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常設展示室 / 原田マハ さん

やはり、原田さんの書くお話はいつも引き込まれていきます。
今回も6話しっかりと。(^^)

常設展示室 / 原田マハ さん (新潮社)

6話の短編集。
ピカソ、フェルメール、ラファエロ、ゴッホ、マティス…
どの話も絵画に触れていて、一つずつ作品を調べながら読み進めました。


私的好みは、

  1. 第3話のマドンナ
    だんだんと弱っていく母と、仕事で海外を飛び回るあおい。
    どこかで経験したことがあるような親子のやりとりがあり、私自身と重ねる場面も。
    まだ、親が今まで私にしてくれたことのありがたみが分からなかった年齢の時。その頃を思い出しました。
    ラファエロの「大公の聖母」をみつけたときのあおいの心情を思うと、グッとくるものが。
    私自身、家族との関わり方、もっと頻繁に連絡をとり向き合わないと。
    とも感じるお話でした。

  2. 第6話の道
    海外で近代美術を学び、大学院で博士号を取得。
    美術評論家として海外で活躍の中、日本の大学教授として呼び戻された翠。
    新人芸術家の登竜門とされる「日本新発表会」の審査員を任される。
    そこで翠が出会った1つの絵から思い出される過去の話。
    何事もこなす翠とは反面の幼い時の記憶。

私にも、もう2度と会えないだろうと思う人がいます。
どこに居て、何をしているかも分かりませんが、何かをきっかけにまた再開できるといいなと思いたくなりました。
そして、いつも人は見た目によらないと思いますが、この話でも強く感じる部分がありました。
外見だけでなく、実際に話してみないと分からない部分も沢山あると思います。


1つの本から、こんなにも色々な感情を湧きおこしてくれたこの本はずっと大切に扱っていきたいと思います。
原田さん、素晴らしい物語をありがとうございます。

皆さまも読了されてください。(^^)


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