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転職も社内異動の希望も、相手の立場になって考えると、うまくいく

長い会社員人生、今後自分がどうキャリアを築いていくか、みなさん毎日考えていると思います。転職しようか、それとも社内で他の部署に異動しようか、様々な選択肢が浮かぶことでしょう。

ただ、ひとつ大事なことを忘れていませんか?

転職先、異動先、今の上司など、自分を「受け入れてくれる相手の視点」を考慮せずに、キャリアプランを立てていないでしょうか? 

はい、そうです。若い頃の私がまさにそうでした。

今日は、大手米系メーカーに長年勤め、自分が平社員から管理職までの経験を通じて学んだ、キャリアプランにおける「他人視点の重要性」について、具体的にお話ししたいと思います。

目次
1.転職先の採用責任者の視点
2.希望する異動先の部門長の視点
3.まとめ


1.転職先の採用責任者の視点

入社して数年たつと、「今の会社でそこそこ結果も出したし、そろそろ次のキャリアステージにステップアップしたいな」と感じ始める方も多いのではないでしょうか。

ちょうどそのタイミングで、会社の方から「よく頑張りましたね。昇進です。」と言ってきてくれれば、良いのですが、そのようなケースは稀でしょう。大抵の場合、部下持ちのポジションに昇進するには「最低でもあと2年はかかる」といったところでしょう。

すると、「それなら他社の管理職ポジションに応募して転職するのがキャリアアップの近道かな」などと考え始めます。そこで、実際に転職エージェントに登録し、何社か応募したものの、なかなか内定がもらえません。中には書類選考も通過しない企業もあります。

このような場合、一旦冷静になって、「転職先の部門長になったつもり」で、自身を見つめ直してみると良いでしょう。まだ、部下を管理したり、育てた経験もなく、ましてや社内の事情や業界知識に明るくない、社外からの転職者に自分の部下を預けられるでしょうか。

私も部下無しの担当者だった若い頃に、転職エージェントから誘われて他社の管理職ポジションに応募して玉砕したことがあります。おそらく転職エージェントも私が採用されるとは最初から思っていなかったと思います。すでにクライアント企業に本命として推薦する経験豊富な候補者がおり、比較の対象となる「その他の候補者」のひとりとして私を企業に紹介したのでしょう。私がクライアント企業の採用担当者だったとしても、自分のことは採用しなかったでしょう。

よって、他社への転職を考える場合、自分がどのようなキャリアを歩みたいかだけを考えるのではなく、採用企業側が、どのような経験や能力を求めているのかを冷静に分析する必要があります。

そうすることによって、転職するには自分が今の会社で何を成し遂げる必要があるのか、または、転職するのではなく、今の会社で昇進していった方が良いのかなど、自身のキャリアパスについて他の選択肢も見えてきます。

ぜひ、転職活動をする前に、転職先企業の視点から自分を客観的に見つめ直すと、今やるべきことが明確になるでしょう。

2.希望する異動先の部門長の視点

人によっては、今の会社は好きなので、転職しようとは思わないけれども、他の部署に異動したいと考えている人もいるでしょう。この場合も、前述と同様に、異動先の採用責任者である部門長の立場に立って考えると良いでしょう。

その部門長の立場になって自身を客観的に採用したい人材と言えるか。すなわち、その部門長がどのような人材を求めているのか、そして、あなたは具体的にどのような価値をその部署にもたらすことが出来るのか? このあたりを一度整理し、異動先が求めるものと自身の現在の能力にギャップがないか、有ればどう埋めていくかを考えます。

なお、社内異動の場合、転職よりもハードルが高い場合があります。私が部門長だった時の経験です。他部門からの異動を希望されていた、数字に強く英語力も高い社員の方がいました。

結論から言うと、彼の受け入れを断りました。理由は、彼は単独で仕事をする際には高い能力を発揮するのですが、他の社員とチームで仕事をすると、よく問題を起こすと聞いていたため、既存の部下の人たちに迷惑がかかると考えたからです。

よって、長期的に社内で他部門への異動を経ながら、キャリアアップを図る場合、社内での評判が非常に重要な要素になります。私の過去の部下からの学びですが、有能で人柄の良い社員はどこの部署からも引き合いがあるため、容易に異動できます。場合によっては本人が希望しなくても、異動のお誘いさえあるでしょう。彼/彼女を手放したくない現在の上司は昇進を打診するかもしれません。

逆に、社内の評判が悪い社員は、希望している異動先だけでなく、どこからも受け入れてもらえず、今の部署に居続けるか、転職する以外に選択肢がなくなります。

よって、今の会社で、社内異動を通じてキャリアアップを考えている方は、ご自身の視点だけでなく、異動希望先、および社内での評判に気を配る必要があります。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。長期的なキャリアアアップを実現するには、自分の希望だけを考慮するので無く、転職先や異動先の立場に立ち、いかに自身が必要とされる人材になるかが重要です。

ぜひ、転職や異動を考える際には、独りよがりにならず、客観的にご自身を棚卸ししてみてください。

きっと道がひらけてきますよ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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