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Day222 「世界のマーケターは、今何を考えているのか?」

【本について】

タイトル:世界のマーケターは、今何を考えているのか?


著者:廣田周作
出版社:インブレス

【WHY】問題提起


・SNSを通じて企業のふるまいそのものが、消費者から見えるようになり、マーケターが考えるべき対象は、「市場・経済」だけではなくなり、単に消費者のニーズを満たしていれば売れるというわけにはいかなくなっている。

透明性が求められている。複雑で難しい時代に、マーケティングは何ができるのか?これからマーケターは何をすべきなのか?真剣に考えなくてはいけない。

・明日の売り上げのために燃え尽き症候群になっているマーケターがいる。それは、「もっと速く」が求められているからだ。それは本当に必要なことなのだろうか?パーパスを持たないマーケターがデジタルのスキルだけを身につけたとしても、そこにやりがいは感じられない

・マーケティング用語で語る人ほど、マーケティングから遠ざかっているように見える。多様性が重要視され、「平均」「総合」のニーズは著しく減っている。結果、平均的なみんなを想定するマスマーケティングの発想からは、深く共感を導くことが難しくなっている。一方で、伝統にとらわれないものが指示される。

・メディアやブランドが勝手に決めた価値観に、人によっては違和感を感じはじめている。

・マスニッチが支持されている。一見、ニッチなインサイトでしかないけれど、掘り下げてみると、多くの人からも共感をえらえるという意味で、マスニッチが求められる。


・多様に見えて、多数なだけの罠にハマっていないか?
インフルエンサーや評判を買うという発想が危険。最大化を目標にして、多数性の論理にからめ捕られている。

・誰もが起業家になれる時代だが・・プラットフォームが整備されるほど、その上に乗っかってくるコンテンツが、プラットフォームに引っ張られ、似通ってくる問題が起こっている。ビジネスツールに最適化された似たようなコンテンツが量産されている。バズったものを真似する人の増加。


・日本企業は、「未来」を約束するのが苦手な傾向にある。パーパスやビジョンが曖昧な会社が多い。
もっと解像度の高い青写真が必要。

・SDGsへの問題提起

基準を満たすこと自体が目的化してしまうと、ブランドとしてのストーリーに魅力がでない。その会社ならではのユニークな視点や個性が重要。SDGsは正しさのひとつの審査基準になっても、魅力の基準になるわけではない。似たり寄ったりになるだけ。

【WHAT】


・マーケットの変化・・買い物は投票


・マーケティング・マーケターに求めれるもの

●姿勢
・勝ち抜くマーケティングではなく、価値を残すマーケティング
・未来への約束を守る・・顧客に対してプロモーションするだけではなく、一緒に学び、成長していく関係を作る
・買わせるのではなく、業界に関心を持ってもらう
・奇をてらった必殺マーケティングではなく、真っ向勝負で、深く環境に貢献したり、ブランドとしてのリアルな姿を見せたりする姿勢が求められている

●スキル
・独り占めの強さから、耳を傾ける優しさへ
・信念と勇気と優しさが支持される時代
・弱さや傷つきやすさに深く共感できること

●視点
・プロモーションよりエデュケーションを
・一緒に学び、成長していく関係(お客さんと何を一緒に学んでいけばいいか考える)
・顧客に豊かになってもらう視点
・ダイバーシティ・ウェルネス・サスティナビリティに目を向ける

●世界のマーケターが考えていいること
・マーケターが考えるべき対象は、「市場・経済」だけではなくなっている
・環境、社会的包摂、教育、メンタルヘルス
・ソーシャルがマーケティングに先立つ・・自分たちが楽しくクリエイティブな発信ができているのは、社会や環境が成り立っているからだという思考の転換(外部と繋がりを持つ)

●ブランドを形作るもの
・ナラティブ
・ストーリーテリング
・マニフェスト

・情報と物語の違い
ー物語には、人々の理解を深め、納得性を高め、共感させる効果がある
ー物語には時間軸があるので、私たちはどこから来て、どこにいるのか、またどこへ向かうのか明確にする作用がある
ー「こういう取り組みをしているブランド」と誰かに言えることが大事

・プロセス
ー認知度ではなく、社会や環境に対してどのような取り組みを行っているのかという「ファクト」と、それに基づいた「ブランド・プロミス」が大事
ー有名かどうかではなく、生き生きとしたコミュニティの感覚があるか

