澤祐介@渡り鳥調査中

渡り鳥研究者。山階鳥類研究所研究員。 現在は、ユリカモメ、コクガンの渡りルートを調べる研究をしています。 研究成果の他、研究の裏側(準備や挫折、苦労話など)、研究資金などについて、書いていきたいと思います。 https://twitter.com/larus_syawa

澤祐介@渡り鳥調査中

渡り鳥研究者。山階鳥類研究所研究員。 現在は、ユリカモメ、コクガンの渡りルートを調べる研究をしています。 研究成果の他、研究の裏側(準備や挫折、苦労話など)、研究資金などについて、書いていきたいと思います。 https://twitter.com/larus_syawa

    マガジン

    • コクガン足環物語

      足環をつけたコクガンがつなぐ縁の物語です。 渡り鳥が色んな場所を旅することで、いろんな人とつなげてくれます。

    • ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記

      2016年6月から7月にかけて、ロシアの北極圏、レナデルタで実施したコクガン調査の記録を書きました。 日本から北極圏に行くまでは、準備や移動など、大変でした。これを生身で毎年旅をしている渡り鳥に敬意を表しつつ、その道中をつづっています。

    最近の記事

    シジュウカラガン・ハクガンの発信器追跡

    現在、日本に定期的に飛来するガンの仲間は、マガン、ヒシクイ、カリガネ、ハクガン、コクガン、シジュウカラガンの6種がいます。 このうち、シジュウカラガンとハクガンは一時、日本の空から姿を消し、「日本雁を保護する会」による懸命な活動により、見事に復活を遂げた鳥です。 詳しくは下記の記事を参照。 もっと知りたい方はぜひ、こちらの本を読んでください! シジュウカラガンはかつての繁殖地である千島列島(1995-2010年)で、ハクガンはロシア・アナディール(1993年)でそれぞれア

      • ユリカモメの発信器追跡 その②

        その①とは別の方との共同研究により、長距離の渡りを追うための発信器もユリカモメに装着しています。 こちらのタイプは、世界中のどこにいても位置を補足できるよう、衛星を介して通信を行うタイプです。 アンテナが長く、目立ちますが、「矢」がささっているわけではありませんので、ご安心ください。 【関連情報】ユリカモメの発信器追跡その①

        • ユリカモメの発信器追跡 その①

          2010年に開始した、東京隅田川でのユリカモメの標識調査も10年が経ちました。これまでのデータをただいま、まとめている最中ですが、新たなステージとして、ユリカモメの発信器による追跡を共同研究で始めることになりました。 発信器を装着したユリカモメ↓ ■ 研究趣旨 ユリカモメは越冬地では、秋から春にかけ、沿岸部や河口付近を利用します。このような環境は開発されやすく、実際、国内のユリカモメの主要な越冬地は都市部が多くなっています。今後も世界各地の沿岸部の開発が進むことが予測され

          • 東アジアのコクガンの現状 -論文紹介-

            2017年から実施してきたコクガンの発信器による追跡の成果が、ガンカモ類の専門誌 Wildfowlに掲載されました。 Sawa Y, Tamura C, Ikeuchi T, Fujii K, Ishioroshi A, Shimada T, Tatsuzawa S, Deng X, Cao L, Kim H, Ward D. 2020. Migration routes and population status of the Brent Goose Branta ber

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            カリガネ研究 ~資金調達編~

            先日、捕獲に成功し、スタートラインにたつことができたカリガネ研究ですが、研究を始めるにあたっては当然、研究資金が必要になります。 今回は、カリガネの研究資金を獲得するに至った、仕込みについて記載します。 ■ 国際的な注目種だったカリガネ カリガネAnser erythropusは、スカンジナビア半島からユーラシア大陸の東端まで広く分布していますが、同じ雁類のマガンなどと比べて、個体数は極端に少なく、全世界で24,000-40,000羽と推定されています。  IUCNのレッド

            カリガネ研究のスタートライン

            ■ カリガネ個体群の現状  カリガネAnser erythropusは,スカンジナビア半島からユーラシア大陸の東端まで広く繁殖する鳥類で、繁殖域と渡り経路によって、3つの地域個体群(フェノスカンジア個体群、西側主要個体群、東側主要個体群)に分けられています。全世界での個体数は,24,000-40,000羽と推定されており、IUCNのレッドリストでは,危急種(Vulnerable)に(BirdLife International 2020)、環境省レッドリストでは、絶滅危惧IB

            【終了】希少ガンのシンポジウム

            「日本雁を保護する会」、その関連組織の「雁の里親友の会」や「コクガン共同調査グループ」などが取り組んできた希少ガン類の復元計画や標識調査の結果について、それぞれの担当責任者が過去の経緯を振り返りながら、最新の情報を整理してお届けします。 ※ 新型コロナウィルス感染拡大のため、日程を1月30日の1日にのみ短縮し、オンライン配信でのみ実施することとなりました。 ■ 日時・場所(開催方法、日程を変更しました) 2021年1月30日(土)10:00-14:00  オンライン配信の

