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2020年6月の記事一覧
この割れ切った世界の片隅で
コロナウイルスが社会に与えた最も大きな影響は、見えづらかった社会の分断を可視化したことではないでしょうか。
ステイホームできない、明日を生きるのすら精一杯な人。パソコンを持っておらず、家では完全に社会から隔離されてしまう人。勉強ができるような家庭環境でない人。外で遊ぶ自分を自慢げにSNSに載せる人。「クラスターフェス」と称し、コロナに積極的にかかろうとする人。感染者を引っ越しにまで追い込む地方の
新聞記者最後の日。書けなかったエピソード。
記者をやっていると「書きたいけど書けない」という状況にも出くわす。
大半は「書かれる側」に配慮して、というパターン。
これは読者の皆さんにも想像はつくかもしれない。
もうひとパターンある。
それは「自分が関わりすぎていて書けない」だ。
ファンの皆さんが読みたいのはやはり、アスリート本人のエピソードだと思う。その描写に、あくまで「媒介者」でしかない記者が写り込むのは避けるべき。多くの記者がそう
チューイングガムの思い出。
いま、ガムを噛みながらこれを書いている。
ガムは不思議な存在だ。たとえばこれを「ガムは不思議な食べものだ」と書きたくなったとしても、すぐさま「はたしてガムは『食べもの』なのか?」の疑問が湧き上がる。噛んでいるだけ、胃袋に入れることのないまま捨てるだけのぐにゃぐにゃなのだから、厳密には食べものと言えないだろう。食べていないのだ、ぼくらはガムを。
と言って思い出されるのは、建築家のフランク・ロイド