名詞の不可算・可算(単数・複数)⑥-6:常時複数形3(さらに特殊な数え方)
副題:可算不可算の理想と現実(英文法の理想と現実)
名詞の不可算・可算(単数・複数)[UC(SP)]の深掘り版15
「単複で混乱が生じる英語の名詞」のさらなる深掘り。よくよく考えてみれば謎が多い「常時複数形名詞」3回目。基本は名詞の不可算・可算(単数・複数)問題、加えて(pairが使えないことで生じる)特殊な数え方問題。英語の不可算可算(単複)の本質は何か、『英語の名詞は「数える・数えない」の2分類でシンプル』で済ませて良いのか、という視点も必要。
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これまでの検証内容(いずれも「単複混乱」がキーワード)
⑥-1:集合名詞
⑥-2:常時複数形1
⑥-3:pair複数形1(数え方)
⑥-4:常時複数形2(どう数える?)
⑥-5:pair複数形2(特殊な数え方)
❶ 集合名詞とは?
集合名詞[collective nouns]の3型(定番説明)
❷ 常時複数形名詞とは?
「常に複数形の名詞(必ず複数形で用いられる名詞)」・「絶対複数」とも呼称
❸ pair複数形とは?(通常は「常時複数形」の下位項目に分類)
「対に(2つの部分から)なっている衣類・道具(器具)」
「1つに見えても2つの構成要素が組み合わされてできているもの」
❹ pair複数形以外の常時複数形:学問名など
❺ 常時複数形の単数問題:単数形はある・ない? 必要ない? 1つはあり得ない?
「1つ」はどう数える?:単語それぞれ事情が別
❻ pair複数形の特殊な数え方
pairの片方だけをどう数える?
❼ 英語ではなぜこんなに単複(可算不可算)の混乱が起こるのか?
❽『英語の名詞は「数える・数えない」のシンプルな2分類』定番説明は理想論
可算・不可算名詞2分類という理想 vs 単複変化しない常時複数形という現実
※一部は日本語でも難しい表現なので英語で難しくても当然、という視点も必要
今回の⑥-6検証内容
❶ 常時複数形名詞3(さらに特殊な数え方):具体的に検証
❷ 単数形が存在しない名詞で、"pair"も使わずに1つ(単数)をどう表す?
❸ 英語ではなぜ単複(と可算不可算)の混乱が起こるのか?:何度も繰り返して強調するに値する重要ポイント
※今回の語群もそれなりに知名度が高いものですが、定番説明とは少し違う視点から見ていただけるようお手伝いできたら幸いです。
★複数形にすることで品詞の垣根を越える名詞①:belongings, earnings, proceedings(動詞の現在分詞[-ing]由来の単語群)
(英文法解説改訂三版(江川泰一郎 著)の「常に複数形の名詞:(3) -ables, -ingsで終わる名詞」を再分類し整理)
復習&応用問題1:belongings
belongingsを使って「所持品が1つ、2つ、3つ、、、」を英訳(手荷物検査を行う空港の保安検査場で使われる表現)
復習&応用問題2:各語群を、文法的に適切・通用する・不適切の3つに分類
1a. one belongings
1b. one of belongings
1c. one your belongings
1d. one of your belongings
1e. your one belongings
2a. five belongings
2b. five of belongings
2c. five your belongings
2d. five of your belongings
2e. your five belongings
3a. many belongings
3b. many of belongings
3c. many your belongings
3d. many of your belongings
3e. your many belongings
4a. some belongings
4b. some of belongings
4c. some your belongings
4d. some of your belongings
4e. your some belongings
5a. few belongings
5b. a few belongings
5c. few of belongings
5d. a few of belongings
5e. few your belongings
5f. a few your belongings
5g. few of your belongings
5h. a few of your belongings
5i. your few belongings(このfewは「少しある・ほとんどない」のどっち?)
復習&応用問題3:earnings
① earningsは金額で表示できる(お金と同類と考えていい)?
② "Your earnings"が主語の場合、be動詞はis/areのどっち?
さて、今回の常時複数形3も、「不可算可算の理想と現実」問題の典型例(可算・不可算名詞2分類の理想 vs 単複変化しない常時複数形という現実)。考えるべきポイントは「単複変化しない(&単複同形でもない)名詞を使ってどうやって数えるのか?」と「文法的に可算名詞なのか不可算名詞なのか?(問題こそ作成してはいませんが)」。これが英語では大問題(日本語では何の問題も発生しないのに)。英語名詞の可算不可算&単複(英語の都合)と日本語名詞の違い、ご理解いただけたでしょうか。
いわゆる学校英語や学術英語で整理しきれていない部分を考えてもらうための教材、英語の「名詞の不可算・可算(単数・複数)の理想と現実」問題が少しでも伝われば幸いです。
授業ではちゃんと解説しますが、一般公開はここまで。あちこちにヒントを散りばめてあるので、非受講生の方は辞書を引いたり自分で調べたりして考察してみてください。
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