小学生時代を思い返してみても、確かに算数や国語の授業は毎日あったのに、図工や音楽は週に1.2回ほどでした。


演劇やダンスに関しては、図工や音楽よりも頻度が少なくて、学芸会や体育会で披露するくらいでした。


皆さんも、同じような経験をしてきたのではないでしょうか。


僕たちは、子どもが成長するにつれて腰から上へとだんだんと教育していき、最終的に頭にフォーカスします。


しかも脳の片側だけです。


人は右脳で想像力などを働かせ、左脳で論理的な思考を働かせると言われています。


つまり今の学校教育は左脳だけにフォーカスしているということです。


今日の教育システムの結果を考えてみると、公教育の目的は世界中において、大学教授を生み出すことであると言わざるを得ません。


今の教育制度は学者を育てるために作られています。


スピーカーのケン・ロビンソン氏は「大概、教授というのは頭の中で生きている。それも頭の片方に偏っている。言葉通り、なんだか現実離れしてる人たちだ。彼らは自分たちの体を頭を運ぶための乗り物としか見ていないでしょう?」と少し皮肉を込めて言っています。


(彼自身も元教授です笑)


でも、このような教育システムになったのには理由があります。


制度全体が作り上げられた19世紀以前に世界中どこにも公教育なんてなく、教育制度は産業主義社会のニーズから生まれました。


そして科目の優劣は2つの理由で決められました。

1. 働くために有用な科目が最優先であること

私たちが小学生のころ習っていたことや好きなことで仕事に使えないことはおそらく敬遠されたでしょう。

砂遊びやドッジボールでは会社で雇ってもらえませんからね。

音楽なんてだめだ、音楽家になるわけじゃないんだから。

アートなんてだめだ、アーティストになんてならないんだから。

といった感じに働くために有用な数学や語学の勉強をすることを促します。

2. 学力

大学側のイメージだけで教育制度を作ったせいで、いまや学校の成績だけが知性だと思われています。

世界中に広がる今の学校教育というのは大学に入るために敷かれた長い道のりなんです。

結果的に、無数の天才的で創造性溢れる人たちが「自分は才能がない」と感じています。

学校は彼らの才能を評価しないどころか、ダメだと烙印を押してしまうから。


ユネスコによると、これから30年間、歴史始まって以来の多くの人間が世界中でこういった教育を受けて社会に出ていくそうです。


これまでテクノロジーとその進歩が労働環境や人口の増大に大きな影響を与えてきました。


そして、突然、大学の学位がまるで意味を持たなくなったんです。


少し前までは大学を卒業していれば仕事が見つかりました。


大学を卒業しても仕事がない人っていうのは自らそれを選んだ人たちだったんです。


でも現在、大学を卒業した子どもたちはビデオゲームをするために家へ帰ります。


学士ではなく修士、時には博士号が必要になってきたことで、大学卒業が必ずしも仕事獲得の保証にはならなくなったからです。


(この動画は2006年のものです。2020年現在では、博士号を取得した人でも簡単には自分の望んでいたような職につけなくなっているのではないでしょうか。国の政策で修士、博士号の取得者を増やしたにも関わらず、彼らを必要とする組織・期間は限られているからです。供給が増えただけで需要はあまり変わっていないのが現状なのではないでしょうか)


僕たちはいま、根本的に知性の意味を考え直す必要があります。


知性に関して現在わかっていることが3つあります。

1. 多様である

僕たちはこの世界をあらゆる視点から捉えています。

視覚的だったり、聴覚からだったり、感触からであったり。

抽象的な捉え方もするし、動きながらだったりもします。

2. 知性とはとてもダイナミックである

人間の脳の働きを考えてみると、知性というのはとてもインタラクティブなものです。

脳はいくつもの部分に区切られているわけではありません。

創造性とは、独創的で価値あるアイデアを構築するプロセスのことであり、想像力は様々な分野や価値観の相互作用によって生まれます

3. 知性とは比類ないものである

スピーカーのケン・ロビンソン氏は「いかに人間は自分の才能とめぐり合うか」のその過程についての本を執筆している際にインタビューした、ジリアン・リンという女性の話をスピーチの中でしています。

