ササキリ ユウイチ

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川柳試論-暮田真名を読む【柳論】

句集『ふりょの星』刊行を記念して  暮田真名の第一句集『補遺』(私家版)の最初のページにあるこの句に翻弄されながら、連想の限りを尽くす一句評。第一句集の最初の…

川柳句会ビー面 2024年4月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。 春って躍るわたしの島かぴかぴゆるしえないくちびる 芥場の条件…

川柳句会ビー面 2024年3月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。 燃え盛るみらいてんでんこ鬼ごっこ あくりょくをきたえつづけて…

川柳句会ビー面 2024年2月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。 おじゃる丸。過払いだっピ。返すっピ。 少年の素振りに据えてゆ…

【句会報】生榊句会、於:京都、泥書房、2024/1/13

2024年1月13日土曜日 「生榊(生きている榊陽子に会いましょう)句会」 於:京都、泥書房 参加者:榊陽子、兵頭全郎、まつりぺきん、中山奈々、山本伊等、小野寺里…

川柳句会ビー面 2024年1月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。 ビー玉に教えを乞うたお辞儀です じょわじょわの口のまんまで観…

川柳句会ビー面 2023年12月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。 はんたいはんたいあなたのはんたいへん 空港を減らしても眠れな…

2023年のササキリを概観せよ

2023年回顧 2月。このnoteアカウントでも公開している、私ササキリが催している川柳句会ビー面(川柳のオンライン上での互評句会、選評を全公開していることを特徴と…

『飽くなき予報』のあとがき【あとがき、予備知識】

予報が貴方に意識させる光景は、蓋然性が加わった未来の光景だ。このばあい、蓋然性の大小についてが気にかけられることはあまりない。素朴な、思慮の足りない、短絡的で、…

川柳句会ビー面 2023年11月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。 人生のそとがわに待つおまんじゅう 人生のそとがわとなると死後…

川柳句会ビー面 2023年10月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。 笑ってる葬儀屋の目が番茄の花  トマト、なのか……。しかも花…

川柳四〇句 アセファルは頭でっかちだったとか+制作ノート【BFC5落選作品】

制作ノート2023/11 ブンゲイファイトクラブ5に応募してみたが、落選。 応募作品においては、システム(投げやり、偶然)と偏愛とをほどよく織り交ぜたのだが、再現性が高…

【文学フリマ東京37,S-22】新刊:『飽くなき予報』(第二川柳句集)を売ります【「現代川柳のササキリユウイチ】

文学フリマ東京37 11月11日土曜日 「現代川柳のササキリユウイチ」 第一展示場S-22 【新刊】 『飽くなき予報』(第二川柳句集) 栞文/嘔吐彗星・暮田真名 巻末解説/よう…

マジック、クラブセキュリティ、フォント規定、べつの星のかまいたち―暮田真名の川柳句会こんとん、の句を読んだ―

 アバンチュールは、アベックとは別の死に方をした。アベックは、カップルに立場をとられてしまっただけなんだけど。アバンチュールって、私や暮田氏が、もう中学生のとき…

【渇きのササキリ、湿りのやは】ササキリユウイチ×林やは「葉火句会Ver.12世界最強川柳タッグ決定いちご摘み句会のまとめ」全92…

林やはさんと川柳のいちご摘みをした全92句を公開します。さらに、本作品を作り終えたあとの談話を公開します。 渇きのササキリ、湿りのやは ササキリ: 結局のところ、…

川柳句会ビー面 2023年9月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。 街中にちらばる七味唐辛子 ありがとう、川柳のテロリズム。川柳…

川柳試論-暮田真名を読む【柳論】

川柳試論-暮田真名を読む【柳論】


句集『ふりょの星』刊行を記念して

 暮田真名の第一句集『補遺』(私家版)の最初のページにあるこの句に翻弄されながら、連想の限りを尽くす一句評。第一句集の最初の句、この特別な句に評を捧げよう。
 にしては長く、もはや一句評というのは仮面でしかなく、おそらく別の顔がある。暮田真名論か、あるいは一般の川柳に通ずる柳論か。果てしない注釈か。何はともあれ、川柳を愛するものとして、また応答する側も奇行に及

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川柳句会ビー面 2024年4月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。

