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京都で京都っぽいバイトをした話

京都に憧れて、大学は京都にある大学を選びました。大学が休みの日は京都の名所に出かけたり、レトロな喫茶に行ったりと、学生時代、京都を満喫するのに目がありませんでした。
さて、そんな活動を行うには、軍資金が必要です。基本的に親からの仕送りはなかった自分は、いろいろなアルバイトをしてきました。
その中で、特に京都らしさが感じられて印象に残っているアルバイトが3つあります。
今日は、その3つのアルバイトを紹介したいと思います。

①巫女

大学1年の冬休み、四条通りにある有名な神社で、巫女さんのアルバイトをしました。
秋頃にたまたま参拝した際に、年末年始の巫女さん募集の張り紙を見つけ、面白そうじゃん!とすぐに応募しました。
面接当日、ドキドキしながら社務所へ向かいます。会場へ入ると、同じように緊張した面持ちの方がたくさんいました。
面接自体はあっさり終わりました。大量募集だったので、基本的にみんな採用という形のようでした。

実際に神社でご奉仕する前に、オリエンテーションのような機会が設けられました。
そこではまず、御祈祷を受けました。普通に参拝客としてお願いしたら、きっといいお値段がするはずです。そんな御祈祷を受けられた、それだけでテンションはMAXでした。
次に、施設の紹介。着替える場所や通用口などを説明されました。
そして最後に、巫女服の着方を習いました。白い着物を着て、赤い袴の紐をキュッと締めて。巫女さんの出来上がりです。勤務前なのにワクワクして、とても楽しかったのを覚えています。

そして勤務当日。実はよく覚えていないのですが、年明けの3日間の勤務を行なったような気がします。元日は早朝からだったような…?もしかしたら、大晦日の夕方も神社にいたかもしれません。
さて、実際のお仕事ですが、皆さんもご存知の通り、お守りやお札を授与したり、おみくじの番号を聞いてそれをお渡ししたりする、と言ったものでした。
神社によっては御朱印を書くお仕事もあるようですが、私がご奉仕した神社ではありませんでした。
おみくじは何番が大吉、吉、凶、などを覚えられたのが収穫です。他の神社に行ったらその知識は通用しなかったのですが。

同僚の中には、外で甘酒を配ったり、仮説のテントで縁起物を授与したりといったお仕事をしている人もいました。私は元からあった社務所でお仕事させていただいたので大丈夫でしたが、外で仕事をする人たちは寒さが大変そうでした。オリエンテーションでもアドバイスを頂いたように、ヒートテックや厚手のタイツが大活躍でした。
もし巫女さんのバイトに応募してみようかなあと思っている方は、寒さにご注意を!

参拝された方に最後に「ようこそお参りでした」と言うのが、密かに楽しみでした。急拵えの巫女さんな自分が、名実ともにその神社の人間になれたような気がしたからです。
3日間の勤務はあっという間でした。充実していました。

②船鉾のガイド

大学2年生の夏、祇園祭に関するアルバイトをしました。祇園祭では、たくさんの鉾や山が京都の町へと繰り出します。
祇園祭は町ごとに鉾や山車を持っていて、それぞれ保存会があります。その中の船鉾の保存会でアルバイトをさせていただきました。

基本的には雑用が多かったのですが、ある大仕事を任されました。
宵山や宵々山の前にも、鉾を展示する期間が設けられていて、実際に鉾に登ることができるのですが、そのガイドをさせていただいたのです。
伝えるべきことを数点教えられ、あとは定型文を自分なりに作って、船鉾についての説明をこなしていきます。私は話し上手でも人前に出るのが得意でもないので、1回5分に満たない説明でも、毎回毎回とても緊張しました。鉾の中に20人ほどのお客さんがいて、私はその人たちの前で船鉾の歴史や豆知識を話すーー。
天井を見てみてください、という私の言葉に、20人の目線が一斉に天井を向く。

すごくすごく緊張して、当時は早く交代の時間になってくれと思っていましたが、今思えば、とても貴重な体験をさせていただけたと思います。いい話の種にもなるんです。


③薪能のパンフレット販売

毎年6月、平安神宮にて行われる薪能をご存知でしょうか。京都薪能は、平安神宮の朱い社殿を背景として、幻想的な篝火の中で能や狂言を演じる、昭和25年から始まった行事です。

大学3年の6月、私はその会場でパンフレットを売るお仕事をしました。
甲子園でビールを売るお姉さんたちのイメージです。
首からお財布を下げて、両手にはパンフレットを抱えて。
ノルマや競走はありませんでしたが、特に何もしなくても面白いくらいに売れるので、さらに売り上げを伸ばせないか、自分なりに工夫してみました。笑顔を忘れずに、ハキハキとした大きな声で。パンフレットはいかがですか、と。

何冊くらい売ったかは覚えていませんが、多少の貢献にはなったかと思います。残念ながら薪能自体を観ることはできませんでしたが、伝統芸能の開催側の一部になれたかと思うととても嬉しいです。

まとめ

さて、今日は心に残っている京都らしいアルバイトを紹介させていただきました。
こうした経験をしたことで、京都の文化やその根源に直に触れることができ、ますます京都が好きになりました。
改めて、私は京都が好きです。また巫女さんやりたいなあ。
こうして振り返ってみて、確信しました。いつか再び京都に戻るのが、私の夢のひとつです。

最後に豆知識をひとつ。関東では大学の学年の数え方は普通に学年ですが、関西では◯回生というんですよ!
以上、私が学生時代にやった、京都っぽいアルバイトの話でした。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!これからもあたたかく見守ってくださると幸いです☺️よろしければ一言ご感想いただけるともっと嬉しいです!