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第15回 経・過・措・置

写真は本文とは関係ありません(笑)。わかる人にはわかるということで。

 はい、前回の廃止例規の関係で、経過措置も多少見ましたので、今回は改めて経過措置を見てみます。

経過措置により何をするのかによって千差万別ですので、規定の良し悪しというよりは、あくまでご参考ということでよろしくお願いします。

 

鳥取市海洋センターの設置及び管理に関する条例

https://www.city.tottori.lg.jp/reiki/reiki_honbun/m002RG00000555.html

 

   附 則(平成16年9月30日条例第159号)
 (施行期日)
1 この条例は、平成16年11月1日から施行する。
 (経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前にB&G財団佐治海洋センターの管理及び運営に関する条例(昭和58年佐治村条例第9号)、気高町B&G海洋センターの管理及び運営に関する条例(昭和60年気高町条例第7号)又は鹿野町B&G海洋センターの管理及び運営に関する条例(昭和61年鹿野町条例第9号)(以下これらを「編入前の条例」という。)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例による改正後の鳥取市海洋センターの設置及び管理に関する条例の相当規定によりなされたものとみなす。
3 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお編入前の条例の例による。

https://www.city.tottori.lg.jp/reiki/reiki_honbun/m002RG00000555.html

 

第2項及び第3項は、2004年(平成16年)11月1日に鳥取市が岩美郡国府町・福部村、気高郡気高町・鹿野町・青谷町、八頭郡河原町・用瀬町・佐治村の8町村を編入合併しているため、新条例に引き継ぐための規定です。手続関係は第2項で新条例の規定によりなされたものとみなし、罰則については旧条例の規定により適用するという例になっています。

 

合併の際には、市町村によって異なる課税などの取り扱いをどうするかや、独自に給付や貸与をしていたものの取り扱いをどうするかなど、(合併時の協議もそうですが)例規上も苦労の跡がしのばれるものがあちこちにあります。

 

上陽町の編入に伴う八女市税条例の適用の経過措置に関する条例

https://www.city.yame.fukuoka.jp/section/reiki/reiki_honbun/q012RG00000702.html

 

さて、ほかにも経過措置の規定の仕方はいろいろあります。

 

赤平市社会教育委員設置条例

https://www.city.akabira.hokkaido.jp/reiki_int/reiki_honbun/a019RG00000203.html

 

   附 則(平成26年条例第9号)
 (施行期日)
1 この条例は,平成26年4月1日から施行する。
 (経過措置)
2 この条例の施行の際現にこの条例による改正前の赤平市社会教育委員設置条例(以下「旧条例」という。)の規定に基づく委員は,この条例による改正後の赤平市社会教育委員設置条例の規定に基づく委員とみなす。この場合において,当該委員の任期は,旧条例の規定による任期の残存期間とする。

https://www.city.akabira.hokkaido.jp/reiki_int/reiki_honbun/a019RG00000203.html

 

附属機関の委員で、新旧の規定上任期を通算することがあります。書き方はいろいろありますが、疑義が生じないために経過措置を置いている例が多いようです。

 

逆に全部首を切るパターン。

函館市都市計画審議会条例

https://ops-jg.d1-law.com/opensearch/SrJbF01/init?jctcd=8A79F434AC&houcd=H412901010006&no=24&totalCount=38

 

   附 則
1 この条例は,平成12年4月1日から施行する。
2 この条例の施行の際現に改正前の函館市都市計画審議会条例第4条第1項の規定により函館市都市計画審議会の委員に委嘱され,または任命されている者は,この条例の施行の日に解嘱され,または解任されたものとする。

https://ops-jg.d1-law.com/opensearch/SrJbF01/init?jctcd=8A79F434AC&houcd=H412901010006&no=24&totalCount=38

 

次の話題に移ります。

 

堺市茶室条例施行規則

https://www.city.sakai.lg.jp/reiki/reiki_honbun/s000RG00000978.html

 

   附 則(平成25年3月29日規則第113号)
 (施行期日)
1 この規則は、平成25年4月1日から施行する。
 (経過措置)
2 この規則の施行の際、改正前の堺市茶室条例施行規則の様式に関する規定により作成され、現に保管されている帳票については、当分の間、適宜修正の上、改正後の堺市茶室条例施行規則の様式に関する規定による帳票とみなして使用できるものとする。

https://www.city.sakai.lg.jp/reiki/reiki_honbun/s000RG00000978.html

 

様式の一部改正が行われた場合、すでに相当数印刷していたり、システムの更新が間に合わなかったりなどの理由で、古い様式を修正しながら使用することがあります。「適宜修正の上」となっていますが、ところによっては「取り繕って」や「必要な修正をした上で」などの文言により、古い様式がなくなるまでやシステムが更新されるまでの間のつなぎとしています。

 

登米市特別会計条例

https://www.city.tome.miyagi.jp/reiki_int/reiki_honbun/r234RG00000178.html

 