春って躍るわたしの島かぴかぴゆるしえないくちびる

芥場の条件に鏡花を付せば

なけなしの遺跡を持って帰りたい

時代のうねりで米を研ぐ

どうしても主任の子機を使いたい

白波の最初のゆらぎを語り継ぐ

警察が来て野球部に当たりだす

どこまでも一人の同じ屋根の下

ひとつの鏡ふたつの薊

返せ

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川柳句会ビー面 2024年3月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。

燃え盛るみらいてんでんこ鬼ごっこ

あくりょくをきたえつづけて占い師

二十指のスルメ化現象待ったなし

枯れ草のレク係ならとんそうす

おばけには見えるあなたも泣いている

    を透明と呼ぶ日のミシン

訓読はんこみつばち由来

募金箱は透けている僕が喉を鳴らす

わたしに見えるあなたに黒を

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川柳句会ビー面 2024年2月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。

おじゃる丸。過払いだっピ。返すっピ。

少年の素振りに据えてゆく頭

双絲の先で狐に当たる

雪舟とイソジンが闘った橋

ピースオブマイハートにも生きる罪

青色の魚の素を入れましょう

募集 河童は物だ質量だ

奈良の鹿は火を忘れない

いつだってソーラン節でお湯わかす

まともな日の自分km/

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【句会報】生榊句会、於:京都、泥書房、2024/1/13

【句会報】生榊句会、於:京都、泥書房、2024/1/13

2024年1月13日土曜日
「生榊(生きている榊陽子に会いましょう)句会」
於:京都、泥書房
参加者:榊陽子、兵頭全郎、まつりぺきん、中山奈々、山本伊等、小野寺里穂、西脇祥貴、ササキリユウイチ

題「誓い(画鋲の口移し)/榊陽子」

新しいポッキー様式
 /まつりぺきん 1点
コーラスは優しく思い出の死刑
 /榊陽子 2点
ウエディングケーキの護符を剥がせない
 /兵頭全郎 1点
ミロのヴィーナス

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川柳句会ビー面 2024年1月

川柳句会ビー面 2024年1月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。

ビー玉に教えを乞うたお辞儀です

じょわじょわの口のまんまで観覧車

スレとズレ隙間を縫って泳ぐ地図

3分後カップ麺は空を知る

静脈の柱がトルマリンブルー

信号のナットはちょうど鰤に似て

重なった家家あいつよりかぶく

亻で桃の缶詰め開いた夜

せえので動く 生きてるならば

ぼくたちはひ

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川柳句会ビー面 2023年12月

川柳句会ビー面 2023年12月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。

はんたいはんたいあなたのはんたいへん

空港を減らしても眠れない夜

ミナミコアリクイに背中を掻いてほしい時もあるし

つけおきで誕生日がぶれる

胸元に蛸がしまってある喪服

同じ動きと と ととと フレーム外  へ

どなたにも固結び固結び。いいね。

昼なのに砂で作った電車がいくよ

胃袋を

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2023年のササキリを概観せよ

2023年回顧

2月。このnoteアカウントでも公開している、私ササキリが催している川柳句会ビー面(川柳のオンライン上での互評句会、選評を全公開していることを特徴としている。読むと、川柳が読める)は、22年1月から始めた。2023年のはじまりは、川柳句会ビー面の2年目のスタートだった。「【簡単】川柳の場のつくりかた【レシピ】」では、川柳をつくる西脇祥貴氏(川柳句会ビー面の初期メンバーでもある)と

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『飽くなき予報』のあとがき【あとがき、予備知識】

『飽くなき予報』のあとがき【あとがき、予備知識】

予報が貴方に意識させる光景は、蓋然性が加わった未来の光景だ。このばあい、蓋然性の大小についてが気にかけられることはあまりない。素朴な、思慮の足りない、短絡的で、愚かなプロセスによって出力された蓋然性であってもかまわない。蓋然性は、あたえられるかどうかの二者択一であってもいい。光景はすでに事後的。筆記が貴方に賜予する光景も事後的に報じられている。命名も改名も襲名も予め排除しておいた。寵愛のなかで栄え

