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外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術

【今日の読書旅】Day 134

外資系コンサルが教える
読書を仕事につなげる技術
山口 周 著 KADOKAWA 2015年


MBAに行かず、独学だけで外資系に転職。山口周さんの読書論。


❶[3セレクト]

①仕事につながるかは「読んだ後」が勝負


読書を通じた独学において何が知的生産生を分けるのか?


読書を通じて知識を得るというのは、シェフが食材を仕入れるようなもの。仕入れた食材をそのまま顧客に出さないように、知的生産に従事するビジネスパーソンも、様々な本から得た知識を貯蔵し、文脈に応じてそれらを組み合わせることで知的成果を生み出すことが求められる。

「読書はそれなりにしているのに、いまひとつ仕事につなげられない」という人は、「仕入れの量」に問題があるのではなく、「仕入れた後」、すなわち情報の整理・貯蔵の仕方、仕事の文脈に合わせて情報を組み合わせる力に問題がある。

「読む量」よりも「読んだ後」が問題。


②成果を出すには「2種類の読書」が必要


ビジネスパーソンが継続的に高い知的生産性をあげるためには、2種類の読書が必要。

ビジネス書の名著をしっかり読む(ビジネスパーソンとしての基礎体力をつくるための読書)・・規定演技
リベラルアーツ=教養に関連する本を読む(ビジネスパーソンとしての個性を形成するための読書)・・自由演技


2種類の読書をすることで、初めて「その人らしい知的成果物」を生み出すことができるようになる


③読書は「株式投資」と考える


読書は、消費ではなく「投資行為」と考えるべき。

読みかけの本を途中で捨ててしまうのはもっとないと感じるのは、読書という行為を消費と考えているため。

「せっかく買ったから全部読もう」はコストのムダ。

読書を投資行為と考えた場合、最も大きなコストになっているのは「自分の時間」。読書というのは、自分の時間を投資して、それによって何らかの理できを回収するという投資行為にほかならない。

全部読まなければもったいない、という人は、希少な資源をムダにしている。財務会計でいうサンクコスト。

読書という行為は、自分の時間といくばくかのお金を投資することで人生における豊さを回収するという行為。

カギになるのは、投入する時間と得られる豊さのバランス。


+1:情報のイケスをつくる(忘れても良い「仕組み」)


有益な本も、「読みっぱなし」では仕事につながらない。知識を仕事の成果につなげるため必要なのは、「抽象化」。抽象化できないのは、ただの物知り。
リベラルアーツの読書で得られる「知識」は、ビジネス書で得られる知識とは違い、そのままビジネスの世界に活用することはできない。

「生きた知恵」に転換するには、「抽象化」が必要。

経済界ではこれを「モデル化する」という。

モデルとは、本質的なものだけを強調して抜き出し、あとは捨てる作業。リベラルアーツ系の本は、ビジネス書と違い、仕入れてから10年後、20年後に何らかの情報と組み合わされて客に出されることになるかもしれない。

スティーブ・ジョブスは、初代マッキントッシュを開発する際には、大学で目的もなく学んだカリグラフィーの授業が役に立っている。

リベラルアーツ関連の読書は、いつ、どこで、どのように役立つかわからない。だから、頭の中の冷蔵庫に貯蔵していくアプローチは効率が悪い。そのため、魚(情報)を泳がせるイケスを作ると良い。著者はエバーノートでの貯蔵をすすめている。


❷[マイエピソード]

 
リベラルアーツ系読書とビジネス書読書の”出力のタイミング”が大変勉強になりました。全ての本において、抽象化を試みていたので、すぐ使うものにおいては、わざわざ抽象化する必要がないのかもしれないというのが新しい気づきでした。埋没時間に気づくことができました!


❸[今日からのアクション]


以前、塚本亮さん(↓)も、山口周さんと同じく「情報のイケス」的な情報管理法を推奨していました。リベラルアーツ系に絞って、イケスを作る。

ブログ記事執筆者について

個人がハイパフォーマンスを発揮できる「心と身体の造り方」や「学びの効率化」「読書コーチング」など、個人の生活やビジネスの生産性を上げるサポートや講座を開催しています。


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