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たびは道づれ、ツレとつれづれ

作家の田辺聖子さんは『夫婦とは低めあうものである』と言っている。高め合うのではなく、『低めあう』らしい。確かに、夫婦そろって他人の悪口を言うシーンをみるとそんな気もしてくる。

できれば人のワルクチは言わない、『済んだことは気にしない』性格の人がよい。

それはともかくとして、夫婦は長いこと連れ添っていると、どことなく似てくるものだ。

お互いに『あ、うん』の呼吸が飲みこめてくるということもある。
あ、ちょっと機嫌が悪そうだと思ったら、そーっと近寄らないようにしたり、ちょっと元気がなさそうだな、と思ったら、相手の喜びそうなモノをプレゼントしたり。どちらかが、というわけでなく、互いにその体温がわかってくる。

そしてこれも田辺さんが言ってたのだけれど、つれあいはつれあい同志、「『だましだまし』何とかやっていくのがよろしい」らしい。

この『だましだまし』ってなかなか奥が深い言葉だ。日常のつれづれの中にあっては、なかなか賢明なコンセプトである。

どういうことかというと、多少思い通りにならないことになっても、大局を観てコマを動かすと言うことだ。細かいことはいちいち気にしない。小を捨てて大を取る。囲碁や将棋でいうところの大局を制覇する域である。

大きな方向が行きたい方向に向いていれば、道端の小さな石ころはひょいひょいとまたいでもよい。いちいち突っかかる無駄な手間はいらない。

話しを戻すと、相手のよいところを『全体的』にしっかりと腹に据えて、少々のいやな『部分』は捨て置くことだ。

そのためには付き合いの初期の頃に、自分の価値観と相手の資質がしっかりあっていることを見極めること。惚れてしまうとなかなかそうはできないものだが、それでも常日頃から、自分の中で大切なものや価値観、資質を知っておくことが鍵になる。

ちなみに30年になるつれあいは、その目を見て決めた。
深い深い湖に、太陽の光がまっすぐに射したような目に惹かれた。

そんな感覚的な決め方でいいのかと思いもするけれど、
この長い歳月に後悔は一度もなかった。





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