            コクガン足環物語④ ~コクガン専門家会議~

            前回までは、レナデルタで足環をつけたコクガンがアメリカで確認されたことを機に、国際会議で日ロ共同調査だけでなく、アメリカも中国も巻き込んでしまおうということで、呼びかけを行いました。 さて、この呼びかけをさらに作業レベルに落とし込んでいくためにはどうすればいいのでしょうか。 話は少し前に遡りますが、レナデルタで受け入れをしてくれたロシア科学アカデミー永久凍土研究所(ロシア・ヤクーツク)とトナカイの生態について共同研究をしている北海道大学大学院文学研究科地域システム科学講座

            ユリカモメってどんな鳥!? ~ユリカモメの足環調査~

            このページでは、秋から春にかけて日本に渡ってくる渡り鳥の”ユリカモメ”について、どんな鳥なのかを私の研究内容を含めて解説していきます。 1.ユリカモメってどんな鳥?ユリカモメという鳥を皆さんはご存知でしょうか? 冬になると、海や川沿いにやってくる、体長40cmくらいのカモメの仲間です。 この動画は東京都の隅田川で撮影しました。気持ちよさそうですね。 ユリカモメは、とても観察しやすい身近な冬鳥なので、東京都や福岡県福岡市、滋賀県大津市など、いろいろなところで、「自治体の鳥」

            コクガン足環物語③ ~共同研究呼びかけ~

            ■ 東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップの会合での呼びかけ92番のコクガンが予想に反して、アメリカに渡って行ってしまいました。そのことで、コクガンの繁殖地探しは振り出しに戻ってしまいました。 そう容易にはわかるものではないとは思ってはいましたが、仕切り直しです。 ちょうどタイミングが良いことに、コクガンが狩猟されてから1か月後の2017年1月11~15日に、シンガポールで「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ」の国際会議に出席する

            コクガン足環物語② ~渡り鳥がつなぐ世界~

            ■ 標識コクガン、見つかる!!野付湾での調査から帰ってきて12月に入り、そろそろ越冬地のコクガンも増えてきたころか。 日本のどこかで観察されないかなぁと思っていた矢先。 2016年12月15日にロシアのガンカモ類研究者から1通のメールが届いきました。 「アメリカで黄色い足環をつけたコクガンが回収されたようだが、そちらのものか??」 なんということ!! よくよくメールを読んでみると、アメリカ・カリフォルニア州のHumboldt bayで、12月10日にハンターが狩猟した

            コクガン足環物語① ~レナデルタのコクガンの行方~

            ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ~ では、2016年6月下旬から7月上旬にかけて、日本に来るコクガンの故郷かもしれないレナ川河口部「レナデルタ」の繁殖地に調査に行き、コクガン21羽に標識を行いました。 果たして、この21羽はレナデルタで繁殖した後、どこへ旅立っていったのか、そして、日本に来るのであろうか。 そんな淡い期待を込めて、ソワソワしながら、夏が過ぎていきました。 ■ 野付湾での標識コクガン探しそして、コクガンが日本に渡ってきた11月、一大中継地で

            レナデルタ調査 ダイジェスト

            2016年6月~7月のロシア・レナデルタ調査のダイジェスト映像です。 北極圏の町チクシからレナデルタの記録をまとめています。 詳細はこちらのマガジンから。 ■ おまけ映像コクガンの巣の前で1時間に10分に1回の頻度で撮影したタイムラプス動画です。抱卵はメスのみ。お母さんは大変です。

            ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ⑳~ 調査を振り返って

            今回は、持ち物レビュー、費用レビュー、そしてあとがきを少々。たいして面白くありませんが、振り返りは重要です。 ■ 持ち物編持ち物は、こちらの記事で書いたとおりである。総重量は45kgほど。この中で、いらなかったもの、あればよかったものを。 <調査機材> ・スコープ(やや不要)  意外と使わなかった。双眼鏡でほぼ事足りるというのもあるが、高倍率のコンパクトデジカメ、ニコンのP900を持って行っていたので、遠くはこれで確認したり撮影したり。 <個人装備> ・ヘッドライト

            ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ⑲~ 旅の終わり

            ■ レナデルタ出発天候が荒れて、なかなかボートが出せないまま、チクシからヤクーツクに戻る飛行機の日程(7月15日)はせまってくる。 少し心配になって「いつ出る予定なのか?」と聞いても、 「I don’t know」と、返ってくるばかり。。。 「天気が悪いのは続くものだ。Arctic Exoticだ!」 だそうである。 7月11日の夕方になって、ようやく晴れ間が出てきた。 21:00 ワロージャ氏が、むくっと起きる。 「Finish!」と、一言。 おぉ、ついにここを去

            ミニ連載:雁の道を越えて ~ロシア北極圏探訪記 ⑱~ フィールドでのとある一日

            ■ 七夕の雪とにかく、北極圏の天候は変わりやすい。 ロマンティックアークティック!だから。 晴れ間も広がって、穏やかだなぁと思っていたのに、翌日からはずっと強風が吹き荒れる、ということもよくある。 案の定、七夕前後は、吹雪! そんな日は、ずーっと、小屋で待機である。 4:30 起床。荒れ模様のため、就寝 7:30 ジャルカ(暑い)。ストーブが暑くて起床。荒れ模様のため、就寝 11:30 起床 12:00 昼飯。コンビーフとご飯を一緒に炊いたような飯。    トマトソー