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シャンプーは「不必要」専門家の知見


健康状態が悪化すると頭髪は真っ先に影響を受ける。癌患者が化学療法を受けると、髪が一気に抜けてしまうのは、化学療法がまず活発に分裂する細胞に作用するからだ。

現在ヘアケア市場は巨大規模の産業として世界中で活況を呈している。頭髪の成長促進をうたった無数の製品が出回っていて、本当に必要な頭髪ヘアケア製品を見つけるのは意外に難しい。

頭髪の仕組み、そしてヘアケア製品を購入する際に考慮すべき点についてナショナルジオグラフィックが専門家にインタビューした記事について要点をまとめてみる。

そもそも健康な髪とは何か。米カリフォルニア大学デービス校医学部の皮膚科臨床准教授、オマ・アグバイ氏は、頭髪の太さ、長さ、つや、丈夫さを健康な髪の証しと考えている。抜け毛が多いだけでなく、地肌が透けて見えるほど薄い髪、つやがない髪、傷んで枝毛がある髪なども、髪が健康でないサインといえる。

年を取ると毛包で作られるメラニンが減るので、髪の色は薄くなり最終的には白髪になる。抜け毛も増え、髪の成長が遅くなり、髪は細くなる。髪が弱ってくると、風、紫外線、湿気、一部の化学物質などの環境要因の影響を受けやすくなる。

「シャンプーは必要、というわけでもありません。シャンプーはどちらかといえば『現代社会で望まれるケア』であって、定期的に洗髪することで適度の保湿が得られ、あなたが望む外見を手に入れることができる」と専門家は述べている。

私事で述べると、ぬるま湯で洗うだけの洗髪に切り替えてから、髪が精気を帯びてきたような気がする。時々気が向いたときにだけ石鹸で洗う。ゴワゴワするかと思ったら、意外にもさらっと柔らかくなって、ヘアスタイリストさんにも褒めてもらえるようになった。

ノープーに慣れるまでの最初はちょっと我慢が必要だけれど、慣れるとこんなに清々しい感覚はない。もちろん人によって皮脂の具合がちがうわけだけれど、個人的にはシャワーの回数が少なくても問題はないと考える。

皮脂の具合もこれまで使っていたシャンプーに含まれているものでかなり影響されるようだ。昔はシャンプーを使わないとすぐにベタっとしていたようだけれど、いったんそのループの鎖を断ち切ってしまうと、皮脂の具合がちょうどよい感じになるし、それは顔にも表れてくる。皮膚は頭も顔もつながっているのだ。

ただ、こまめにぬるま湯で洗うのはお薦め。汗かきの人や頻繁に運動する人は、大量に汗をかいた後や運動後にシャワーを浴びて髪を洗った方が良いだろう。

洗髪は髪を清潔にするだけでなく、死んだ髪を落として育毛を促進する効果があるらしい。人間の毛包には皮脂腺が付随し、ここから髪を保湿する皮脂が産生されている。直毛の人がシャンプーを怠ると皮脂が頭皮に蓄積し、カビ菌が発生しやすくなる。この菌が炎症をもたらし、フケの原因となることがある。

もし頭皮にかゆみ、剥離、発疹などの症状がなければ、シャンプーの回数を減らす、あるいはしなくてもいいかもしれない。大切なのはバランスだ。「きちんとシャンプーするのはいいけれど、やり過ぎないこと」と専門家たちはアドバイスしている。

ややこしい名前の化学物質が髪に良くないという話を耳にしたことがあるかもしれない。これも多くのヘアケアの専門家が言うには、だれにでも一律に当てはまる話ではないらしい。

ラウリル硫酸ナトリウムは、多くのシャンプーに含まれている強力な洗浄成分だ。髪が細く、この手のシャンプーでなければつやのないぺちゃんこの髪になってしまう人にはメリットがあるかもしれない。けれども洗浄力が強いので髪がパサパサになることもある。作用が穏やかな代替品としては、ラウロイルサルコシンナトリウムやココイルグリシンナトリウムを含むシャンプーがある。

またサルフェート(硫酸塩)フリーのシャンプーは、くせ毛の人に向いている。サルフェートを含むシャンプーを使うとヘアカラーの色落ちが早くなるので、カラーリングをしている人にはサルフェートフリーのシャンプーはお勧めとのこと。

頭髪は非常に個人差が大きいので、自分に合ったケアを見つけていくことが大切だと専門家たちは言う。

最後に重要な点を補足すると、日本ではシャンプーへのホルムアルデヒド(ホルマリン)の使用は薬機法で禁止されているが、ホルムアルデヒドを生じる「ホルムアルデヒド遊離(ドナー)型防腐剤」が使われることがある。

ホルムアルデヒドは炎症の原因になることがあり、発がん性のある物質に分類されている点に注意したい。これらを含む製品には「ホルムアルデヒドに過敏な方および乳幼児のご使用はおさけください」と表示されている。





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