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【古代ギリシャ語の効用の話つづき】棒グラフや円グラフの「グラフ」は古代ギリシャ語γράφω(グラフォー)から!「グラフ」って未来を変えていく力があると思います!

実社会で役立ちそうにない古代ギリシャ語というマイナー言語も、やっているといろいろ、いいことがあるんだ!というお話の続きです。

現代語の中に生きている古代ギリシャ語を探す冒険として、これまでaのつくコトバbのつくコトバ、と進めてきました。

今回は7回目につき「g」のつく現代英語(かつ和製英語)から古代ギリシャ語起源のものを拾いましょう。

日本語でもすっかり日常単語、「グラフ」の語源も古代ギリシャ語

ビジネスシーンではもはや必需品となった棒グラフや円グラフ。

その「グラフ」の語源もまた古代ギリシャ語です。

γράφω(グラフォー)という動詞です。英語でいうwriteにあたる動詞です

古代ギリシャ語の動詞ですので、活用形が無数に分岐していきます。さわりだけとして現在形活用をやると、以下のような感じです(本気でやろうとすると古代ギリシャ語の動詞活用は複雑怪奇すぎて萎えるので、眺めるだけでよいです!)。

γράφω(グラフォー):1人称単数
γράφεις(グラフェイス):2人称単数
γράφει(グラフェイ):3人称単数
γράφομεν(グラフメン):1人称複数
γράφετε(グラフェテ):2人称複数
γράφουσι(グラフゥシー):3人称複数

思えば私もサラリーマン生活では「グラフを作ることで食ってきた」

私と同世代なら伝わる話と思いますが、エクセルとかGoogleスプレッドシートとかで、グラフをサクサク作れるようになるだけで仕事の幅がバンと広がりますよね

私も新卒の頃は「エクセルなんて嫌い」と思っていたのですが、やらされているうちに面白くなり、

・会議の場で「この棒グラフをちょっと線グラフに変えてみて」とか「この棒グラフの上に線グラフを重ねてみて」とえらい人に言われるたび、すかさず手元のノートPCのエクセルで切り替えられるようになっただけで、ほとんどあらゆる会議に呼ばれるようになった(笑)

で、経営会議的なところの末席にも座る機会が増え、いいこともいっぱいありました。

職場の後輩にも「とりあえず、グラフ作図の練習はしておいたほうがいい」とアドバイスする大人になっております。もっとも私はもう中年と呼ばれる年代に入っておりますので、今の若い人たちはレベルが上がっており、グラフができるだけでチヤホヤという時代ではないのかもしれませんが。

グラフが世界を変えてきた!「グラフの歴史」を扱った名著をひとつ紹介します

こうやって現代のビジネス社会では日常ツールとなった、さまざまな「グラフ」。実は発明されたのは、比較的最近、近代になってからのことです。

この「グラフという見せ方の発明」の歴史は、以下の本を読むとわかりやすいです!

文字をつらつらと書き連ねることでなんとか抽象的な物事を表現しようとしていた時代から、「抽象的な物事はひとめでわかるグラフに描いて伝える」という時代への大転換。これは火薬や羅針盤に匹敵する人類の大発明だったのではないでしょうか

今では、論文やビジネス資料でも、「コトバだけでなくグラフを添えないとわからないだろ!」と言われるのは常識となりました。でもこのグラフというものが、たくさんの先人たちの試行錯誤の末に生み出された革命的な表現技術だということは忘れないようにしたいですね。

現代では、エクセルやらなにやらのおかげで、よく考えなくてもワンタッチでグラフを描くことができる時代になりました。

当たり前のようにやっていることですが、よく考えると凄いことだと思います!ついこの間まで、グラフというのは学者や官僚といった専門職の独占物だったのですからね

結論として:ビジネスパーソンだけでなく、誰もが「グラフを描く」「グラフを読む」のが当たり前な世界になれば、もっと地球は住みよくなると思う

最近はグラフを載せた良質な一般書籍も増えてきていて、江戸時代のことをグラフで理解しようという本だとか

世の中のさまざまな事象を、とにかく「相関図グラフ」に全部置きかえて可視化してみよう、なんていう楽しい本も出ています(以下の本、「イタリアは自転車泥棒が多いだろうという先入観があるがグラフにしてみると意外にそんなことはない」とか、分析対象のテーマがいちいち面白い!)

なんでもかんでもをグラフに描くことの効用は、文字だけでは気づかなかったことも、グラフにすると気づいたりする、という点ですね。

決して文字情報を貶める気はありませんが(だってライターですし笑)、もっともっと世の中で、「文字+グラフで表現することが当たり前」「文字+グラフで読むことが当たり前」になれば、社会問題や環境改善についてもいろんな知見が出やすくなり、世界はもっとよくなるのでは

というわけで、「グラフ」はまだまだ人類に貢献できるポテンシャルがあり、未来を変えていく力を持っているのだ!と叫びつつ、今日もビジネス資料にカリカリとグラフを描き添える地味な仕事も、いとわずに精を出すのでした!

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!