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何事もジュール・ヴェルヌから始めよう!SF小説の開祖が生きた19世紀のパリ・フランス

SF小説が好きな方にはぜひオススメしたい書籍が、

東洋書林から出ている、こちらの、『ジュール・ヴェルヌの世紀』。

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noteでも、いろいろSF映画やSF小説を語っている私ですが、

好きなSF作家となると複数の名前が思いつくとしても、

「SF文学の開祖」というべき大作家で、かつ、私自身もその作品に熱中した子供時代を持っている、という点で、

ジュール・ヴェルヌはやはり、一人、とびぬけて特別な存在です。

そんなジュール・ヴェルヌの評伝として是非にオススメなのが、この『ジュール・ヴェルヌの世紀』

彼の生い立ちや業績の詳細もさることながら、

この本の良い点として、出版当時の挿絵や広告等、視覚資料が充実していることです。見て楽しい、文学者評伝になっている。

しかし、こういう視覚資料を見ていて、思うことですが、

植民地からの吸い上げパワーが見せている魔法とわかっていつつも、やはり19世紀のフランス・パリってのは自信と輝きと楽天主義に溢れててすげえな、、、と。

もちろん、

ジュール・ヴェルヌ自体が、こういう時代のフランス文化を背景にしているからこそ、現れた人物であると、私は思ってて、

現代人がいま、ジュール・ヴェルヌを読んで、いちばん感動し、かつ、羨ましいと思ってしまうのは、「科学を武器にしている人類」というものに対する、強い楽天主義なのです!

それはもちろん、ジュール・ヴェルヌは、20世紀人が見てしまった「科学の暗黒面」をほとんど目にすることなく、1905年という、第一次世界大戦の予感すらまだ起きていない近代ヨーロッパ黄金時代のうちに、栄光に包まれて亡くなった方だから。そして今から見ると羨ましくと感じてしまうそんな楽天主義自体が、ジュール・ヴェルヌの小説作品の魅力にもなっているのです(※ただし、1990年代にようやく出版された未発表作品『二十世紀のパリ』は、なんとヴェルヌ自身の手になるディストピア小説であり、彼個人の中での人類に対する希望と不安の葛藤は、どうやら見かけより複雑そうですが)。

ところで、数あるジュール・ヴェルヌの作品の中で、皆さんが好きなものはどれですか?『十五少年漂流記』ですか?『八十日間世界一周』ですか?

私は、少年時代の夏休みに読んで強烈な印象を受けた『海底2万海里』のことをずっと、ヴェルヌ作品の中でもベストと考えてきました。

ところが、最近になると、

ある意味、海底探検よりも荒唐無稽な設定でありつつ、

ある意味、それゆえに海底探検よりも奇想に溢れた小説ということで、

『地底旅行』のほうに年々、惹きつけられるようになってきています。

残念ながらといいますか、現代では、ヴェルヌが空想力を広げて夢とロマンに満ちた世界に描いた、海底も、月世界も、だいぶ探検され尽くしてしまいましたが、

「地底深く」というのは、そんなに熱心に調査や関心が寄せられる方面ではないので、まだどこかに突拍子もない不思議なナニカが埋まっているかもしれない、、、と十九世紀人のようにワクワクできるから、なのかもしれません。まあ残念ながら、ヴェルヌの『地底旅行』のような、太古の怪獣が潜んでいるようなことはないでしょうが、、、たぶん、、、いや待てよ、、、もしかして、、、???


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