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「スぺパ」と今後の読書について考えてみた。

「スぺパ」というのが次に来ているらしい。
「コスパ」「タイパ」が浸透してきた後は、「スぺパ」。

「スぺパ」とは何かというと、スペースパフォーマンス。
どんどん「小さくなる」居住空間に対応して生まれた言葉だろう。
日経クロストレンドに「スぺパ」の記事が載っていて、いろんなところに応用できるのでは、と感じた。

テレワークが広まり、小さくなるというか、仕事場所が流動的になって、モノを持ち運べるかどうかが重要になってきたと思う。

だから化粧品でも、スティックバームとか、持ち運べてかつ手が汚れにくいタイプのニーズが高まっているらしい。

では、本は?
確かにKindleなどの電子書籍が豊富になってきて、AmazonがFliptoonという縦読みマンガに参入した。
本格的にスマホで完結するというか、スマホの形態に合わせた読書が広まっている。

だけどその反動のように、個人書店のニーズも高まっている。
最近のニュースだと、無形サービスのfreeeが有形サービスに参入する。
しかも個人書店という、ニーズはあるもののそこまで大きな市場ではないところに。

こんなビジネスモデルもアリなんだ、と驚いたのを覚えている。

なんだか、私自身が幼少期から積み上げてきた読書の形、本の在り方が揺さぶられているような感覚だ。

それは良い予兆なのかどうかは分からないが、良い予兆だと信じている。

なぜなら、揺さぶられるということは、変化が起きているということだからだ。
変化が起きず、忘れ去られる方が恐ろしい。

その「揺さぶり」とは何か?
「読書」は紙の本で読み、「本」は物体として部屋に保管する。

「読書」は電子空間で読み、「本」はインターネット上で保管する。

この両極端の間を行き来しているなかで、自分の立ち位置は?「読書」の在り方は?を問われている。

その問いを解くカギのひとつが、「スぺパ」なのかもしれないと考えている。

電子書籍のほうが持ち運びが楽。これはまさに化粧品の例と同じだ。

テレワークで仕事のための空間が必要だから、本棚を置くスペースがない。
部屋も狭いから日用品だけでいっぱい。

周りでも、電子書籍派と紙派、ハイブリッド派に分かれている。
その奥底には、個人の好みもあるだろうけど、これらもスペースパフォーマンスが関係しているのではないか。

ちなみに私は、ハイブリッド派。
マンガは電子書籍で無料になりやすいので、電子書籍で読む。
ビジネス書もKindle Unlimitedで無料になりやすいから、Unlimitedでの公開を待って読む。
専門書が分厚い本は図書館に行って読む。

だから、それ以外の本を買うのだ。
詳しくは以下の記事に書いている。

となると、あふれる読書欲をどう発散させるか。
それが「自分の足で見つけた、どこにも売っていない(もしくはお値打ちの)本」を手に入れることになるのだろう。

手に入れるのほかには、「読書に最適な空間を見つける」こと。
これはモノではなくてコト体験を重要視するようになったことにつながる。

要は、「自分でマニアックな本を見つける」という欲求が出てきたわけだ。

どこでも手に入るベストセラーではなくて、共感するコンセプトを構築している本屋さんで、初めて見る本を買う。

それが読書好きの新たな欲求になっているから、個人書店のニーズも高まっているし、個人書店や古本屋さんを紹介している私の記事も伸びやすいのかもしれない(記事のPV数については個人的な所感である)。

ある意味、読書好きにとって「すばらしい新世界」なのかもしれない。
有名な本は、ほぼ無料で読めて、浮いたお金を自分の足で使う。

ただそれではスペースを圧迫するだけであって「スぺパ」とどうつながるんだ、と思われるかもしれない。

私は逆に考えている。
「スぺパ」を無意識にでも意識しているからこそ、自分の選書基準を持つようになった。
私の本棚に入れるべき本は、どういう本なのかを考えるようになり、以前よりよく考えて購入するようになった。

だから本棚は2つに分けている。
1つはリビングに置いている、見せる本棚。
ここには、自分の選書基準で選んだ本で占められている。
もしくは選書基準ができる前に買ったけど、今の選書基準に合致している本。
外出のお供にはこの本棚の本から選んでいる。

もう一つが仕事部屋に置いている本棚。
ここには小さいころから読んできた思い出のある本や、ビジネスで使いそうな本、選書基準から外れている本だ。
メルカリなどで出品中の本も含む。

そう分けたら、意外と本棚でスペースが圧迫されなくなった。
むやみに買わなくなった証拠かもしれない。


私は今後も自分の選書基準をアップデートしながら、まだ見ぬ本、知らない分野の本を求めて、個人書店や古本屋さんを渡り歩くのだろう。
果てなき荒野というけれど、読書にも当てはまりそうだ。

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