大停電のなか”神”を感じた話 in Guam Family's history
「お前は“希望”って言葉を知っているか?」
グアムではキリスト教が
主な宗教だ。
私のグアムの友人であり、
父であり、兄であるスティーブ。
いつでも冷静でおだやかで
慈愛の気持ちで満ちている。
今回はそんなスティーブの物語。
スティーブは神のことを、
信仰の対象であるとともに
愉快でちょっと変わった経験を
させてくれるヤツだと思っているそうだ。
ある雨の夜。
彼が体験した
少し不思議な話を教えてくれた。
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時はさかのぼり、
2002年の冬のこと――
これまでにないほどの大型の台風が
グアムを襲った。
島民は1ヶ月の間、
電気・水道のライフラインを
断たれたてしまった。
グアムでの停電は日常茶飯事のこと。
でもそれは大抵15分くらい、
ながくとも1時間くらいのこと。
けれどその時は、
数日経っても
全く回復の兆しが見られなかった。
日が経過するにつれて、
気が荒くなったり、
気持ちが沈んでしまう自分がいた。
それに気付く度に
「気を立ててはいけない、
落ち込まないように努めなければ」と、
自分自身に
言い聞かせていたそうだ。
しかし天候もよくなく、
ライフラインも
一向に回復の兆しを見せない。
いくら自分に言い聞かせても、
漠然とした不安に悩まされる。
精神的疲労もだいぶ溜りこんだ、
災害発生から2週間ほどたった
ある日のことだった。
スティーブが家に居ると、
1台の車が家の方に近づいてきた。
そしてその車は
スティーブの家の前で止まった。
車から一人の女の人が降りてきて、
彼女は家の前まできた。
今はこんな状況だから…と、
スティーブは、
「何か手伝えることはないか」と、
その女の人に尋ねた。
「すいませんが、
携帯電話を貸してください」
と、その女の人は言う。
スティーブが言われたとおり、
携帯を差し出すと、
その女の人はお礼を言って、
通話を始める。
「…うん、私……そう……
今、半分まで来たところ」
そういい終わると電話を切り、
感謝の言葉とともに
スティーブに携帯を返した。
スティーブは、
「私はスティーブと言います。
あなたの名前はなんですか?」
と尋ねると、
その女の人はにっこり笑って、
「私の名前は“HOPE(希望)”です」
そう言って彼女は去っていった。
彼女の去り際に、
スティーブは”はっ”としたそうだ。
彼女の通話の内容が頭によみがえる。
『…今、半分まで来たところ』
この災害を…
今、半分まで乗り越えたところなんだ。
漠然とした不安を晴らすような
安らいだ気持ちになったそうだ。
希望が現れたことで、
これまでの不安が和らぎ、
ふっと気持ちが楽になった。
それから2週間後、
つまり災害発生から1ヶ月が経過したとき、
家に帰る途中の道で、
信号機が点滅を始めた。
電気が戻った瞬間だった。
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俺は神のことを愉快で、
ちょっと変わったやつだと思っている。
そう、教えてくれた。
スティーブのちょっと変わった
不思議な不思議な体験記。
果たして
彼女は何者だったのでしょうか――
最後までお読みいただき
ありがとうございました🍀✨
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