ちっこい詩のような、ちょっぴりスピが混じった物語のかけらを、佐藤耳オリジナルのスクリプトとして紡いでゆきます。これを読んでくださった方が元気になったり、わずかでも慰められたらいい…
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#自由詩
夜明けの梟(ふくろう)を恋のキューピッドに
魂を奪われた少年なんだ、と、夜明けにやってきた梟が、わたしに囁きかけます。
瞳は美しいガラスでできている代償に、少年のみる色彩には音楽も、感情すらもない。
でも凍てついた氷の宮殿での生活に、ほかならぬ彼自身が傷ついているのでした。
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五歳で亡くなった弟が少年の魂を奪いさったのだ、と告げる梟。
旅立ちの日にさみしすぎるから、兄の希望のすべてを根こそぎ奪って行ったのだ、と。
魂の奪還をしなくては、と
涙になったウイッチドクター
あのころ、女の子だったわたしは、魔術的な力をふるう、お医者さまでした。
川の波立つまぶしさからは吉兆を、慰めは雨の涼しさから譲り受け、
青を制覇する雲の白さをうらなっては、小鳥やモンシロチョウを癒します。
わたしは、海からやってきた人魚。水を静かに慕い、占い、ひんやりと操ることができました。
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あろうことか、そんなわたしが病気に罹ったのは、はじめて人の病を癒そうとしたから。
恋する少年の苦しみを