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シジュウカラガン・ハクガンの発信器追跡

現在、日本に定期的に飛来するガンの仲間は、マガン、ヒシクイ、カリガネ、ハクガン、コクガン、シジュウカラガンの6種がいます。
このうち、シジュウカラガンとハクガンは一時、日本の空から姿を消し、「日本雁を保護する会」による懸命な活動により、見事に復活を遂げた鳥です。
詳しくは下記の記事を参照。

もっと知りたい方はぜひ、こちらの本を読んでください!

シジュウカラガンはかつての繁殖地である千島列島(1995-2010年)で、ハクガンはロシア・アナディール(1993年)でそれぞれアジアに渡る個体群の再導入計画が進み、2020-2021年シーズンには、シジュウカラガン9000羽超、ハクガン1000羽超が東北地方を中心に越冬するまでに回復してきました。
一方、再導入した個体群がどれほどきちんと繁殖地に定着しているのか、またその繁殖の規模などは、現地調査の困難さからあまりよくわかっていません。
そこで、日本に飛来するシジュウカラガン、ハクガンを捕獲し、正確な繁殖地、渡りルートを追跡することで、今後の現地調査の重要な基礎資料にすることを目的に、追跡プロジェクトが始まりました。


捕獲成功と追跡の開始

2021年12月、両種の中継地・越冬地である秋田県大潟村で、秋田県立大学アグリイノベーション教育研究センター、大潟村干拓博物館、大潟村の自然を愛する会など、地元の多大なる協力の下、日本雁を保護する会、山階鳥類研究所共同での捕獲調査が開始されました。
2021年12月13日には、シジュウカラガン53羽、ハクガン3羽の捕獲に成功し、以下の通り、追跡が開始されました。

◆ シジュウカラガン
 首環型発信器5羽
 ハーネス式発信器4羽
 環境省足環のみ44羽
 
◆ハクガン
 首環型発信器2羽
 首環標識1羽(幼鳥、緑T02)

今後、これらの個体の追跡により、越冬期の行動、渡りルート、繁殖地の解明等を進める手がかりを得ることが期待されます。
成果については、ある程度まとまった段階で、日本雁を保護する会、山階鳥類研究所より改めて発信していきます。

■ 追跡開始の告知文書は下記よりご覧ください。


渡り鳥の研究には、旅費や発信器購入、罠の作成など、そこそこのお金がかかります。もちろん科研費や助成金などを最大限獲得していますが、それだけでは大変厳しく、手弁当も多いです。渡り鳥についてもっと知ってみたいという方々のご支援よろしくお願いします。