プロテインを選ぶ際に知っておくべき「原材料による違い」
単に「プロテイン」と言っても、様々な種類のプロテインがあり、特に初心者の場合、「どれを選べば良いのか」「何を基準にして選べば良いのか」という事が分からない人も多いかと思います。
そこでこの記事では「原材料からプロテインを選ぶ方法」についてまとめています。
★そもそもプロテインとは何なのか?
「プロテイン(protein)」は英語です。日本語ではそのまま「蛋白質」という意味になります。
つまりプロテインは単純に「蛋白質を補給するための食品」という事です。
尚、「プロテイン」と言う場合、大抵は「粉末状のもの」、あるいは「その粉末を溶かした飲み物」の事を意味します。
★プロテインのメリットは「蛋白質を補給する」事だけではない
一般的なプロテインは「牛乳」を原材料としており、その牛乳に含まれている蛋白質を濃縮して作られています。
しかし現在の技術でも「蛋白質のみが含まれているプロテイン(粉末全てが蛋白質)」は作る事ができません。つまりこれは別の言い方をすると、「牛乳に含まれている『蛋白質以外の成分』」も多少残されるという事であり、これによってプロテインは「牛乳由来の有効成分」も一緒に摂取する事ができます。
例えば原材料が牛乳の場合、製法にもよりますが、牛乳由来の「ラクトフェリン」や「カルシウム」などのメリットが得られる事になります。
「プロテイン」と言えば「蛋白質を補給する」というメリットしかないように思ってしまいますが、実はこの「原材料由来の有効成分を摂取する」という点も、プロテインによって得られるメリットの一つになっているのです。
★プロテインの原材料は「牛乳」とは限らない
そのように一般的なプロテインは牛乳が原材料です。
一方、プロテインには「牛乳以外の原材料」を使ったものもあります。例えば・・・
・卵(エッグプロテイン)
・大豆(ソイプロテイン)
・豆類(ピープロテイン)
・コメ(ライスプロテイン)
・肉(ビーフプロテイン)
などです。
前述したようにプロテインには、蛋白質だけが含まれている訳ではなく、原材料由来の有効成分も含まれています。
つまりこれらが原材料のプロテインを利用すれば、「牛乳には含まれていない有効成分を摂取する事ができる」というメリットを得る事ができます。しかも原材料によって有効成分の内容は大きく異なるため、固有のメリットがそれぞれ存在します。
また人によっては牛乳に対してアレルギーを持っていたり、牛乳由来の「乳糖」によって下痢をしやすいという人もいると思います。あるいは宗教的な問題などがあり、牛乳あるいは動物性の食品を利用できないという人もいると思います。それらの場合も、牛乳以外を原材料とするプロテインを選ぶメリットがあります。
初心者の場合、まずはそこから考えて「自分に合うメリットが得られる原材料のプロテイン」を選ぶと良いでしょう。そうして一旦選択肢を絞る事で、商品選びがしやすくなります。
尚、単に「蛋白質を補給する」という目的でプロテインを利用する場合、牛乳以外が原材料となるプロテインを選ぶ理由はありません。実は牛乳と大豆以外のプロテインは海外製が多く、高価なものが多いのです。決して無理をする必要はありません。
●エッグプロテインの特徴
ここからは牛乳以外を原材料とするプロテインの特徴について解説していきます。まずはエッグプロテインの特徴からです。
エッグプロテインのメリット:主に「卵白」が原材料となっている。吸収が良く、卵白に豊富に含まれている「ビタミンB2」などを摂取できる。また牛乳由来の「乳糖」も含まれておらず、消化不良も起こしにくい。牛乳アレルギーがある人では候補になる。
エッグプロテインのデメリット:高価なため入手が難しい。また卵アレルギーは起こる事がある。
このようにエッグプロテインは「吸収が良い」ため、手軽に利用する事さえできれば、利用するメリットは大いにあります。
ただしエッグプロテインは動物性です。人によっては候補ではなくなります。またエッグプロテインは全体として高価であり、入手が難しいです。「利用したい時に利用できない」というのは大きなデメリットになります。
●ソイプロテインの特徴
続いてソイプロテインの特徴についてです。
ソイプロテインのメリット:「大豆」が原材料となっている。大豆イソフラボン、アルギニン、各種ビタミン・ミネラルなどを摂取できる。また牛乳由来の乳糖も含まれておらず、消化不良を起こしにくい。更に牛乳由来のプロテインより安価なものが多い。牛乳アレルギーがある場合には候補になる。
ソイプロテインのデメリット:吸収が遅く、運動後の栄養摂取には向かない可能性がある。また大豆アレルギーは起こる事がある。ちなみに男性が大豆イソフラボンを摂取する事によって懸念される問題は、プロテインの場合、通常は心配ないと思われる。
ソイプロテインは、一般的に「健康に良いプロテイン」として認知されています。特にソイプロテインは「全体として安価」で、場合によっては牛乳を原材料とするプロテインよりも安いので、初心者でも手軽に利用する事ができます。その点は大きなメリットになるでしょう。
ただしソイプロテインでは「吸収が遅い」というデメリットがあります。普段の食事の際にはオススメですが、運動後での摂取にはあまり適していません。そのため「意外に利用する人を選ぶプロテイン」かもしれません。
●ピープロテインの特徴
続いてピープロテインの特徴についてです。
