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自分が幸せになるために、仕事をする。

先日、とある会社のOGの方をインタビューした。御年70歳。女性が生涯を通じて働くことが難しかった時代。先駆けとして、定年まで仕事を続けた方だった。
私たちは、企業媒体の制作もお手伝いしている。この取材は、100周年をむかえる企業さんの社史制作の一コマだった。
彼女と顔を合わせると、ベテラン社員の顔がパッと明るくなる。小走りに多くの社員が近寄って、近況を報告する。この企業にとって、彼女がとても大きな存在だったことをうかがわせた。

彼女は、責任ある立場で仕事が果たせたことをすごく誇りに思っていて、終始ハツラツと業務内容や当時起きた事件などについて話をした。大変だったことももちろんある。しかし、それすらもどこか嬉しそうに語った。

取材のなかで印象的だったのは、
「自分が幸せになるために、仕事をがんばる」
という言葉だ。
仕事をがんばるというと、「会社のため」あるいは「お金のため」というフレーズが続きがちだ。
しかし、彼女は「仕事をがんばるのは、自分のためだ」と断言した。

自分のために働いていたから、成果をひけらかすこともない。自慢ではなく、「すごく楽しかったこと」という文脈で仕事を語ることができていた。その潔さが、とても気持ちよく、私ははじめて会う人生の大先輩に憧れのような想いを抱いた。
その自立した心が、非常に美しいと思った。

「いわれたことだけやればいいという意識では、仕事を楽しみ尽くすことはできないの。大事なのは、『こんな企画あったら楽しいんじゃない?』とワクワクした気持ちで仕事に臨むこと。それは、自分の満足度を上げることになる。その先にある、会社の発展は結果にすぎないのよ」

「自分を幸せにするために仕事をする」というこの考えは、いまの時代にすごくマッチするんじゃないかと感じた。会社員であっても自ら学び、考え、行動していくことが求められる時代。受身でいれば、取り残されてしまう。

さらに、フリーランスが増え、組織の中で受動的に仕事をすることにあまり意味がなくなってきている。

大事なのは、自身の仕事に臨む意識。
人生の多くの時間を仕事に費やしているのに、「仕事の犠牲になっている」というような意識を抱いていたらもったいない。「自分が幸せになるために、仕事をする」という考え方が広まれば、もっともっと楽しい世界になるのではないかな。

会社のためでも、お金のためでもなく、自分のために働ける人が増えるといいな。
そんな仕事の世界は、なかなか輝いたものではなかろうか?

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