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フランス革命の怖い話を読みたい方のための漫画・小説ガイド



はじめに

「フランス革命怪談」なんて言葉は多分ありませんし、私の人生においても偶然出現したわけです。

今月Amazonに上梓した以下の電子書籍、私の過去のショートホラー集ですが、


その後半で、何本か、フランス革命を舞台にした140文字ショートホラーの連作シリーズをやってこれが自分でなかなか面白かった。たとえば以下。

そうですね、言われてみれば私、ホラー怪談好きでありつつ歴史好きという顔もあって、そこでいうならフランス革命はかなりいろいろ読み込んできたほうですね。

だからフランス革命に絡めた怖い話、なんてのを思いついたり語ったりすること、これはこれで私の持ち味かもしれない。まあ私が何を創作しようが、歴史というものの常、史実の奇天烈さや残酷さに創作などはいつも負けるものですが、、、

ところでと。

フランス革命というのは、言うまでもなく、見かけの華やかさとは裏腹に、たくさんの血が流れた時代。まあ全体の流れは多くの方にとっては世界史の教科書でさらーっと通過して終わりな通りなのですが、これも歴史の常、巻き込まれた人たちの伝記や記録を読むと凍りつくような残酷さがまかり通ってた時期でもあった。フランス革命をもって「現代史が始まる」というのはなるほどその通りかもしれなくて、これ以降、ひとつの国家なるものの中で大きく権力が動いたり、国家ぐるみでの戦争が発生したりした時、名もなき民衆までも街に出てきて対立する派閥の民衆と殺し合いをすることがボンボン出てくる。現代政治とはまことに厄介なものです。

この迷路からの抜け道などはまだまだ見えない、けれど、そういう「怖い話」として、フランス革命を見ておくのも、何か、現代を生きる上でのヒントがあるかもしれません。

などと前口上がエラそうになったので、ここまでにして、この記事では、↑そんなふうに考えている私が「フランス革命入門」の方にお勧めできるマンガや小説を紹介しますね!ただし、タイトルにある通り、「怖い側面から見たフランス革命」入門です!

三つ、紹介しましょう。

ひとつめは、「まんが学術文庫:群集心理」

面白いことに、原著である「群集心理」は別にフランス革命の物語ではないのですが、この漫画↑は完全にフランス革命の事実を追いかける物語形式になっている。

主人公は紛れもなくロベスピエールであり、すなわち、

ロベスピエールが群衆の熱気に煽られて独裁者になり、さんざん政敵をギロチンに送ったあと、突然、クーデターを喰らって失脚し、昨日まで自分を英雄扱いしていた群集の悪罵と怒号の中でギロチンにかけられるまでの物語。これを読むと「権力」ってなんなのだろうと本当に悩んでしまう。

ちなみに、私がフランス革命史中でも破格のシンパシーを寄せる、王子ルイ十七世の話も、この漫画には詳しく出ています。この漫画ではルイ十七世は「どこかで生きてるかもしれない」という希望を持たせる形に描かれてますが、最近ニュースにあった通り、塔の中で虐待されて殺されたかの少年の死体がルイ十七世その人であることがDNA鑑定で確認され、「いじめ殺されていた少年の死体は王子とは別人説」は完全に否定されました。

ふたつめは、ディケンズの「二都物語」

19世紀に書かれたクラシックな小説ですが、ドラマがとてもテンポよくスイスイ進むし、物語も冒頭からアクションありサスペンスありのハラハラもので、ぐいぐい引き込まれる小説。私が熱愛する古典文学です!

二都というのは、ロンドンとパリのこと。

フランス革命の嵐の中で粛清されようとしている家族を救出するために、イギリス側のキャラクター達が命を賭けてパリに潜入します。イギリス側から見たフランス革命の雰囲気がよくわかる。

そしてさすがはディケンズ、ただの政治サスペンスに終わらないことには、

ラスト、メインの登場人物の一人がパリからの脱出に失敗し、パリの群衆の罵詈雑言の中でギロチンに引きずり出されて殺されるのですが、「それでもこの事件(フランス革命)にも、私の死にも、きっと大きな意味があるに違いないのだから」と信じて死ぬところです。私はこのラストで号泣した。

みっつめは、日本の凄スギる漫画「イノサン」

ハッキリ言って、日本の、

紙に印刷される漫画という表現方法で、こんなにも美しくて同時に恐ろしい絵があり得るなどとは思っても見なかった!

圧倒的すぎる画力と、物語の崇高さ、そして突然ミュージカルになったり突然マリーアントワネットが現代ファッションになったり、表現方法も自由自在。ため息が出るほどの作品です!

読むのにはかなり精神力を削られますけどね、、、もちろん、「さらにしんどい展開になったとしてもついていくぜ!」という胆力のある方は、続編の『イノサンルージュ』にもチャレンジを!

おわりに

まとめますが、フランス革命は、現代の我々の目から見るとあり得ないような残酷さや不条理が吹き荒れていて、追っていくとかなり疲れる(※でもたかだか230年前の話なんですけどね、、、)。

ともあれ現代の世界のいろんなことの萌芽がここにあった、という見方ができるわけだし、

今回紹介したような小説や漫画をベースに、ぜひ、多くの方に入門していただきたいと思いました!

冒頭に出てきた、私自身の「フランス革命怪談」に続きはあるのか?そうですね、これは引き続き、私の趣味としてコツコツ進めていきます、、、!


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