ピープロテインのメリット:エンドウ豆などの豆類が原材料となっている。大豆には劣るが、豆類はビタミン・ミネラルが豊富。また乳糖が含まれていないため、消化不良を起こしにくい。牛乳アレルギーがある場合には候補になる。
ピープロテインのデメリット:ソイプロテインと同様、やはり吸収が遅い。また全体的に値段も高め。その他、豆アレルギーは起こる事がある(原材料がマメ科の場合、大豆アレルギーを持っている人でも、アレルギーが起こる可能性がある)。
ピープロテインのメリット・デメリットは、基本的にはソイプロテインと似ています。大豆ほどではありませんが、マメ科はビタミンやミネラルが豊富なので、その点ではピープロテインを利用するメリットは大いにあります。
ただしソイプロテインと同様、やはり「吸収が遅い」ので、利用する人を選ぶプロテインだと思います。特にピープロテインは、ソイプロテインとは異なり全体として高価であり、入手も難しいです。「手軽に利用できない」という点は大きなデメリットになります。
●ライスプロテインの特徴
続いてライスプロテインの特徴についてです。
ライスプロテインのメリット:玄米などの米が原材料となっている。乳糖が含まれておらず、消化不良を起こしにくい。また全体として低脂肪。
ライスプロテインのデメリット:ソイプロテインと同様、吸収が遅い。また高価なものが多く、入手が難しい。その他、米アレルギーは起こる事がある(小麦アレルギーと比べ認知されていないが、米アレルギーも存在する)。
ライスプロテインは豆類と比べるとメリットは少ないですが、牛乳由来の成分が含まれていないので、乳糖で下痢をしやすい人や、牛乳アレルギーがある場合には候補になります。
ちなみに米とは異なりますが、麻を原材料とする「ヘンププロテイン」なんていうのもあったりします。ヘンププロテインの場合、ビタミンやミネラルが豊富なため、利用するメリットがあります。
一方、やはりライスプロテインもヘンププロテインも「吸収が遅い」ので、利用する人を選びます。また特にライスプロテインは全体として高価で入手が難しいです。「手軽に利用できない」ので、その点は大きなデメリットになります。
●ビーフプロテインの特徴
続いてビーフプロテインの特徴についてです。
ビーフプロテインのメリット:牛肉が原材料となっている。牛肉由来の亜鉛、ビタミンB12、グルタミン、カルニチン、クレアチンなどを摂取できる。また乳糖が含まれておらず、消化不良を起こしにくい。吸収も良く、牛乳アレルギーがある場合には候補になる。
ビーフプロテインのデメリット:高価で入手が難しい。また牛肉アレルギーは起こる事がある。
ビーフプロテインはエッグプロテインと同様、「吸収が良い」というメリットがあります。また牛肉由来の有効成分は「筋肉に良いもの」ばかりなので、それらを摂取するメリットは非常に大きいです。
ただしビーフプロテインは動物性です。人によっては候補ではなくなります。またビーフプロテインは全体として高価で、入手も難しいです。「手軽に利用できない」という点は大きなデメリットになっています。
●ミルクプロテインの特徴
最後に牛乳が原材料となるプロテインの特徴についてです。
・ミルクプロテインの特徴:蛋白質の種類や製法によって大きく異なるが、基本的には吸収が良い(ホエイプロテイン)。また製法によるが、ラクトフェリンやカルシウムなどの有効成分も摂取できる。
・ミルクプロテインのデメリット:蛋白質の種類や製法によって大きく異なるが、乳糖による消化不良を起こす事がある。また牛乳アレルギーが起こる事がある。そして製法によって有効成分の残留量や吸収の良さは大きく異なる。
このようにミルクプロテインは、製法によってメリット・デメリットが大きく変わります。
つまり例えば吸収の良いプロテインもあれば、吸収が緩やかなプロテインもありますし、牛乳由来の有効成分が残されているプロテインもあれば、ほぼ蛋白質だけというプロテインもあります。
そのため一概に「何がメリットで、何がデメリットか」は言えません。具体的には次回記事にします。
★プロテインを選ぶ方法(まとめ)
前述のメリット・デメリットを踏まえ、プロテインの選び方をまとめてみると・・・
・牛乳は飲めないが、安価で手軽に利用したいなら「ソイプロテイン」を選ぶ
・牛乳が飲めず、大豆アレルギーがあるなら「エッグ、ライス、ビーフのプロテイン」を選ぶ
・牛乳が飲めず、大豆と卵アレルギーにあるなら「ライスかビーフのプロテイン」を選ぶ
・植物性が良いなら「ソイ、ピー、ライスのプロテイン」を選ぶ
・牛乳は飲めないが、値段や手軽さ、動物性等を気にしないなら「ビーフかエッグのプロテイン」を選ぶ
・牛乳が原材料でも良いなら、無理せず「ミルクプロテイン」を選ぶ
・吸収の良さを求めるなら「ホエイプロテイン(ミルクプロテインの一種)」を選ぶ
という感じになります。こうして自分に合った原材料のプロテインを選ぶと良いでしょう。
特にソイプロテインとミルクプロテイン以外のプロテインは、基本的に高価で入手が難しいです。牛乳を飲む事ができるなら、無理をせず、ミルクプロテインを選んだ方が良いと思います。
今回はこれで以上になります。お役に立てれば幸いです。よろしければ「スキ」や「フォロー」をお願いします。
尚、「牛乳が原材料のプロテイン」にも様々な種類があります。それについては次回、解説していきます→『牛乳由来のプロテインを選ぶ際に知っておくべき「種類の違い」』
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