ぺんのすけ

某自治体なんでもや。今は子ども家庭分野あたりにいます。

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第21回 規定に悩む、規制条例。(3)

ちょっと時間が経ちましたが、本題に戻ります。 規制条例は、「何を」「なぜ」規制するのかというところが一番重要なのではないかと思います。 そこで、風力発電の規制条例です。 稚内市小型風力発電設備等の設置及び運用の基準に関する条例 https://www.city.wakkanai.hokkaido.jp/data/reiki/H429901010031/H429901010031.html 設置場所の規定は、100メートル以上(当該小型風力発電設備等がマイクロ風力発電

    • 第20回 【緊急寄稿】規定に悩む、規制条例。(2)

       次に寄稿する条例を用意していたところではあるのですが、とある新聞記事がありましたので、取り急ぎ書いてみたいと思います。 母心・嶋川武秀、史上最多得票で高岡市議に 漫才師との二刀流 ポジティブ条例で地元を元気に ネガティブな発言を(例え罰則規定がないとしても)規制するというのは明確な日本国憲法違反となるのではないでしょうか。 日本国憲法 当然のことながら、表現の自由は内在的制約のもと保障されるべきものです(表現したことによって他者の権利を侵害するなど、違法行為となる場

      • 第19回 規定に悩む、規制条例。

        さて、いよいよ条例の醍醐味(なのか?)、規制条例についてです。 地方自治法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000067 第14条第2項にあるとおり、義務を課し、又は権利を制限するために、条例を制定することとなります。 さて、最近報道でも出てきて、また、法制化の動きにもなったボーガン(クロスボウ)規制条例です。 ボーガンの安全な使用及び適正な管理の確保に関する条例(兵

        • 第18回 コレが基金の条例(2)

          前回は、条例に言及する前で越年してしまいました。本年もよろしくお願いいたします。 さて、実際の条例を見てみましょう。 福岡市NPO活動支援基金条例 https://www.city.fukuoka.lg.jp/d1w_reiki/reiki_honbun/q003RG00000358.html そういえば、この条例はNPOの定義をしていませんねぇ… それはさておき、基金には、利子活用型、利子積立型、定額運用型などの類型がありますが、この条文は第1項で利子活用型の規定

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        第21回 規定に悩む、規制条例。(3)

          第17回 コレが基金の条例(1)

          基金条例は、法制的には選択肢が少ないので、法制担当としては割と初任者に任せて作らせてみるものになるのではないかなと思います。 基金について、条例で定める根拠は、釈迦に説法とは思いますが、地方自治法第241条の規定によるところです。 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000067 また、地方財政法においても、積立金という名称での規定(これは主に財政調整基金あるいは減債基金となりますが)があります。 htt

          第17回 コレが基金の条例(1)

          第16回 経・過・措・置(2)

          経過措置のその2キター! はい、施設の設置の態様が変わった場合の経過措置です。 葛飾区旧学校施設条例 https://www.city.katsushika.lg.jp/keikaku/reiki_int/reiki_honbun/g123RG00000601.html 学校施設の使用許可関係については、先述しました。 学校として使用しなくなった施設についての暫定使用のため、経過措置を定めるとともに、この条例自体が暫定的なものという、ちょっとトリッキーな条例となって

          第16回 経・過・措・置(2)

          第15回 経・過・措・置

          写真は本文とは関係ありません(笑)。わかる人にはわかるということで。 はい、前回の廃止例規の関係で、経過措置も多少見ましたので、今回は改めて経過措置を見てみます。 経過措置により何をするのかによって千差万別ですので、規定の良し悪しというよりは、あくまでご参考ということでよろしくお願いします。 鳥取市海洋センターの設置及び管理に関する条例 https://www.city.tottori.lg.jp/reiki/reiki_honbun/m002RG000005

          第15回 経・過・措・置

          第14回 廃止

          一般的に、「〇〇条例を廃止する条例」は、市町村等の例規集には掲載されません。 ですので、WEBの海の中で検索すると、議案(意見を求める教育委員会会議の案件を含む。)として出てくることはありますが、探すのはなかなか骨の折れる作業となります。 議第187号 呉市立幼稚園条例を廃止する条例の制定について https://www.city.kure.lg.jp/uploaded/attachment/44348.pdf ですので、例規集に単独の廃止条例が掲載されることはまれで