・一貫性
・約束への本気度や実現度


・共感

・事実を確認したコンテンツを提供し、信頼を高めていくことの必要性


・安心できる居場所の提供


カルチャーの必要性(企業→顧客❌ 企業→カルチャー→ファン


【WHAT IF】

マーケットの支持を得ているブランド取り組み


●Fenty:アーティストのリアーナが立ち上げたブランド

「Beauty for all」
・技術力や商品ラインナップだけではなく、お客さんと向き合う姿勢や、振る舞い、「世の中を本気で変えていこう」とする勇気(真似しても真似できない部分)

●Refinery29
「トレンド」を押し付けるのではなく、「対話して、価値観を引き出す」アプローチで成功
「みんなはどう思う?」で対話を活性化
ユーザーが主人公、ブランドはサポート側へ

●NIKE
オープンイノベーション
さまざまな企業とのアライアンス

「MOVE TO ZERO」循環型ビジネスモデル、再生可能なエネルギーで運営
・履き終えたスニーカーのリサイクルプログラム
・物語を示すことで、ナイキは環境問題へのアクションをとり続けるだろうという期待値を高めている

●パダゴニア
「自分たちのプロダクトを買わないでください」
セールだからといって、なんとなく洋服を買うのは、環境にとって良くないので、吟味して買うように(メッセージ)


【HOW】


・未来を語る
未来をいかに語れるかこそ、今、世界のマーケターが取り組むべきミッションでこれからのマーケティングの大きなテーマ

・人の心の動きに敏感に(インサイト)
どういう声を聞き取るかが問われる
特異点を見つける

・マーケターはまずは自分の心に水をやるのを忘れてはいけない
横の旅行ではなく、縦の旅行を

人の気持ちに気が付くためには、まずは自分の心が動いている状態=感受性が必要


【響いたメッセージ】

・マーケターは「未来への約束を守れるか?」
・「みんなが欲しい何かがある」という考え自体が幻想
・一人のインサイトを掘り下げた先に共感は生まれる
・「どうしたら良くなるのか」を思考停止せずに考え、行動し続けることが重要
・社会的なイシューに対するアプローチは、マーケティングの味付けなんかでは決してなく、これからの私たちを取り組む環境、大元、土台の問題に関わることを忘れてはいけない
・クリエイティブは、違う視点を混ぜることにヒントがある
・頭でっかちもだめ、現場しか知らないのもだめ
・あなたのブランドは、ハートを強く持ってそれをやってるんだっけ?
・扱っているプロダクトの売り上げが成り立っている条件、市場が存立するための条件そのものに向けて、深い問いを立ててみることが大事
・面倒だけどそこから考えないとバーンアウトする
・目の前にKPIをぶら下げて周りが見えなくなってる人が多い
・顔をあげて、ちゃんと考える時間をもち、仕事のアウトカムをきちんと明確にする。パーパスをきちんと設定する
・前傾姿勢で猫背になっている大勢を治して、顔をあげ、胸を張って、深呼吸してみることが大事
顔を上げることで、初めてお客さんの顔も見えてくる

・売り上げを達成するという目標に生身の人間関係が伴ってくる
・大きな話も、まずは小さな共感や驚嘆からはじまる
・横の旅行ではなく縦の旅行を
自分の近くに住んでいる人でさえ、私たちとは全く違う世界に住んでいることがあり、そういう人たちのことこそ知るべき(カズオ・イシグロ)
・明日を粘り強く変えていく
・燃え尽きている場合ではなく、さぁ一緒に、足元の畑を耕すことから始めよう
・弱さに素直になることがこれからの強さ


【アクション】

ブランドも、個人も私たちは「生身の人間」を相手にしていることを忘れてはいけない。数字やトレンドを追い求めて、”みんな同じ”になっていくだけでは、社会はちっとも良くならない。パーパスがなく、多数を追い求めたり、売り上げ至上主義では、誰のためにもならない。お金が動いているだけ。価値観や”良い”商品の押し売りでは、今後生き残れない。徹底的に消費者のインサイトを汲み取り、ともに創り上げていく姿勢が求められる。私たちのありのままを見せて、真摯にビジネスしていくことで、ブランドが出来上がり、ファンが増えていくと思う。ものを売るだけの時代から、人や環境の癒しとなれる存在への転換。よりはやく転換できたもの勝ちだな。

ビジョン、パーパスを明確にし、一貫したメッセージを配信していく。

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このnoteを書いている人↓(向かって右)

水野2


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