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川柳句会ビー面 2023年11月

川柳句会ビー面 2023年11月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。

人生のそとがわに待つおまんじゅう 人生のそとがわとなると死後と生まれる前とある。「待つ」という言葉から死後の気がしてくる。死後に待つおまんじゅう。なんだか大きい気がしてくる。ハッピーだ。
──────スズキ皐月
 「人生のそとがわ」というちょうどよい詩性、そこで待ち構える「おまんじゅう」という存在

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川柳句会ビー面 2023年10月

川柳句会ビー面 2023年10月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。

笑ってる葬儀屋の目が番茄の花

 トマト、なのか……。しかも花。番茄、でなくトマトの表記でもそれなりにおもしろいのに、番茄を選んだことでくさかんむりが葬儀の葬と対応、さらに妙な印象をうんでいます。が、番茄にしたことで読みやすさが下がったこともたしか。トマトの時点でそれなりにいいから、この点はちょっ

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川柳四〇句 アセファルは頭でっかちだったとか+制作ノート【BFC5落選作品】

川柳四〇句 アセファルは頭でっかちだったとか+制作ノート【BFC5落選作品】

制作ノート2023/11

ブンゲイファイトクラブ5に応募してみたが、落選。
応募作品においては、システム(投げやり、偶然)と偏愛とをほどよく織り交ぜたのだが、再現性が高そうな方法になりうるだろうと感じたので、記録を残しうるし、残すかどうか迷った。

私は、偏愛する三音の二字熟語を40個だけ選んだ。
私は、偏愛する二字熟語を修飾する四音の言葉を40個だけ選んだ。概ね五十音の前半から選んだ。
三音と

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【文学フリマ東京37,S-22】新刊:『飽くなき予報』(第二川柳句集)を売ります【「現代川柳のササキリユウイチ】

【文学フリマ東京37,S-22】新刊:『飽くなき予報』(第二川柳句集)を売ります【「現代川柳のササキリユウイチ】

文学フリマ東京37
11月11日土曜日
「現代川柳のササキリユウイチ」
第一展示場S-22
【新刊】
『飽くなき予報』(第二川柳句集)
栞文/嘔吐彗星・暮田真名 巻末解説/ようなの
1500円

表紙イラストは、前作『馬場にオムライス』と同様、微温湯によるもの。上目使いにすると大変よいです。

『飽くなき予報』の章タイトルは以下の通り。表紙イラストと書影とが公開されたので。

1.切込
2.漂流

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マジック、クラブセキュリティ、フォント規定、べつの星のかまいたち―暮田真名の川柳句会こんとん、の句を読んだ―

 アバンチュールは、アベックとは別の死に方をした。アベックは、カップルに立場をとられてしまっただけなんだけど。アバンチュールって、私や暮田氏が、もう中学生のときにはすでにただのリズムになっていたはずだよね。意味はよくわからないし、どうでもいいし、あらま飛んでったってだけ。
 だからこうして出会い直して、少しはアバンチュールについて考えられる質と量は変わったんだけど、それから、調べるための知的体力だ

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【渇きのササキリ、湿りのやは】ササキリユウイチ×林やは「葉火句会Ver.12世界最強川柳タッグ決定いちご摘み句会のまとめ」全92句

【渇きのササキリ、湿りのやは】ササキリユウイチ×林やは「葉火句会Ver.12世界最強川柳タッグ決定いちご摘み句会のまとめ」全92句

林やはさんと川柳のいちご摘みをした全92句を公開します。さらに、本作品を作り終えたあとの談話を公開します。

渇きのササキリ、湿りのやは

ササキリ:
結局のところ、我々は23句の摘み、摘まれをしたわけです。まずは、この作業のつらかったところ、たのしかったところを振り返りたい。とはいえ、まずは具体的な質問を投げてみます。やはさん、いい摘み方をしたものは、と聞かれてまず初めに話したくなるのはどれでし

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川柳句会ビー面 2023年9月

川柳句会ビー面 2023年9月

匿名互評の川柳句会の選評と投句一覧。目次に無記名の句一覧があるため、無記名句一覧の仮想体験も可能。

街中にちらばる七味唐辛子 ありがとう、川柳のテロリズム。川柳はテロの光景を描き出すことを得意としている。だけど、例えば「経済産業省へ実朝の首持参する/飯田良祐」はもっと過激。この街中の句は、ささやかに攻めている。何か不可解なことが起きている。春樹の『海辺のカフカ』で雑魚が空から降ってくるあの感じと

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