          第14回 廃止

          第13回 公の施設と駐車場と条例の規定

          前回、駐車場条例について書きました。今回も駐車場の話です。とはいっても、公の施設に附置されている駐車場の話です。 公の施設の設置については、地方自治法で条例で定めることとされています。 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000067 地方自治法 また、使用料の徴収についても、条例で定めることとされています。 地方自治法 さて、公の施設に附置されている駐車場で駐車料金を徴収する場合ですが、当該公の施設

          第13回 公の施設と駐車場と条例の規定

          第12回 駐車場条例とはなにを規定しているのか

          第12回です。ちょっと教育部門から外れます。今回はショートバージョンです。 今回の題材は、駐車場条例です。 「駐車場条例」と聞くと、一般的には、公の施設としての「駐車場条例」(駐車場設置条例)がイメージされるかと思います。 ところが、同じ駐車場条例という名称で、大規模な建築物の駐車施設の附置義務を定めたものがあります。 どうしてこうなったのかというと、国土交通省のいわゆる標準条例で、一つの条例に公の施設の設置と附置義務の両方が定められているからだと思われます。 都市

          第12回 駐車場条例とはなにを規定しているのか

          第11回 Eの悲劇/研修は誰がするのか

          第11回です。タイトルは気にしないでください(笑)。 さて、現在、私は教育委員会事務局に出向を命ぜられた扱いとなっています。 私のような教委職員は、誰が研修を行うのかというと、毎度おなじみ地教行法では、  (教育委員会の職務権限) 第二十一条 教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行する。  八 校長、教員その他の教育関係職員の研修に関すること。 となっています。事務局職員は? というと、学陽書房の本条の逐条解説において

          第11回 Eの悲劇/研修は誰がするのか

          第10回 教育に関する事務の点検・評価

          第10回になりました。長い文章を書くのが好きではない(必要に迫られて書きますが)割には続いたかなと思います。 さて、今回は教育に関する事務の点検・評価です。 今や、どこの市町村でも、行政評価はしていると思います。 教育委員会は、毎度おなじみ地教行法内で、点検・評価をすることが法定となっています。 地方教育行政の組織及び運営に関する法律 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=331AC0000000162_20200401_42

          第10回 教育に関する事務の点検・評価

          第9回 教育委員会の職務権限(5)

          同じ話題でこんなに連載するとは思いませんでした(笑)。 さて、地教行法(以下「法」とします。)第23条第1項による職務権限の特例ですが、結構いろいろな手続きがあります。 法第1条の4に規定する総合教育会議には議決権はなく、協議・調整の場であり、首長及び教育委員会には尊重義務が生じるのみではありますが、実際にそれぞれが手続きをする上では、今まで掲げた答申等にもあるとおり、総合教育会議の場を活用して協議・調整を行うことが想定されます。 そういう下準備を除いても、結構作業量が多いの

          第9回 教育委員会の職務権限(5)

          第8回 教育委員会の職務権限(4)

          同じテーマでの連載となりました。例規成分がありませんが、もう少しお付き合いください。 次は、社会教育に関することです。 平成30年3月2日、中教審への諮問がされました。 人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について(諮問) https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1402865.htm その際,特に博物館については,「平成29 年の地方からの提案等に関する対応方針」(平成2

          第8回 教育委員会の職務権限(4)

          第7回 教育委員会の職務権限(3)

          第7回です。 前回、平成19年改正の経緯については整理しました。 文化財については、文化庁が所管なので、中教審ではなく、文化審議会で整理されています。 文化審議会文化財分科会企画調査会で審議された「中間まとめ」において、 https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/bunkazai/kikaku/h29/chukan_matome/pdf/chukan_matome.pdf 文化財が「保存」から「保存と活用」にシフトし、

          第7回 教育委員会の職務権限(3)

          第6回 教育委員会の職務権限(2)

          第6回です。 教育委員会の職務権限の続きです。 前回の記事投稿後にご質問をいただきました。 『この「文化財の保護」が別号に建てられているのって、何か理由があるのでしょうか。』というご質問に、ざっくりと「あとから追加されたから」とお答えしましたが、ちょっと調べた結果を書きます。 まず、平成19年6月27日に公布された「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」(平成19年法律第97号)の前に、教育委員会制度についての審議が行われました。 平成17年1月13日

          第6回 教育委員会の職務権限(2)