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DJ DOSANKO
2020年10月27日 18:54
私は、長距離トラックの運転手になりたかった。向いていると思った。一人でできるし、好きな音楽を聴けるし、毎日いろんなところに行けるし、何よりそこはかとなくロマンを感じられる、トラックの運転手になろう!と24歳の私は思った。美術大学を中退し、ひとしきりいろんな職を転々としニューヨークぶらぶらしたり好き勝手に歩き散らかした挙句ポンと脳に湧いてきたちゃんとした仕事のアイデアが、トラックの運転手だった。
2020年5月12日 16:00
初めて家出をしたのは、確か6歳のときだったと思う。夕方、母が買い物に出た隙を盗み、セーラームーン柄のまくらをナップサックに詰め混んだ私は、親戚のおばさんの家へと向かった。やさしいおばさんの家に、もらってもらう覚悟だった。道すがら、手のひらに握りしめた500円玉の感触をなんども確かめる―その硬貨の大きかったのを、よく覚えている。途中腹が減ってどうしようもなくなった私は、マクドナルドに寄りハッ