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コクガン足環物語③ ~共同研究呼びかけ~

■ 東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップの会合での呼びかけ

92番のコクガンが予想に反して、アメリカに渡って行ってしまいました。そのことで、コクガンの繁殖地探しは振り出しに戻ってしまいました。
そう容易にはわかるものではないとは思ってはいましたが、仕切り直しです。

ちょうどタイミングが良いことに、コクガンが狩猟されてから1か月後の2017年1月11~15日に、シンガポールで「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ」の国際会議に出席することになっていました。

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今となっては考えられないほど密な会議場ですね。

このパートナーシップは、政府関係者やNGO、各国の研究者が集まり、渡り鳥の保全を国際的に足並みそろえてやっていきましょうという国際協定で、日本の環境省や当時わたくしが所属していたバードライフ・インターナショナルも参加しています。ここでは,渡り性水鳥の重要な生息地を保全するための重要生息地ネッ トワークを展開するとともに,渡り性水鳥の各種群や優先種についての作業部会や特別委員会を設け、研究や保全施策を推進しています。

もともと、ガンカモ類作業部会の中で、「東アジアで越冬するコクガンの繁殖地追跡」を開始したことを報告するつもりだったのですが、ロシア、アメリカ、中国、韓国の研究者も集まっているので、いっそのこと、共同研究しませんか?とよびかけてみることにしたのです。

ロシアの研究者も大変興味を持ってくれたのだが、なかでも中国科学院の研究者が、東アジアにおける大型の水鳥の渡りを包括的に追跡する大規模な調査を計画しているとのことで、その中にコクガンを含めないかと具体的に提案してくれました。

さらには、レナデルタでコクガン以外のガンも捕まえたいのだが、来年一緒に行ってくれないか?とも。

このときは「行きます!」という感じでノリノリだったのですが、詳細をつめていく中で、諸事情により計画はぽしゃってしまいました(私のレナデルタでの共同研究者が、今回声をかけてきた研究者の共同研究者と不仲とか、、、いろいろあったようです)。

レナデルタでの調査はぽしゃってしまいましたが、中国との共同研究はできそうな感じでした。
さて、今度はこれをきっかけに、どんな調査をどういう役割分担でやっていくのか?具体的に進めていかねばなりません。次回はそちらについてお話しします。

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つづく


シンガポールのSungei Bulohという保護区はなかなかいい環境でした。

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渡り鳥の研究には、旅費や発信器購入、罠の作成など、そこそこのお金がかかります。もちろん科研費や助成金などを最大限獲得していますが、それだけでは大変厳しく、手弁当も多いです。渡り鳥についてもっと知ってみたいという方々のご支援よろしくお願いします。