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筋トレのコツ13:運動神経の「良い・悪い」について考える

この記事では筋トレを続けていく上で重要になるコツの中でも、『運動神経の「良い・悪い」』についてまとめています。


そもそも「運動神経」とは?

脳から発せられた命令は、電気信号として神経を通り、それが最終的に筋肉へと伝わる事で、その筋肉が収縮します。また筋肉が収縮する事で、腱を通じて骨が引っ張られ、肩や膝などの関節を動かす事ができます。そのように筋肉を意識的に動かす際に働く神経の総称が「運動神経」です。

一方、複数の筋肉を同時に、あるいは順番に収縮させるような複雑な動作を行う場合、全ての筋肉を個別に意識して収縮させる訳ではなく、実は「小脳(大脳の下の後方)」や「大脳基底核(大脳の中心付近)」などが統合的に判断し、瞬時に調節する事で各筋肉を収縮させています。

例えば「直立二足歩行」という運動は、我々人間からすれば簡単な運動ですが、一つ一つの筋肉の収縮を意識的に分割して行ってみると、実際にはかなり複雑な運動をしている事が分かります。

しかし普段歩く時には、そうして右足を前へ出して、左足を前へ出して・・・といちいち意識せずとも、自然に足が交互に動きます。それはそのように脳が自動的に調節してくれているからです。久し振りに自転車に乗ったりプールで泳いだりできるのも同じ理由です。

つまり日常的に行う動作ほど、経験・記憶・感覚などを元にして、本能的に体を動かす事になります。俗に言われる「体で覚える」とはこの事であり、それによっては「頭で考えてから体を動かす」よりも素早く、かつ正確に体を動かす事ができます。このように無意識(完全な無意識ではないが)に筋肉を動かす事ができるのも、運動神経の重要な機能の一つです。

ちなみに例えば胃や腸などの臓器にある筋肉を動かすのも、実は運動神経の持つ機能の一つです。特に臓器は腕や足などとは違って、全て自律神経によって自動化されているため、自分の意志で動かす事はできません。

しかし例えば「ストレスを感じた時にお腹が緩くなる」という事があると思いますが、実は脳の中では接している部分があるため、臓器の活動は、その時々の感情や環境の変化による影響を受ける事があります。すなわち臓器の活動自体は直接的には意識できませんが、生活習慣などによって間接的にはコントロールする事ができるのです。


「運動神経が良い」とはどういう事か

例えば過去に行った事のない「初めての運動」を行う場合、大抵の人では、まず過去に行った事のある運動の中から、「似ている動作」を探し出して、それを上手く組み合わせて、最初はそれだけで何とか対応しようとします。

しかし複雑な動作になればなるほど、単に過去に行った事のある運動を組み合わせるだけでは、いずれ対応できなくなってしまいます。そこで、そうして過去の運動を組み合わせた後、自分なりにアレンジし、各動作を修正していく必要があります。

特に「上手い人の動作を真似る能力」が高い場合、動作を修正→実践→修正→実践・・・という過程による上達のスピードが非常に早くなります。それによって普段から意識的な運動を行っていない人からすれば、「初めての運動でもその場ですぐにできる」ように見えます。それが「運動神経が良い」という事です。

またそうして真似→修正→実践→真似→修正→実践・・・と繰り返す事では、行う事のできるスポーツの種類もどんどん増えていきます。そのため結果として、一度経験した事のあるスポーツであれば、何でもできるようになります。これによって「スポーツ万能」とも呼ばれるようになります。


新しい技術を習得する際には「過程」が重要

効率良く技術を習得するためには、例えば有名なスポーツ選手など上手い人の映像を何度も見て、「その映像を見ていない時」でも、頭の中で具体的なイメージできるようになるまで深く記憶し、その真似をして実践し、上手くできなければ修正して再び実践・・・と、それをひたすら繰り返す事が重要になります。これはスポーツ以外でも同じです。

特に「運動神経が良い」と言われるような人の場合、そのような「段階を経て技術を習得する」という事を、小さい頃から繰り返しています。つまり「新しい技術を習得する」という事に慣れており、今まで行った事がない新しい事を覚える際にも、その習得効率が非常に良いのです。だからこそ周囲よりも上達するのが早い訳です。

また「運動神経が良い」と言われるような人であっても、初めて行う運動の場合、頭の中ではまず「ゆっくりとした動作をイメージ」する事が多いです。つまり最初から素早い動作ができる訳ではないのです。そうして一旦ゆっくりとした動作をイメージした後、自分の体を使って実践、そして実践する度に修正し、再び実践、再び修正・・・と、それを繰り返す度に、少しずつ動作スピードを早めている訳です。

一方、それと比べ、普段から運動を行っていない人が、いざ新しく何かの運動を行おうとした場合、そのような段階を経ずに、とにかく「体を素早く動かす」という事で頭がいっぱいになってしまいます。具体的にどのように体を動かしたら良いかが分からない状態で、いくら素早く体を動かそうとしても、当然体は上手く動いてはくれません。