   附 則(平成20年3月4日条例第18号)
 (施行期日)
1 この条例は、平成20年4月1日から施行する。
 (登米市曲袋地区ほ場整備事業特別会計、登米市公共下水道事業特別会計、登米市農業集落排水事業特別会計及び登米市浄化槽事業特別会計の廃止に伴う経過措置)
2 平成19年度登米市曲袋地区ほ場整備事業特別会計、登米市公共下水道事業特別会計、登米市農業集落排水事業特別会計及び登米市浄化槽事業特別会計に関する出納整理及び決算事務の取扱いについては、なお従前の例による。
3 平成19年度登米市曲袋地区ほ場整備事業特別会計に関する出納閉鎖の際、現に未収である又は未払いである債権債務については、一般会計に引き継ぐものとする。
4 登米市公共下水道事業特別会計、登米市農業集落排水事業特別会計及び登米市浄化槽事業特別会計に関する出納閉鎖の際、現に未収である又は未払いである債権債務については、登米市下水道事業特別会計に引き継ぐものとする。

https://www.city.tome.miyagi.jp/reiki_int/reiki_honbun/r234RG00000178.html

 

お金が絡むと煩雑になりますよね…

ちなみに、決算処理でいくと、次の規定があります。

 

地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322CO0000000016

 

第五条 普通地方公共団体の廃置分合があつた場合において、当該廃置分合により他の普通地方公共団体に属することとなつた地域があるときは、従来その地域においてその地域の属していた普通地方公共団体が処理していた事務は、当該他の普通地方公共団体が承継する。その地域により承継の区分を定めることが困難であるときは、都道府県の廃置分合にあつては総務大臣、市町村の廃置分合にあつては都道府県知事は、事務の分界を定め、又は承継すべき普通地方公共団体を指定するものとする。
② 前項の場合において、消滅した普通地方公共団体の収支は、消滅の日をもつて打ち切り、当該普通地方公共団体の長又はその職務を代理し、若しくは行う者であつた者が決算する。
③ 前項の規定による決算は、事務を承継した各普通地方公共団体の長において監査委員の審査に付し、その意見を付けて議会の認定に付さなければならない。
④ 前項の規定による意見の決定は、監査委員の合議によるものとする。
⑤ 第三項の普通地方公共団体の長は、同項の規定により議会の認定に付した決算の要領を住民に公表しなければならない。
⑥ 第三項の普通地方公共団体の長は、同項の規定による決算の認定に関する議案が否決された場合において、当該議決を踏まえて必要と認める措置を講じたときは、速やかに、当該措置の内容を議会に報告するとともに、これを公表しなければならない。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322CO0000000016

 

いわゆる打ち切り決算の規定です。これは、条文にもあるとおり、普通地方公共団体の規定ですが、一部事務組合の解散があった場合は、

相談室 一部事務組合の解散について(大阪府)

https://www.pref.osaka.lg.jp/shichoson/jichi/2711sodan1.html

 

組合を解散する場合、法第292条により、普通地方公共団体の廃置分合の場合の事務承継について定めた法施行令第5条の規定が準用され(行実昭和26年11月21日)、「その地域が新たに属した普通地方公共団体」(同条第1項前段)が承継するものとされており、構成団体がその区域に応じて事務を承継することになります。
事務承継の対象については、法令上の規定はなく、財産処分の対象との区分や、事務の承継先等についても、必ずしも明確ではありません。
 ただし、法施行令第218条の2において、「市町村及び特別区の組合に関しては、第1条の2から第6条までの規定にかかわらず、規約で特別の定めをすることができる。」と規定されています。
 従って、組合の解散に先立って、同条の規定に基づき、規約変更の手続を行い、「事務の承継については、構成団体が議会の議決を経てする協議をもって定める」等、規約に特別の定めをすることが適当です。
 次に、組合が解散した場合、法施行令第5条第2項を準用し、組合の収支を解散の日をもって打ち切り、旧組合の管理者が決算することになります。
 決算結果については、法施行令第5条第3項を準用し、旧組合の管理者から事務を承継した団体に送付され、長は監査委員の審査に付し、その意見を付けて議会の認定に付さなければならないとされています(行実昭和27年8月9日)。

https://www.pref.osaka.lg.jp/shichoson/jichi/2711sodan1.html

 

と、準用されることとなっています。

 

おまけ。

市警察の廃止に伴う経過措置に関する政令

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=330CO0000000079

 

自治体警察というのがあり、昭和30年まで横浜市警、名古屋市警、京都市警、大阪市警、神戸市警は市で警察をもっていたんですね。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E6%B2%BB%E4%BD%93%E8%AD%A6%E5%AF%9F_(%E6%97%A7%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E6%B3%95)

 

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※画像の出典 File:Suppositories.jpg - Wikimedia Commons cc-by3.0

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