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黒羊もずく
2023年9月10日 23:44
世界は今日 詩のように踊りながら朝を迎える女眠気を覚えながら幸せを待ってる天から降り注ぐその陽光は小麦畑を優しく撫でながら光を編んでゆく世界は今日 鷲のように煽りながら空を舞う男その肉体を夢に捧げ褒美を待ってる海に堕ちるその魂は哀しみながら慈しみながら生命を終わらせてゆく世界は今日 私たちに何も知らせずに「存在」し「消滅」する私たちが死んでしまった後も「呼吸
2023年8月2日 05:24
世界の始まりはいつ?と尋ねられたら硝子の瓶を踏まないように傍にいてそっと肩を抱いて愛はいつから?と聞かれたら波打ち際の貝殻のように佇んで黙ったままでいる終わったのなら始めればいいと誰かが言った海の音はノイキャンされたイヤフォンのせいで私には届かない世界は終わりでも世界はまた始まるそんな永遠に辟易として鬱々としてる私の脳の右のほう
2021年6月6日 00:02
今日世界の片隅でドーナッツが片思い子どもたちが街から消えて空だけが高い合唱隊はステージを下りて家路を急いだ大人たちは誰しもオーバーワークで睡眠不足黄色い空が烏たちを吸い込んでいくのを痩せ衰えた猫の目で見上げてたんだ私は誰?あなたは何?水が飲みたければ神に祈れと紙切れだけの神がいう電車は空へ走る 家にはもう帰れない小鳥はもう死んだから廃墟のスタジアム象の足跡トイレの落書
2021年6月3日 23:28
君といたいと願うことは悪いことじゃない青空 河川敷過ぎ去ってゆく昨日君に会いたいと願うことは悪いことじゃないだろ?そう僕はいつだって傍にいたいんだ片耳を失くしたイヤフォンが今でも僕に問いかけてくる上手になんて生きるなそれでも人生捨てたもんじゃないだろってそうだよだから僕は今日待ち望んだ場所でゲートを潜る君に会うためにスポットライトの下で
2020年7月20日 17:59
天窓に光が降りて君の逝く道を照らすから もう泣かなくていいと誰かが耳元で囁いてそれで、それで? 春が来れば天馬はまた走るよあの雲の上のほうからきっと暖かい雨を降らすんだありがとうと君の手を握れば 君は思い出になってしまうからただ思いつづけることにした言葉はいらない のに言葉でしか言えない不自由な鳥たちまたいつかどこかで会おうよサヨナラは言わずに懐かしいあの
2020年5月22日 12:59
昨日僕は届けた、君に言葉を君に何を言おうか考えているうち夕方が来て夜が来てまた朝が来て結局何にもなれないで死んでいくのだろう、かと疑問符を付けて自分を慰める、ことはもうやめよう自分は結局自分でしかないし他に何にもなることはできない昨日僕は届けた、君に愛を愛とは何か探しているうちに昨日が終わり今日が終わり明日が過ぎる分かってもらえなくていい分かり合えなくてもいい
2020年5月19日 19:51
もう空は落ちてきている怒りに消費された言葉は何処へゆくのかやさしさのために消去されかけた文字は雨に滲んで誰にも読めなくなってしまった全ての都市伝説は一夜で溶けてもう満月は雲に隠れて狼は痩せ衰えて吠えることも忘れていくのか人間は冷やされたレンゲのように丸くなくて削られて尖っていく「どんな人にも生きる権利はある」と誰かが言った振り向くと夕暮れだけが無人の街に取り残されて悲