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ミニマムに暮らすヒントは、ホテルにある

前回のnoteで、ホテル泊の楽しさについて書いた。

私がホテル泊が好きなもう一つの理由は、最低限のモノしかない空間で過ごせる、ということだ。

無くても、なんとなかる

ホテルに泊まる=普段自分が使っているモノがない空間で寝泊まりする、ということに不安を感じる人もいるかもしれないが、ホテルに1泊、1週間泊まるくらいだったら「無くてもまぁなんとかなる」モノが多い。この「無くてもなんとかなる」ということに気付くことが重要だ。無くてもなんとかなるのであれば、不要なのではないか?本当に必要なモノなのか?と、これまでの自分の基準を疑うキッカケが生まれやすくなるのである。

ホテル泊して家に帰ると、家を出る前は感じなかった「家のごちゃつき」が気になり始める。ホテルの部屋には、人間が1泊するのに必要なものしか置かれていなかったが、家の中は生活するために必要なものも不要なものも溢れている。この「ごちゃごちゃした感じ」から解放されるのもホテル泊の楽しみの一つなのだが、その楽しみには続きがある。帰宅した時に「あ、これ無くてもいいかも」とミニマリスト・断捨離スイッチが入りやすくなるのだ。

非日常と「なんにもない」を感じることができる。ホテル泊の楽しみは、帰宅後にも続くのである。

コンドミニアムで感じた、心地よさの正体

かつてマキシマリストでファッション地獄真っ只中を生きていた頃、機会があってラスベガスのコンドミニアムに滞在した。ホテルと違ってコンドミニアムには室内に洗濯機やキッチンがあり普通の家のような作りをしているため、ホテル以上に快適に過ごせる。数日間の滞在だったが、今でも思い出すくらい気分の良い出張だった。

コンドミニアムの利用はこの時が初めてだったのだが、期限が来て次のホテルに行かなくてはならないのが少し残念な気持ちになったのを覚えている。ホテル以上に「家」っぽさのある空間だったこともあり、リラックスできたからだろう。居心地が良い空間だったから、仕事を終えて部屋に帰るのがとても楽しみだった。

この心地よさは何なのだろう?一番の理由、それはホテルも同様であるが、見えるところに細々したモノが一切ない、という点だろう。

自分の家だと、テーブルの上には新聞や読みかけの本が置かれていたり、キッチンには引き出しに入らないシリアルの大袋やまな板が剥き出しに置かれている。コンドミニアムのキッチンは棚、引き出しの中が空っぽだったので、ちょっと買ってきたものを全て「目に見えないところ」に仕舞うことができた。冷蔵庫にはマグネット1つ貼られていない、非常にスッキリしている。仕事で使う資料なども、机の中が空っぽだったので「寝る前に仕舞う」「部屋を出る前に仕舞う」、洗面所も戸棚がたくさんあったので、普通のホテルだったら洗面台に出しっぱなしにしてしまうようなメイク用品や基礎化粧水なども「使う時以外仕舞っておく」ことができた。巨大なクローゼットがあったので、スーツケースも「仕舞っておく」ことができたのである。

使う時にだけ出す、使わない時は見えないところに仕舞っておく、見えないようにしておく。細々したモノが一切目に入らないようにしておくだけで、家は格段に居心地が良くなるのだ。事実、帰国後に自分の家の「細々したモノの多さ」に辟易した。棚はある。仕舞うための箱はある。が、圧倒的にモノが多すぎて仕舞いきれないのである。部屋のサイズが問題なのではない、やはり問題は「持ち物の多さ」にあった。

何でも「仕舞う」

モノを仕舞う。当たり前のことだが、見えないようにしてしまうことで、視界のノイズを消すことができるので快適になる

捨ての師匠、ゆるりまいさんも、何でもモノを仕舞っていた。仕舞える量しか物を持たないのだ。最終的には、持ち物を減らしてミニマルな生活を送りましょうーーという話になってしまうのだが。

コンドミニアムはホテル以上に「家」としての機能が強かったので、余計に自宅と比較してしまったのだろう。帰宅した私は「あーコンドミニアムに戻りたい…」と思ったのであった。

所有するなら、仕舞える分だけ

何でも「仕舞える」、スッキリした家に住みたい…あの時の願いが、今は叶えられている。所有するモノの量を減らしまくったから。

最近はもう1年以上ホテル泊をしていないので、ホテルに宿泊することで押してもらっていたミニマリスト・断捨離スイッチがなかなか入りにくくなっている気がする。そのせいか、モノが散らかってしまったり、仕舞いたくても仕舞いきれないような状況になることが増えた気がする。そんな時は、一呼吸おいてコンドミニアムで生活した時のことを思い出す。ここがホテルだったら?無くてもいられるモノがどこかにあるのではないか?

ミニマリストになれたのは、あのコンドミニアム生活のお陰もあったと思う。物の少ない空間は、ミニマルな生活の快適さを味わわせてくれた。

「仕舞える分しかモノを持たない」、これを自分の中の一つの基準にすると、自動的にノイズの少ない快適な家になっていく。



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