彼女は振付師です。彼女の作品は誰もが知っています。「キャッツ」や「オペラ座の怪人」です。私はジリアンとランチをした時に「どうやってダンサーになったの?」と尋ねたんです。彼女の答えは非常に興味深かった。ジリアンは小学生の頃、まったくもって絶望的でした。学校は彼女の両親にジリアンには学習障害があると伝えたんです。集中力がなくいつもそわそわしていたから。ジリアンは専門家に相談に行きました。ジリアンを部屋の隅にある椅子に座らせ、専門家と母親はジリアンの学校での問題について話していたそうです。ジリアンはいつも宿題を遅れて提出したり、他の生徒の学習に支障をきたすと。そこで、医者がジリアンのところに来て言いました。「ジリアン。君のお母さんの話をいろいろ聞いてお母さんと少し2人でお話がしたいんだ。少しここで待っててほしんだ」。ジリアンを一人残して医者と母親は部屋を出ていきました。その際、医者はラジオのスイッチをいれました。そして「ここでジリアンを見ていてください」と母親に伝えたのです。するとジリアンは元気そうに、音楽に合わせて動き始めました。それを見守っていた医者は母親に「お母さん、ジリアンは病気なんかじゃない、ダンサーですよ。彼女をダンススクールに連れて行きなさい」と言ったんです。私はジリアンに「お母さんはダンススクールに連れて言ってくれたのか」と尋ねると、ジリアンは「行かせてくれたわ。どんなに楽しかったか言葉じゃ表せない!スクールには私みたいな子がたくさんいたの。じっとはしてられない。考える前にまず動かないといけない。そんな子たち」と答えました。ジリアンはやがてロイヤルバレー学校のオーディションに受かってソリストになり、見事なキャリアを築きました。ロイヤルバレーを卒業してからは自分の会社を設立し、歴史上もっとも偉大なミュージカルを手がけるようになったのです。何百人もの人に感動と喜びを与え、経済的にも大成功しました。

もしジリアンがこの医者ではなく別の医者に相談していたら、歴史上もっとも偉大なダンサーのひとりは誕生していなかったかもしれません。

学校がジリアンの才能を殺していたかもしれないのです。

でも、彼女と同じような才能をもっていたにも関わらず、今日の学校教育が影響して自身の才能を開花できず(もしくは気づけず)、犠牲者になってきた人は山ほどいるのです。


いまを生きる人々の役割

僕たちの未来への唯一の希望は人類生態学という新しい概念を取り入れることであると、彼は言っています。


(難しい単語ですね...)


人類生態学とは、人間は豊かな可能性をもっているという新しい考え方を築き上げる学問です。


これまでの教育は、地表を削いで石炭を直接取り出すように、私たちから特定のもの(数学力・語学力など)だけを発掘していました。


でも将来、それはもう役に立ちません。


私たちは次世代の人間を教育するための根本的な理念を考え直さないといけないんです。


ジョナス・サークの言葉に素晴らしいものがあります。

仮にすべての昆虫が地球から消え去ったら、その後50年の間にあらゆる生き物が消滅するだろう。もし地球上から人類が消え去ったら、50年後にはあらゆる生命体が豊かに栄えるだろう。

ケン・ロビンソン氏はこの言葉に100%同意しています。


僕たちは、いかに想像力というあらゆる生態系の中で人間だけが持つ天賦を賢く活用するかを考える必要があります。


想定されたシナリオを回避するために、私たちに残された唯一の方法は人間の限りない創造性が、僕たちの生を豊かにすることを知り、子供たちが未来の希望であると認識することです。


子供をあるがままに育てなくてはいけません


僕たちが未来を見ることはないかもしれませんが、子どもは未来を生きていくんです。


私たちの役割は子どもたちが未来を創る支えとなることです。


今回はここまで。


英語学習者のみなさんへ

本記事で内容を理解したあとに、実際のスピーチを英語字幕つきで見ることで、英語のリスニング練習にもなります。


(内容理解のためだけに数十分のスピーチをまるまる視聴するより、先に日本語で説明されてる記事を数分で読んで内容理解した方が効率いいです)


英語字幕を音読すればスピーキング練習にもなります


スピーチの速度も変えられるのでとても便利ですよ。


英語を学びたいと考えている方はぜひ僕の記事を存分に利用しちゃ

ってください。


この記事が少しでも役に立ってくれたら嬉しいです。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


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Seiji

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