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夏のペンシルバニア、ミルフォードの旅

どこにも行く予定がなかった
この夏

学校とバイトで忙しくしている娘とBF君に誘われてミルフォードに行って来た。

ポコノ山脈の麓にあり、デラウェア川を境に、ニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルバニアが隣り合う
人口1000人の小さな町。

田舎でありながら保養地として歴代大統領も訪れていたと言う歴史がある。

初日は川下りの予約していたので、娘達は家から水着を着用して準備万端、そのままキャンプ場に直行した。

ラフティング、カヌー、カヤック、3時間、6時間コース、経験者用の急流、初心者コースと色々分かれている。娘はラフティング希望だったけど3名からなので、カヌー3時間のなだらかコースにした。娘の彼は高校生の時にローイングの選手だったから何かあっても大丈夫なはず、安心してゆっくりミルフォードの町を散策することに。

デラウェア川
ウォーキングトレイル
キャンプ場

この日は曇り空だけど湿度が高くムンムンしていたから
「暑さで参って無いかな。ボトル1本の水で足りてるかしら...。」と、いつもの様に最悪の状態を想像しながら、時計を見ると2時間が経っていた。

そこで、2人からこんな連絡が入る。
「到着場所を通り過ぎたかも知れない。」

「えー!フィラデルフィアまで流されたら困るよ。今どこらへん?」

これは予想もしていなかった!

水没させる事を恐れてギリギリまで「スマホは持って行くな。」と言っていたけど、必要だと頑張った彼に心から感謝。

慌ててキャンプ場に戻って受付で聞いてみたら「雨の影響で水量があるから予定よりは早いだろうけど、まだ1時間はかかるはず」と聞いて一安心。

「橋を2箇所通り過ぎたらドックがある」としか聞かされていなかったらしいから、目印がないとそりゃパニックになるなと思いながらドックに行って見ると、ちゃんとカヌーを積んだバンが待っていてくれていた。
暑さとは違う変な汗をかきながら待っていると、1時間ではなく30分後に帰って来てやれやれ。

そのままホテルに直行しチェックインをすませると、もう疲れて動けなくなってしまった。2人はシャワーしてディナーに出かけたから、徒歩でレストランやカフェのあるダウンタウンに泊まることにして良かった。

******

泊まったホテルは
「ホテル・フォーケア(Hotel Fauchere)」

では無くて、少しリーズナブルな
「Tom Quick Inn」
グループホテルなのでチェックインや朝食も「ホテル・フォーケア」で出来る。

Tom Quick Inn

チェックイン時にホテルの説明をしていただきながら、チャップリンやルーズベルト、ケネディも宿泊されたことのあるこのホテルの当時はどんな時代だったのかな、と妄想が膨らんだ。

NYのDelmonico's Restaurantでマスターシェフをしていたルイ・フォーシェール
が1852年に設立したホテル。写真はゲストとして滞在された方々。
Hotel Fauchere
クララと名前のついた写真。歴代大統領の誰かのワンコだったらしいけれど分からないそう。気になる〜
裏庭
小さな町の小さなホテル。
翌日のホテルの朝食。このキッシュがふわふわでチーズのこくがありとにかく美味しかった。
ヨーグルトも手作りで濃厚
Delish
静かな空間でゆっくりといただけて幸せな時間。

このホテル(Hotel Fauchere)が気に入った理由のひとつは、ドアを開けた瞬間からハーブの良い香りがすること。良い気が流れているのかリラックス出来る。香りって大切。

そして、決して種類の多くない、一瞬「これだけ?」と思わせる朝食は、ひと口食べると天井を見上げて
「美味しい...」
と感動してしまった。
「キッシュ...もうひとつ取れば良かった。」でも、この場所ではそれは出来ない。いや、良かったかも、笑。
だって、朝食の料金が含まれているのに娘と彼氏はダイナーでワッフルを食べてるのだから。
ケチケチ主婦は愚痴ってしまう。

朝食を食べ終えたら娘達と街の散策に出かけた。小さな可愛らしいお店が立ち並んで見て歩くだけで楽しくなってくる。ご近所さんのお土産にジャムやハチミツを購入した。

1860年に建てられた製粉所、鍛治屋がカフェになっている「Waterwheel Café, Bakery & Bar」
実際に2階建ての家の高さがある大きな水車が稼働していて圧倒された。

そして、町の直ぐ側にある
グレイタワーズ(Grey Towers)は、中を見学できるツアーにも参加したけど、ちょっと長すぎたかも。でも、ツアーガイドさんはユーモアがありスタンドアップコメディを見てるくらいに面白かった。

グレイタワーズ(Grey Towers)
には、アメリカ林野局(U.S Forest Service)の初代局長とペンシルベニア州知事を二期務めた知事が居を構えたという歴史がある。現在は国定歴史建造物に指定されており、大邸宅と敷地をツアーで巡ることができる。(GoUSA.jpより抜粋)
フィンガーボウルと呼ばれる屋外ダイニングテーブル。左端にある木製の器を浮かべて木の棒で押しながら、お互いに食べ物を渡したそう。
今回の旅も山ゆりがあちらこちらに咲いていて、姉が道しるべになってくれている気がした。

ツアーが推し押しになったけれど、私の旅の目的は滝だ!

ミルフォードの近くには
Raymondskill Falls
Dingmans Falls
Bushkill Falls
と言う3つの滝がある。

この3箇所に行くつもりが、駐車場を検索すると2箇所は5時で駐車場が閉まってしまう。時すでに4時半。

間に合わない...

娘達はさほど興味はなかった様で、時間制限もなく町からも1番近いレイモンズスキル滝に行くことにした。

ミルフォードから車で5分。小さな駐車場が2箇所あり夕方は車も少ない。

山の中に入ると直ぐに滝のザワザワする音が聞こえてきた。
「わぁ、聴こえるね!」
音だけでテンションが上がって来るワクワク。

わんちゃん達も夕方のお散歩中
このオーナーさんは先代犬を亡くして2週間後にこの子達を迎えたそう。
こんな坂道も。
足元に気をつけて〜
滝の音が近づいてきます。
もう少し!
見えてきた!
到着!
滝の音に癒されるー!

到着すると、目の前の滝の音がホールいっぱいに鳴り響くオーケストラの様。
ずっと眺めていられる。

マイナスイオンを浴びながら毎日ハイキングしたら気持ちいいだろうな。心も体も浄化されて癒された。予想以上に素晴らしい滝だった。調べて見るとペンシルベニアの中で1番長い滝らしいから、逆にこの滝だけに行ける事になって良かったのかも知れない。

帰る前にミルフォードに戻って腹ごしらえ。
MARCO POLO PANINI
茄子とパプリカのローストが入ったPANINIがとっても美味しかった。


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帰った翌日は、誕生日だったBF君のお祝い。

21歳
手料理の時間がなかったので、アーミッシュマーケットでバーベキューを購入。柔らかくて美味しい。
パック寿司もそのまま💦

あっという間に夏の終わり。アメリカでは新学期が始まった。

長いようで短い夏休みも、
もうおしまい...
ペンシルバニア民でありながら、この小さな町のことは知らない人が多い。いろいろあったけれど、計画してくれた娘に感謝。

思い出は2度と同じものは作れないけれど、夏はまた来年もやって来る。

少し涼しくなってきた風を感じながら、虫の声に耳を傾けた…。

この国に夏がくる
変わらずの夏がくる

夏と言えば
大江千里さんで「夏渡し」



#夏の写真

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