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掌編小説

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140字から始まる超短編小説です
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#恋愛

君に恋する5秒前【掌編小説】

君に恋する5秒前【掌編小説】

「がんばれ!」
応援席の私は、バスケの試合を見守る。
シュート。歓声。
「キャプテン、かっこいいね」
隣の友達がささやく。私達はキャプテンの追っかけだ。
なのに今日は、なぜか君に目がいってしまう。ただの幼なじみなのに。走る姿、真剣な横顔。
「かっこいい」
「だよね」
君にドキドキする。

   ☆ ☆ ☆

試合終了。うちの学校は負けた。応援してた私は、会場から出るメンバーを迎えた。
「お疲れ様」

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恋愛前逃走症【掌編小説】

恋愛前逃走症【掌編小説】

誰にでもフレンドリーに接してしまう。
「こんど飲みましょう」のお誘いメールには、「じゃあ友達も呼びますね」と返信を。
がっかりされても気にしない。

すぐ恋が壊れるのは見えている。
幻滅されたくない。傷つきたくない。
ならば最初からスタートしないほうがいい。

恋がしたい。恋が……恐い。

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豪華賞品【掌編小説】

豪華賞品【掌編小説】

会社の新年度は、いつも運動会がある。豪華な賞品つきで。
今年は山登りだ。皆どんどん進む。私は日頃の寝不足と体力不足で、途中でリタイア。
実行委員の人が付き添いをしてくれた。
「足、痛みますか」
「少し」
「肩を貸しますよ」
イケメン顔が間近に。ドキッとした。
夫とのなれそめの話。

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お酒のアルバム【掌編小説】

お酒のアルバム【掌編小説】

互いの家に、あけましておめでとうとあいさつに行き、甘酒を飲んだ子供時代。

お父さん秘蔵のウィスキーをなめて倒れ、こってりと母親たちに怒られた中学時代。

久しぶり元気? とビールで再会を祝った大学時代。

ワインボトルを真ん中に、別れ話をした社会人3年目。

緊張しながら並んで三三九度を交わした結婚式。

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