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こどもたちへのプレゼントの行方

大掃除をしていたら、息子たちが小さい頃、私が息子たちのためにと作った絵本が出てきた。

その絵本は子どもたちにプレゼントとして作ったものだ。
今では誰の目にも触れられず、読まれることもなく、本棚にきちっと収まっている。

私はその絵本を手に取った。破れていたり汚れていたりするが、懐かしい気持ちになった。もう15年くらい前に作った絵本たち。
私は寝る前に、この絵本をよく読み聞かせをしていたものだ。

たしかIllustratorかな何かで描いたんだろうと思う。普段使わないソフトをなぜ使ったかのかは覚えていないけど。データは起動できるかも怪しいパソコンの中で化石のように眠っている。

多分、これから先、データを取り出すことはないだろうと思う。
それならば、せっかくなので写真に撮って残しておくことにしよう。


📖 きょうのてんきは?


きょうのてんきは?

さんさんさん。
きょうは、はれ。

おひさま、こんにちは。
わんちゃんもこんにちは。

ぼうしをかぶって、あそびにいこう。

きょうのてんきは?

もくもくもく、そよそよそよ。
きょうは、くもり。

くもさん、こんにちは。
かぜがきもちいいね。

ねこちゃん、ちょっととおくまでおでかけしよう。

きょうのてんきは?

ざーざーざー。
きょうは、あめ。

あまつぶさん、こんにちは。
かえるくん、こんにちは。

かささして、ながぐつはいて、おでかけだ。

きょうのてんきは?

びゅーびゅー、ぴかっ。
きょうは、おおあめ。

おそとにあそびいけないなあ。

しかたがないから、おうちであそぼう。

しとしとしと。
ぴちょんぴちょん。

あれ?
あめがあがってきたのかな?

やんだやんだ。
あめが、やんだ。

ながぐつはいて、おでかけだ。

わーい。
にじがでてるよ!!
きれい、きれい。

おしまい

長男が赤ちゃんの時に作った絵本。初めて手作りした絵本。
シミがいっぱい。たぶん、よく読んでたんだろうな。



📖 あは いひ うふ えへ おほほのほ


よーし、きょうはみんなで○○をわらわせよう!

まずは、おかあさんのばんよ!!

そーれ!
こちょこちょこちょー!

あははははは!!

よしっ!

つぎは、おにいちゃんのばんだぞ!!

よいしょっ。
たかいたかーい!!

いひひひひひひ!

うふ!

つぎは、おねえちゃんのばんね!!

いないいなーい。

ばあっっ!!

うふふふふふふふ。

よーし、じゃあ、さいごは、おとうさんだ!!

みてろー。おならぶーだ!!

ぶぅー!!!

えへへへへへへへ!

おほほほほほほ!
おほほほほほほ!
おほほ。
おほ。

あら?
どこかでわらいごえがきこえるぞ?

あー!!
みんなもわらってたんだー!!

おしまい

こどもたちをどうにかして笑わせたいと、強制的に笑わせるべく作った絵本。
くすぐるシーンではくすぐって、たかいたかいのシーンでは、本当にたかいたかいをしていた思い出。




📖 たべたのだあれ?


きょうのばんごはんは、にんじんのパンケーキ。

おっと、ぎゅうにゅうをわすれちゃった。

あれれ?
パンケーキがなくなってる!

きょうのばんごはんは、あっつあつのきつねうどん。

おっとっと、おはしをわすれてきちゃったよ。

あれれれ?
きつねうどんがなくなってる!!

きょうのばんごはんは、バナナのかたちのバナナブレッド。

おっとっとっと。
バターをぬるのをわすれたよ。

あれれれれ?
バナナブレッドがなくなってる!!!

きょうのばんごごはんは、さっくさくのどんぐりクッキー。

おっとっとっとっと。
こどもたちをつれてこなくちゃ。

あれれれれれ?
どんぐりクッキーがなくなってる!!!!

みんなのばんごごはんが、なくなったんだね。
ふしぎぎだなぁ。
おかしいねぇ。

ごめんね。
ぼくがたべちゃったんだ。
おわびに、つきみだんごをどうぞ。

いただきまーす。
おつきさまもおひとつどうぞ。
みんなでたべるとおいしいね。

くいしんぼうがこんなところでも発揮されている絵本。
動物のイラストが描きたくて、描いた記憶。どんぐりクッキーが気になる。




📖 ありがとう @あいうえお作文


ありがとうを
いおう。

うんととびきりの
えがおを
おくろう。

かなしかった
きのうも、
くやしかった
けんかも、

こころのなかのもやもやも、
さっとあらいながそう。

しあわせで
すごせるひびが、
せかいでいちばんのたからもの。

そばに
たいせつなきみがいるばしょが、
ちきゅうのどまんなか。

つめたくても、あたたかくても、
てとてをつないでいよう。

とまらないじかんをともにあゆめることが、
なによりもしあわせ。

にじいろに
ぬりかえよう、
ねっとりとしたくらいそらも。

のにさく
はなでいっぱいにしよう、
ひからびたじめんも。

ふたりでもたくさんでもいい。
へたでもたのしいほういい。

ほっとするような
まんまるなおつきさまを
みあげて、
むかしばなしをするのもいい。

めには、かがやくほしをちりばめて、
もっとみらいのはなしをするのもいい。

やさしくなろう。
ゆっくりすすもう。

よこにならんで、てをつなごう。
ららららんとうたをうたおう。

りんとせをのばして

るんとむねおどらせ
レモンのようなこいもして

ロックなこころいきで
わたしをはじめよう。

ありがとう「を」わすれない
か「ん」しゃは、つたえるためにある。


息子たちが小さい頃は、どこへ行くにも一眼レフを持って出かけていました。
たくさんとった写真と詩を組み合わせて何か作りたいと、photobackというアルバム作成のサイトでアルバムを作りました。息子たちに伝えたいメッセージが込められています。
趣味で撮った写真以外にも、息子たちの写真はこのサイトで年に一回製本するようにしていますが、長男は高校2年生。彼の写真はあまりないので、残念ながらアルバム作りは中学生までだなと。



これは、私へのプレゼントだったと思う。


現実的に、この絵本やアルバムを息子たちにプレゼントするかどうかと問われれば、プレゼントしないような気がしている。
すでにボロボロだし、たぶん私はまた、この絵本たちの存在を忘れてしまうだろう。

彼らもまた、私と同じように絵本の存在もアルバムの存在もどこか遠い記憶の彼方に置いていってしまっていると思う。

それでいいし、それがいい。

便りがないのは元気な証拠。
古い古い過去の思い出を思い出さないということは、今を生きている証拠だと、私は信じて疑わない。

それでも私はビリビリに破れた絵本を、アルバムを、ずっとずっととっておくだろう。そこにはたくさんの思い出が詰まっている。

子どもたちへプレゼントするためにこしらえた絵本もアルバムも、ずっと私のそばを離れずに思い出を残してくれている。


たぶんそれはきっと、未来の私へのプレゼントなのかもしれない。




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