「HSP」は祟りでもなんでもない
ここ数年、HSPという言葉が話題になってきました。
それに関する本が出版されたり、芸能人でもカミングアウトする人がいましたね。
私自身もHSPなのですが、判明したきっかけは、この言葉が話題になる少し前に母から指摘されたことです。
・幼少期より人の言葉や雰囲気に敏感すぎる
・光や音を遮ることを好む
・生まれたばかりの頃から大人になっても睡眠時間が異常に長い
こんな私の特徴から、母は私がHSPではないかと考えたようです。
結局のところ後日私はHSPであることが判明し、安心したことを覚えています。
物心つく頃から私は学校や社会に対する、漠然とした大きな不安に悩まされてきました。
先生や友達の顔色に敏感...というよりかは「どうして今日先生は明らかに不機嫌なのにみんな気が付かないのだろうか。」なんて疑問を持つことも多く、結局その後すぐに先生が怒り出したりとかは日常茶判事でした。
人が怒った時の大きな声に心から不快を感じ、友達が先生に怒られている姿をみるだけで自分も涙を流してしまう......そんなちょっと生きづらい幼少期を過ごしていたのを鮮明に覚えています。
大人になって社会に出てもその特質は変わらず、
・外の世界は怖いもの
・光や音は不快なもの
・睡眠を長くとらないと身体が持たない
こんな状態に深く思い悩み、大人になった私が結論づけたのは、
「あ、これ前世でなんかやっちゃたな」
でした。(笑)
とにかく家の中以外は気を張ってしまうし、外の世界は異常なまでも刺激的。
そういう体質に生まれたのは恐らく祟りかなんかだろうと結論付けていたんです。
前世で相当悪いことをしたから、今生では悪さできないように....etc(妄想)
そんな妄想がピークに達した頃、母から「あなたHSPではないか?」と言われたことをきっかけにHSPであるを自覚したのです。
しかし自覚したからといって、症状が改善されたとかは一切ありません。(笑)
今でも日差しや音には敏感で、外の世界は刺激的すぎるし、たくさん寝ないと屍になってしまうようなことに悩まされています。
それでも「祟りではない」と判明したことで気持ちが幾らかは楽になりました。
加えて「私が努力不足なだけであって、努力次第では自分の特性を改善できるのではないか」という考えも捨てることができ、プレッシャーがなくなっていきました。
もちろん開き直っている訳ではないのですが、「あ~しゃーねえなもう。」と割り切ることで、ぐだぐだねちねち「私なんて......」と、悲劇なヒロインぶる時間も節制できています。
※ヒロインタイムを今は映画鑑賞に充てています。
HSPであることに慣れる
ここからは飽くまで私個人の考えだとご承知ください。
私はHSPであることに加齢とともに慣れていきました。
突如HSPを患ったわけではなく、物心つくころからHSPでしたので、アラサーの私は30年近くHSPであることになります。
その長い期間で「これは自分は苦手だな」とか、「こっちを選択した方が合っているな」等は、経験を基にスムーズに判断できるようになってきたんです。
前より刺激を感じなくなったわけではないけど、ある程度の予防が自分自身で可能になったことで、快適さを感じることもあります。
例えば最近あった例で言うと、親戚と会う時に、あの親戚はいい人だけど声が大きく少々言葉が乱暴なので、一つ一つの言葉を丁寧に拾いすぎないで温かいハーブティーでも飲みながらリラックスして会話をしよう。
という風に前もって心構えを作ることができました。
結構この事前準備が大事だったりします。
社会で生きていると、自分の嫌なことを全て排除してしまうとそれこそ社会に適合して生きていけなくなるので、拒否をするのではなく、どうやったら自分が如何に刺激を受けないでリラックスした状況を作れるのかどうかを把握することが重要に感じます。
HSP学生は大変かも
まだ学生の場合は、自分の環境を変えることはなかなか困難ですよね。
声が大きく威圧的な先生の授業は出席しないとか、乱暴なクラスメイトがいるから転校するとか現実的ではないはずです。
そういう場合は、自分が刺激を受けやすい特徴だということを自覚して受け入れ、その特性の自分を決して責めないことが最初にできることだと感じます。
そしてその次は自分の心が回復する方法を把握します。
例えば、テレビやスマホなどの刺激を避け、帰宅後は自室や浴室で5~10分は1人の空間でぼーとしてみたり、ノンカフェインの温かい飲み物を飲んだり、読書や見慣れた映画に没頭してみたり.......
刺激を避けてリラックスできるような方法がおススメです。
その際、その日あった刺激的なエピソードを思い起こす必要も自分を責める必要も一切ありません。
自分の反省すべきところを想い起こすことは、人生において必要である時もありますが、そうでない場合は刺激的な出来事を思い起こす必要が無いのです。
嫌な記憶をなぞるだけです。
それでもどうしても頭を駆け巡ってしまう場合は寝てしまってください。
夢にまで出てきた場合は、逆に身体を動かしてみてもいいかもしれません。
youtubeでいいエクササイズ動画がたくさんありますもんね。
結論:令和の時代は選択しやすい
令和になって感じるのが、選択の幅が広がっていることです。
きっと誰もが感じていることだと思います。
例を挙げると、仕事は職場でするものという概念が崩れています。
最初こそ一時的であったテレワークが、意外にも業務に支障がなく、これからも続行するなんていう企業も多くあるかと思います。
「こうでなければいけない」という思い込みの時代ではありません。
自分の特性を理解し、自分の力を発揮しやすい環境を自分で選択できる時代です。
HSPだからこそできる選択も世の中にはたくさんあるかもしれませんね。
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