でかいしめじtoカニカマdeアヒージョ
スーパーで見かけると手にとりたくなるものがある。
それはでかいしめじである。
その名もぶなクイーン。
立派な名に恥じないしっかりとした大きなしめじだ。
食べ応えもあり、そして美味しい。
とある日の夕暮れ、今日のつまみは何にしようかとスーパーを徘徊していると、私はぶなクイーンを見つけた。100gぐらい入っていそうな量のぶなクイーンが一袋99円で売られていた。こりゃ買うしかないやろ、と私はぶなクイーンを乱雑にカゴに入れる。
「私を誰だとお思いで? ぞんざいな扱いは許しまへんで!」
という声が聞こえないでもないが、私はぶなクイーンを買う立場の人間である。
「お前のことを美味しくいただいてやるから待ってろよ」
とレジカゴに放り込まれた高飛車なぶなクイーンに向かって呟きたくなったが、流石にレジカゴに向かって話しかけたら、いくらなんでも怪しすぎる。
そのため、私はぶなクイーンとの会話をグッと妄想の中に押し込めて、一人ニヤつきながらスーパーを徘徊した。
ぶなクイーンをどうやっていたぶってやろうかと考えてみる。
それは金曜日のことだった。
酒のつまみになり、そして、簡単に食べれるものがいい。さらには私はキッチンドランカーにならなければならないので、キッチンで食べれるものがいいなぁと思う。
そして私は思いついた。
オイルでぐつぐつの刑にしてやろう、と。
しめじだけじゃな〜と、えびも買った。タコも入れたかったが、高かったので蟹を模したかまぼこにした。略してカニカマである。
カニカマの進化はすばらしく、今ではカニと遜色ないものも作られている。海外でもカニカマは人気だという話も聞く。
カニカマをアヒージョにすると、カニカマがほぐれ、オイルがしっかりと絡みつく。家で食べるのだからと、遠慮なく音を立ててオイルが絡み付いたカニカマをずずずとすする。
まずはオイルを楽しんだ後、カニカマを咀嚼すると、かまぼこのほんのりとした甘さが口の中に広がった。そこで私はビールをクイっと飲む。至福の時。
夕食が完成するまでの間、私はぶなクイーンとカニカマ、そしてエビのアヒージョを楽しんだ。夕食が完成し、残ったオイルに食材を追加して、家族にもアヒージョを振る舞った。みな、美味しいと食べてくれた。
普段であればオイルが結構残るので、パンを浸したりリゾットにしたりして楽しむのだが、カニカマがしっかりとオイルを絡め取ってくれるので、今回はあまりオイルが残ることはなかった。
本物のカニをアヒージョにすることはあまりに贅沢すぎて憚られるが、カニカマであれば遠慮なくアヒージョすることができるな、と思った。
私が小さい頃に抱いていたカニカマのイメージと、最近のカニカマではあまりに印象が異なると思っている。
カニカマの進化についてちょっと調べてみようと思い、ググってみると、カニカマの生みの親がnoteをしていることを知った。
スギヨさんという会社がカニカマの生みの親らしい。
当初はクラゲを作る予定だったようだが、失敗に終わりカニカマが誕生したとのこと。
何かを作ろうとして失敗し、別のものが出来上がるというのはよく耳にする話である。
失敗は成功のもと。
何が功を奏すかは誰にもわからないことを、私はカニカマから学んだのであった。
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