例えば膝が動いた後に足首を動かす必要がある場合、足首が先に動いてその後に膝が動いてしまったら、その動作は上手くできませんよね。単に「素早く動かす」という事だけを考えて体を動かそうとすると、そのように各部位の順番がデタラメになったり、タイミングがずれたり、あるいは余計な力が入ったりなど、非常に効率の悪い体の動かし方になってしまうのです。

「運動神経が良い・悪い」の大きな差は、このように「過程」が重要だと考えられます。


「運動神経」は生まれつきの要素だけでは決まらない

運動神経の良し・悪しには、

・脳からの命令が素早く発せられる事
・電気信号が素早く神経内を通る事
・神経が細かく枝分かれしている事
・電気信号が神経から筋肉へ素早く伝わる事
・逆に神経からの電気信号が素早くフィードバックされる事

などが大きく関係しています。

特にこれらの中には「神経や筋肉の質」のように「生まれつきの要素」も含まれています。反射的に行う運動ほど素早い神経伝達が必要になるので、遺伝子的に神経や筋肉の質が優れていれば、その際、より素早く電気信号を送る事ができます。よって「運動神経の良し・悪し」には、少なからず生まれつきの要素が関係します。

一方、それらの中には「後天的にも高める事ができる要素」も当然含まれています。例えば神経は使い込む事によって鍛える事ができ、その機能を高める事ができます。成長期に起こる脳の成長(基本構造の確立と容量増大)に関してはまた別ですが、神経自体は年齢に限らず鍛える事ができるのです。

つまり運動神経の良し悪しには、実際には生まれつき以外の要素、すなわち後から行う「努力」も大きく関係しています。

また初めて行う運動を覚えたり、あるいは一度覚えた運動を効率良く上達していくためには、

・過去に行った事のある運動を深く記憶している事
・上手い人の映像を見てそれを真似る事
・頭の中で動作のイメージができる事
・そのイメージを自分の体を使って再現できる事
・新しい技術の習得に貪欲な事
・なるべく多種多様な動作、あるいは状況を経験しておく事

などが大きく関係します。

もちろんこれらにも「生まれつきの要素」は少なからず含まれています。しかし特にこちらには「後天的にも高める事ができる要素」の方が多く含まれています。

特に「運動神経の良し悪し」で大きな問題になるのは、前述したように「技術を習得する際の過程」であり、それは後からいくらでも改善できます。本人が自然とその過程に辿り着けない場合もありますが、それなら周囲の大人が教えてやれば良いだけの話です。つまり環境次第です。

どうしても「運動神経」と聞くと、生まれつきの要素だけで全てが決まってしまうかのような印象があります。しかしいくら遺伝子的に優れた神経を持っていても、その神経は使い続けなければ意味がありません。「生まれつきで決まる」と決めつけ、その後の積み重ねを疎かにする方が、よっぽど運動神経を悪くしてしまうと思います。


「運動神経」には家庭環境も大きく関係する

前述した「神経を鍛える」時期は、早ければ早いほど「基礎」として定着します。

特に脳の基本的な構造及びその大きさは「3~12歳の間」にはほぼ完成すると言われており、この期間の事を俗に「ゴールデンエイジ」と言います。つまりこの期間に「どれだけ複雑で細かな動作を繰り返し行ったか」によって、その後の「神経系の鍛錬の効率」は大きく変わる事になります。

またそれは「運動神経」に限った事ではなく、勉強すなわち「頭の良さ」でも同じ事が言えます。つまりどれだけ早い時期から、どれだけ複雑に脳を使う事ができるかによって、将来的な「運動神経の良さ」や「頭の良さ」が大きく変わる事になる訳です。

尚、これは別の言い方をすると、将来的な運動神経や頭の良さには「幼少期の親による教育」が大きく関係しているという事です。

よく聞く話ですが、例えば「うちの子は運動神経が悪くて鈍臭いから・・・」「うちの子は勉強ができなくて馬鹿だから・・・」「私に似て・・・」という事を言う親がいます。

そもそも自分の子どもに誇りを持てない人に、何らかの「教育」ができるとは到底思えないので、「子どもの顔を見れば親の顔が分かる」という良い例だと思いますが・・・まぁあまり言い過ぎるとあれなのでこのぐらいにしますが、とにかく例え運動や勉強が不得意な親であっても、「親や先生が見ていない所でも、子どもが自ら進んで努力するように導く教育(脳をたくさん使うためには、大人の前だけ脳を使うのではダメという事)」は可能なはずです。個別の指導が難しい学校の先生に、全て丸投げして後で後悔しても遅いのです。

そういう意味では、いくら両親の運動神経あるいは頭が良くても、子どもも同じように運動神経や頭が良くなるとは限りません。ただ逆に、両親の運動神経あるいは頭が良くなくても、教育次第で、その子どもの運動神経や頭を良くする事はできるという事です。

生まれつきだから、遺伝だから、才能がないから・・・などと早期に決めつけ、何もしないまま諦めてしまったら、それは子どもの「人生の選択肢」を狭めるだけではないでしょうか。




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