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「探究学習」とは何なのか。【読書のキロク】

こんばんは、"もっちゃん”です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。

「探究学習」という言葉が流行ってきているように思います。

自分としてもイメージがつきにくいところではありますが、高等学校などではすでに「探究の時間」が設けられ、それぞれのテーマにそって探究学習がすすめられているようです。

そもそも行き着く先が、「探究的に学習すること」なのか「探究することを学習すること」なのか、そこすらもわかっていない自分がいます。

字面から考えてみても、「探究活動=探究学習ではない」と感じているのですが、そこのところはどうなのでしょうか。

詳しく知りたい、ということも含めて今回の本を選びました。

◯今回読んだ本:『中高生のための 「探究学習」入門 』 著者:中田亨 光文社新書

こちらでも紹介されていました。概要等も含め、こちらの「はじめに」のところを見ると、ある程度の内容を理解できるかと思います。

なんとなく、自分の問いに対する答えも書いてあるように思います。

◯「探究学習」とは

はじめに、のところでも書いてありますが、本書の著者によれば

この『探究学習』とは何でしょうか。
一言で言えば、自分で謎を見つけ、それを自分で解くことです。それが学校の科目になっています。

本書p3より

とのことです。
本書のニュアンス的には、何かしら自分で問題を設定し、それを探究的に解決すること「探究学習」としているようでした。

「学習」というと「何を学んでいるのか」ということをどうしても意識してしまいますが、

「探究学習」という言葉は、
「自分で問いを定めて、探究的に解決しようとしていく過程」それ自体を「学習の過程」と捉えて生まれた
ようにも思います。

そんな本書の趣旨とは少し異なることを考えてしまった序章でした。

◯大学生が読むくらいの本?

「大学生が卒論を書く時に読んでおくと良いだろうなぁ」

というのが率直な感想です。

自分が初めて卒業論文を書いたときのことを思い出してみると、こういう本があったらよかったなぁと思いました。

どちらかというと、論文の書き方のノウハウを解く本というよりは、探究活動に向けた"心構え”を解く本かと思います。

教職大学院に来て、自分も再び研究を始めるという現在、少しアバウトではありますが、なんとなく見通しを持つのに役立ちました。

◯本書の対象は中高生

本書のタイトルは、『中高生のための「探究学習」入門』です。

読みながら冷静に考えた時に、その事実に驚かされました。

自分は「卒論」とかをイメージして読んでしまったところではありますが、
世間では、それと同等のことが"中高生に求められている”ということです。

果たして中高生が本書を読んでどこまで理解して実行できるのか、という問題はさておき、

こうした「探究活動」が中高生に求められているという事実は、改めて考えると衝撃的でした。

10年以上前の自分の価値観から脱却できていないような感覚でした。

自分の研究の参考にしつつ、中学生に対してもそれを求めていくという、なんとも難しい感じがします。

◯探究し続ける教師がロールモデルになる?

学校で「探究の時間」を設けていくとなると、そのロールモデル的な役割を教師が担うことにもなるように思います。

教職大学院に来て感じたことは、
「教員に、意外に卒業論文など、論文を書いたことがない人が多い」
ということです。

教職大学院の修了事項にも、論文を提出することが必須ではないところもあります。

そう考えた時に、教員がどう指導するのか、ということは思った以上に難しいことのようにも思います。

「学び続ける教師」
とはよく言われますが、もはや求められるのは
「探究し続ける教師」
なのかもしれない、と考えてみた次第です。

自分も生徒の探究的な学びには非常に興味があります。

その支援体制に向けて、いろいろと考えさせられる1冊でした。


そんなことを考えました!

比較的出版されてから間も無い本書かと思います。
ブームに乗っかって、知識と感覚をアップデートすることができたように思い、満足感のある1冊でした。

ありがとうございました!


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