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とてもわかりやすい物理学史の本なのに「目に見える世界は幻想か?」というキワモノぽいタイトルをつけちゃったのは損な気もするw

これまでも書いてきたように、「不思議バナシ好きな理科好き」としての私、

言っちゃなんですが、いわゆるトンデモ科学本の類も好きですし、そういう本の中での「名作」にも目がないつもりでした。

しかし、この本は意外だった…だってタイトルが『目に見える世界は幻想か?-物理学の思考法-』なのですよ?ぜったい、キワモノ系の科学本だと思ったのに↓

すごくわかりやすくてマジメな、「物理学の歴史」の解説書ですよ、これw。いわゆる「大人の高校物理レベルのおさらい本」としてかなり質が良いのではないかな!読みやすいし、わかりやすい。

だが問題はこのタイトルですw。いやあ、損をしているような気がするなあ、、、

本屋で、うっかりオカルト本だかあるいは哲学の本だかと思って手に取った人は、「なんだ、物理学の解説本か」と思って買わないだろうし、

「わかりやすい物理学の入門書がないかなー?」と本屋に入った人は、逆に、このタイトルの本を手に取らずに通り過ぎるだろうw

違うんですよ、これ、真面目な物理学の入門者向けの本なのですよw!読んだ私としてはその旨、添えてオススメしておきます。

だか、

しかし、

「不思議好きでありながらも、理科好き」という私は、どうして著者(あるいは編集者?)がこんなタイトルをつけてしまったのか、その「気分」は、わからなくもないのです。

そう、たしかに、

現代物理学のハナシって、平凡な宗教やオカルトもぶっ飛ぶくらいに、奇想天外で摩訶不思議なハナシばかりなのです!

そして、物理学が発展すればするほど、露わになってくるのは、

どうも私たちが住んでいるこの世界とか宇宙とか呼ばれているものは、私達ニンゲンの五感や尺度で捉えられる範囲で「あたりまえ」と思っていることをどんどん裏切ってくる不思議だらけ、、、

ニンゲンにとっては「ええ!そんなまさか!この宇宙の本当の姿って、見かけと全然違うじゃん!うう、、、でも、何度実験しても、やはり、その『まさか』のほうが正しいみたいだ!」という驚愕のどんでん返しの連続の、摩訶不思議世界な様子なのです!

けれどもそんな摩訶不思議世界を最先端で理解するには、大学での何年もの「物理学者としての勉強」が必要なので、みんながみんな、そんな人生を歩めるわけでもない。だからやはり、物理学者の先生がシロウト向けにわかりやすく書いてくれた本を僕らは読むしかない、、、のですが、

最先端で勉強している物理学者の先生達ですら、「不思議だ不思議だ」と首を傾げているのが、どうも我々の住むこの世界であるらしい、とは、それを知っているだけでも夢がありますよね!

ただし、量子力学にせよ相対性理論にせよ、怪しげなオカルトやトンデモ科学商法には都合よく引用されて詐欺に利用されているのも昨今の状況なので、、、「物理学の〇〇理論によると…」と始まっている本やネット情報だからといって信じられるというわけでもない。物理学以外の領域もそうかもしれませんが、立派な筈の学問の理論や用語が、ウソやフェイクにドカドカ安易に利用されてしまう昨今はやっぱり怖い。じゃあやはり、騙されない人になるためには、何事も、ある程度は自分で勉強しないとダメってことかあ。


 

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